ホウボウ(2003/2/2(日))
ホウボウ(2003/2/2(日))

ホウボウ(2003/2/2(日))

 またもや週末営業の怪しい魚屋へでかけた。 1匹1500円のホウボウが目を引いた。 オッチャンが「2匹で2000円」と声をかけてきた。 1匹しかいらないんだけど、、、と難色を示すと、2匹1000円に負けてくれて、手をうった。

 とてもユニークな魚体である。 さかなは横に寝かされて売られているものだが、カエルのように腹を下して並んでいた。 棲息状況から、この体型はきているようだ。 カサゴの仲間で、砂地の海底を這って生活しているらしい。 体はヌメヌメする。 鮮やかな赤主体の魚体なのに胸ビレは青緑色。 頭部は硬い殻のような骨で構成されている。 叩くとコツコツと音がする。

hobo1 ホウボウ、右へならえ!

 鱗を丹念に取ってから、頭を落とす。 浮き袋は珍味らしいので、傷つけないように慎重に包丁を入れる。
 腹を開いて内臓を掻き出す。
 3枚におろすため、皮のみに切れ目を入れる。 皮が切れにくいので、あらかじめ切れ目を入れておくのだ。 全体に切れ目が入ってから身と骨を剥がしにかかる。 身ばなれはよい。
 腹骨を鋤くのはひと苦労。 中骨もごっつく、きっちり取ってやる必要がある。 ここは思いっきり腹骨付近を切り落として、煮こごりや焼き用と割り切ったほうがよい。

hobo2 3枚におろしました

 刺身用のものは、皮を引いてやる。 皮引きは容易である。
 刺身は味は淡泊で、ほのかな甘みがあって美味しい。

hobo3 ホウボウのお造り

 淡白な白身であれば、昆布締めも合うに違いない。 刺身用に柵にした身を昆布ではさみ、ラップを巻いて冷蔵庫で寝かしてやる。  。 この魚は浮き袋を使ってボウボウ鳴き声をだすことから、この名になった由。
 うっすら赤みを帯びた身は、しっかり感があって旨みが濃縮される。 軽くしょうゆをつけて食べると、これもおいしい。

hobo3 ホウボウの昆布締め

 内臓から浮き袋だけを取り出してやる。 よく洗って水を拭き取り、塩をふって塩焼きにする。 この魚は浮き袋を使ってボウボウ鳴き声をだすことから、この名になった由。
 袋の弾力ある歯ごたえを期待したが、焼くと焼き魚のようなぽろぽろした身になった。 よく焼くと香ばしくて美味しい。

hobo4 浮き袋の塩焼き

 せっかくなので、一番だしを取ってやり、椀種としても使ってみた。 腹の方の美味しい身を切る。 片栗粉をまぶして椀に浮かべる。
 力強いだしの味と共に、淡泊な味わいの中に身のうま味がしっかり感じられる。 こいつは一押しである。

hobo5

 ホウボウは鍋にも合うらしい。 鍋の用意がすぐにできなければ、刺身用に薄造りした身をさっと湯に通す。 そして、湯をしっかり切ってから少しポン酢をかけて食べると、上品なうまみのあるホウボウの身が楽しめる。 これは、手間いらずであるがおいしい食べ方だった。

 ホウボウはゼラチン質を多く含んでいて、煮こごりにも向くらしい。 あらを鍋に入れ、水、しょうゆ、砂糖、酒、みりんを入れて煮てやる。 煮魚と同じ要領だ。 15分くらい煮て火から下ろし、身を剥がしながら骨などを取り除く。 身は、汁の中に残してやる。 身を少しつまむと、美味しい。 煮汁を深めの器に取り、冷蔵庫で冷やす。
 身が多い部分とプルプルのゼラチン質の2層ができる。 口に入れるとひんやりとプルプルな食感が広がり、徐々に溶けていく。 少し濃いめの味だけれど、冷えているので意外と気にならない。
 身が食感を損なうかと思ったが、煮魚としてのホウボウも一緒に楽しめてよい。 食感の良さは、最初に口に入れた瞬間に十分味わえるのだ。 これは、お勧めの一品だ。

hobo6 極上品の煮こごり

 椀種であれだけのうま味があるのだから、焼いても美味しいに違いない。 そこで、塩焼きにしてみた。
 白身の淡泊な味である。 今回の焼きでは、ホウボウの良さが十分引き出せなかった。

note.
2003/2/22:初版
2011/2/24:Ver.1.10 刺身、昆布締め、湯通しの情報を追加、写真サイズ変更

ref.
「魚の目利き食通辞典」講談社編(講談社)
「日本一うまい魚の食べ方」生田與克著(中経出版)

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