第2話   チャレンジ精神
アメリカから帰国後、インドへ飛び立つまでの期間は約1週間。
正味5日間で、身辺整理を全てやってしまわなければならなかった。
精力的に動いても、頭の中ではアレもコレもやらなくてはいけない、と大パニックであった。
電気、水道、ガス、電話等の手続きはもちろん、市役所等でも諸々の手続き、
何よりも家を片付けて、家具を全て運送屋の倉庫に預けなくてはいけない。
インドへは無期限一本勝負のつもりでいくわけだから、家賃そのものが無駄と考えられた。
運良く預かってくれる倉庫は見つかった。
車も売り払い、旅の資金にするつもりでいたが、予想以上の安値に私は妥協する事は出来なかった。
それほど、愛着もあったのだろう。
結局、都城を離れる前夜に、友達が預かってくれることになった。
今では、売らずに良かったと心から感謝している。
また、インドは極めて汚く、危ない国だという事は、漠然とは認識していたが、
予防接種を受けて行かなくてはならない、ということまでは知らなかった。
ホントは、半年間程かけて、計画的に予防接種をしなくてはいけないらしいが、
私達は、一日3〜4種類を打ち、出発当日も注射をして空港に向かった有様だった。
その日は病院は定休日で、看護婦さんもいなくて、医院長先生を呼び出してまで打ってもらった。
代金は、「無事帰ってきてから、顔を見せてください。」と言われた。
”たくさんの人々に支えられ、私は出発するのだ!”と感謝で一杯の気持ちになった。
私達大人2人だけなら、ちょっとやそっとの病気は構わないのだが、
2歳半の娘も、世界中の病原菌の巣窟であるインドへと連れて行こうとしているのだ。
最大限の注意を払わなくてはならない。
打ったのは、狂犬病、A型肝炎、破傷風・・・・・・・・・。う〜〜〜。
たった一杯の水で、一発で「肝炎」にかかるらしい。恐ろしいや〜〜〜。
今だから笑い話になるが、
2ヶ月くらいまでは、食事をする時、一緒に出てくる水には、一切、手を付けずに、
ペットボトルのミネラルウォーターを頼んでいた。
水だけでなく、コップ自体がめちゃくちゃ汚いのだ。
ところが、3ヶ月もすると慣れてきて、チャレンジ精神が顔を出してくるのだ。
”おれの体は、どこまで耐えれるのか?”と試したくなるのだ。
お陰で下痢をするわ、39度以上の熱が出るわで、随分楽しませてもらった。
ついでに余談だが、
ある時、右あばら骨付近がら背中にかけて、重たい痛みが襲ってきた。
ちょうどその時は、マッサージのトレーニング中の体内の構造の勉強の日だった。
「もしかして〜〜〜?」と感じていたが、予想通りそこは「肝臓」の位置だった。
「やられた〜〜〜〜。」ひっくり返りそうになった。
も一つ。
私は、献血をするのが趣味みたいなもので、映画の無料券とか昼飯を狙ってよく通ったものだ。
帰国後、またもや映画の券をゲットするために、献血センターに行った。
ところが、途上国に行ってた場合、1年以上は献血できませんと言われた。
納得できず、先生と話すと、「あなたが行ってた場所は、マラリアの危険地帯でありますので、
3年以上は出来ません。」と更に延長願いを出された。
そういえば、蚊にも刺されまくった・・・・・。。。
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