能登島にはほとんど馴染みがない。
合宿御所「能登の家」への通り道から外れている上、島であることが心理的な壁となり、行く機会がなかった。
しかし、近年では橋がかかり、自動車での上陸も可能となり、利便性が向上。
島外からの観光客も多いようだ。
その能登島で、今、イルカが熱い。
おさわりイルカと野生イルカ。
その実態は如何に。
調査することにした。
おさわりイルカは、お触りイルカで、文字通りイルカにお触りできるらしい。
イルカに扮装したホステスさんが出てくる新種の風俗店かと思ったが、違うようだ。
ま、確かにイルカの着ぐるみを着たお姉ちゃんのお酒を注いでもらっても、なんだなぁ。
主催するのは能登島水族館。
飼育員の指導、説明の下、イルカさんに触れ合うことができる。
もちろん「なごり雪」も歌わない。
生物のイルカである。
題してふれあいビーチ。
夏場は専用ビーチで触れ合えるのである。
それ以外の時期は、飼育プールで触れ合うようだ。
以下、ブー隊員の観察記から転記する。
マグロのようにつるんとした滑らかな感触。
張りがあって弾力もある。
同じところに手を当てていると、少しずつイルカの体温が伝わってくる。
目の後ろに耳がある。
耳は完全に閉じていて、皮膚にすぼまったような模様が見えるのみである。
口の辺りの骨から伝わる振動を耳で聞いている。
聴覚はよく発達しているそうだ。
一方、視力は弱く、0.3くらいだそうだ。
呼吸口は頭の後ろの方についている。
水の中で暮らす生物だけに、呼吸口は完全に閉じることができる。
中を覗くと、気道は二つに分かれているように見えた。
イルカは、この呼吸口を使って音(声)を出す。
この日も、パチパチパチとガスレンジの着火スパークのような声や、キーッといったかん高い声、カッカッカッといった声を立てていた。
外見上一枚のヒレにしか見えないが、5本の指の骨がある。
ヒレはしっかりしていて、硬い。
尾ビレもしっかりしていて、硬いが、骨はない。
イルカは哺乳類で、おへそがついている。
縦割れのスジ状である。
肛門の両脇にも縦の切れ目があり、この中に乳首が隠されている。
子どもが吸うときには外に出てくるらしい。
生まれたときには目の上辺りにヒゲが生えているそうだ。
大人になるとなくなり、痕跡のみが残る。
子どもは体長1mくらいで生まれるそうで、かなり大きい。
大人は2.5〜3mくらいだそうだ。
寿命は30〜40年。
思ったより長生きである。
イルカとクジラは明確な区別はないそうだ。
強いて言えば、大きいのがクジラ、小さいのがイルカ。
種としての違いもあまりなく、水族館ではクジラとイルカの混血児が生まれることもあるとのこと。
触ることの是非はあるものの、イルカと直接触れ合えるのは楽しい。
また、イルカを目の前にして専門の方の説明を聞きくと、イルカへの理解が一層深まり、教育的意義も大きい。
ふれあいが終わったあとは腹ごしらえ。
能登島の最奥部にある能登カフェを訪ねた。
海岸沿いの細い道を20分くらい進み、八ヶ崎につく。
ログハウス風の建物を見つけるが、カフェではなかった。
付近を探し回り、ようやく道の隅に小さな看板を見つけた。
そこにあるのは、能登瓦が黒くピカピカする民家。
玄関に暖簾がかかり、確かにカフェらしい。
●能登カフェ
晴天の日差しの下から玄関に入るとほの暗く、古民家の重さを感じた。
迎え入れてくれたのは、店主とワンちゃん。
店主は、建築士で能登の地でスローライフを体現し、情報発信しようと活動されている。
能登カフェは、その企画の一つである。
一汁二菜ランチをお願いし、民家内を探検。
玄関からすぐの部屋には、能登島周辺の特産品が並べられている。
暗い部屋にほんのり灯りがともされ、雑貨、小物、焼き物などが並んでいる。
この部屋を抜けると、カフェ。
12畳くらいの大きな和室にちゃぶ台のようなテーブルが二つ。
6畳ほどの小部屋をおいて、大きな掃き出し窓が開放されている。
心地よい風が抜ける。
窓からは防波堤越しに真っ青な海が見え、夏らしい風景だ。
●夏らしい風景
窓から外に出るとオープンデッキがあり、お日様の光を浴びながらお茶ができる。
淳隊長曰く、日影ができるようにパラソルがあったほうがありがたいと。
しかし、ミルカ隊員はすっかり気に入ったらしく、デッキに出ずっぱりだ。
ランチは奥のお座敷でいただく。
お膳付きで供されることからして、おもてなしの心を感じる。
上品に盛り付けられた料理からも、それを感じる。
量は少ないけれど、丁寧に作られた家庭の料理である。
変わったところでは、ワラビの甘酢漬けが出た。
酢でさっぱりしているし、シャキシャキ感も残っていて美味しかった。
能登島に野生イルカが生息するとの情報があり、探検することになった。
海岸沿いの細道を注意深く進む。
前も見なければならないが、海も見なければならない。
ここは運転手のブー隊員が前を見て、淳隊長が海を見る。
ミルカ隊員は、、、、後ろの専用席で午睡をとっていた。
「あっ!」
ブー隊員が叫ぶ。
前方にイルカ発見?
そんな訳はなかった。
脇の田んぼに頭から突き刺さった人の足が見えたのだ。
イルカもなんだが、突き刺さった人も見過ごせぬ。
クルマをとめて確認に行くと、田んぼの杭に長靴をかぶせてあっただけだった。
なんと人騒がせな。
そして、なんとお茶目なオブジェだろう。
●お茶目なオブジェ
「あっ!」
今度は淳隊長が叫ぶ。
海面がパシャパシャしてる。
よく見ると時折、三角のヒレも見える。
サメの可能性もなくはないが、これはイルカだろう。
野生のイルカといえども、結構、遊び好きのようだ。
3頭くらいがじゃれるように水しぶきを上げているのだ。
晴天で凪の状態だから、よく見える。
●ぱしゃぱしゃ
●野生イルカ
我々がイルカ観察していると、一台の軽トラがやってきた。
地元の農家の人という風体のおっちゃんが、双眼鏡持参で降りてきた。
専門の研究員かも知れぬ。
「いるかね」
と尋ねられ、
「はい、います」
とブー隊員は答えた。
おっちゃんの正体は知れぬが、能登島野生イルカにたいへん詳しいようだ。
3、4年前にイルカの群れがきたらしい。
そのうちの3頭がそのまま能登島に残ったのだ。
今年は1頭生まれて、4頭の群れ(家族)となったようだ。
この入り江に住み着いており、だいたいはこの入り江にいる。
時には岸に近いところで姿を見せることもある。
近くの民宿で、1000円でイルカウォッチングさせてくれるとのこと。
以上がおっちゃんの話。
最後まで素性はわからずじまいであったが、イルカへの愛情と好奇心があることは確かなようだ。
最後に温泉だ。
ミルカ隊員初温泉。
我々が選んだのは、ひょっこり島温泉。
昔、NHKの人形劇で「ひょっこりひょうたん島」というのがあった。
これを連想させる、冒険心そそる名前である。
ミルカ隊員のために貸切風呂が用意できるとのことである。
お湯をその都度張り直すらしく、準備ができるまで10分ほど待った。
お湯は少し緑がかった黄色っぽいお湯だ。
なんとなく不透明でどんよりした感じがする。
なめると、しょっぱさとともに苦味がこみ上げる。
おそらく和倉温泉の湯に近いものと思われる。
実際、この温泉から海を隔てて和倉温泉が見通せる。
場所も和倉に近いのである。
湯上りには塩のねっとり感が残り、湯冷めもしにくそうである。
湯温も高いようで、湯船に注ぐ湯量は少なく制限している。
湯を張るときには、加水して温度調節しているかもしれない。
しかし、消毒臭はしないので貸切風呂に関しては源泉を利用しているようだ。
熱めのお湯であったが、ミルカ隊員も湯船につかり、温泉を満喫した。
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