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3日目の1―目の前も真っ白、頭の中も真っ白/蘇州到着の巻 |
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朝5時30分起床。大急ぎで身仕度をする。 もっと時間的にゆっくりできそうではあるが、銀に朝食を食わせないといけない。こいつは食にこだわるのだ。 けっこう早く支度できてしまう。レストランは朝6時半から営業開始。まだ5分ほど早いが行ってみることにする。 だが、ビュッフェの方はほとんど用意ができていなかった。ふうむ。 まあ、文句を言ってもしかたがない。あるもので済ます。シリアル2種、トマト、キュウリ(いずれも生です)、いり卵、ソーセージ、コーヒー。 窓の外はまだ暗い。今日の天気は悪くなるのだろうか?
■ 蘇州へ 6時45分。あわただしい食事を終え、レストランから直接地下鉄駅へ。 7時10分、上海火車站に到着。軟座用の待合室(候車室)が、駅に向かって右側にあるはず。すぐに見つかる。切符を係の人に見せて中に入る。 意外な物も発見。ひなびた温泉街では今でも見られるという電動マッサージ椅子だ。1元コインを何枚か入れて動かすらしい。 待合室内には電光掲示板があり、列車の電車番号と出発時間、ホームの番号、それにチェック・インが始まっているか否かを確認できるようになっている。これは便利。言葉が通じなくても、これなら一目瞭然だ。 わたしたちの列車は11站台(ホーム)から出発する。チェック・インも始まっている。さっそく向かう。
100%観光客になりきり(そのものなのだが)、ホームで撮影会をしていたら、若い男性に日本語で「撮りましょうか?」と声をかけられた。ありがたく銀とふたりで撮ってもらう。 恨んではいけない。せっかくの好意なのだ。 車両の入り口についている階段を登って車内に入る。先客はいない。 さあ、他に乗客がいないうちに記念撮影だ。 他に乗客もあまりいず、広い座席で「このままずっと空いているといいね」などと好き放題言い合いながらふんぞりかえっていたら、ふいにどやどやと白人の団体様御一行が。確か、軟座の待合室で見かけた人たちだ。 あっという間に車両内は満席。わたしたちの前にも老夫婦が座る。 それにしても、こんなに列車が混むとは予想外だ。もしかして、おとといわたしたちが切符を買えたのはラッキーだったのだろうか? 7時54分発の列車しかすすめられなかったのも、それ以外の列車に空席がなかったからとか。 やがて列車は何のアナウンスもなくふいに動きだした。ホームで日本のように音も鳴らなかったような。うっかりしてたら発車しちゃうわけか。 列車が蘇州めざして走りだしてしばらくすると、お茶のサービスが。お茶とコーヒーが選べる。銀がお茶を所望する。 ところがこれ、サービスではなかった。がっちり3元とられた。なんだ、乗車料金に含まれているんじゃないんだ。 列車の窓の外には田園風景が広がっている。ときおり渡る小さな川の水面からは、うっすらと霧のようなものが立ちのぼっている。寒いんだな、と思っていたら、畑の土の上に霜が降りていた。道理でね。 ちなみに、列車列車とわたしは書いているが、中国の列車は基本的に「電車」ではない。しかし、わりと最近までわたしはそのことを知らなかった。 わたしは去年の夏、西安から洛陽へ移動する時、初めて中国で鉄道を使った。 中国語で地下鉄以外の鉄道を「火車」とか「列車」と言う理由を、わたしはこの時ようやく理解したわけだ。 路線によっては遥かモスクワの向こうまでつながっている中国の鉄道。見渡す限り地平線というような平原に、電柱を立てて電線を通して列車を動かしていたら、いざという時、立往生してしまう。列車自体に駆動力を持たせなくては危険なのだ(たぶんディーゼル車)。 列車の中で、銀はウォークマンを、わたしは暇つぶしに昨日の日記をつけていたが、ふっと外を見ると「蘇州○○」という看板が。 列車がついに蘇州駅到着。やたらと幅の広いホームはどことなく閑散とし、寒々としている。日が当たらないせいだろうか。とにかく改札口へと向かう。 改札を出ると、もうワンクッションゲートがあるのだが、そのゲートの向こうにものすごい人の数。なにやらゲートを乗り越えて、こちらに押し寄せてきそうな勢いだ。何か一生懸命改札の方に向かってしゃべっている。そうか、これがうわさに聞いていた蘇州の客引きか。 わたしたちは自力で観光するつもりなので、これらの客引きに用はない。目を合わせないようにして通り抜け、駅前に出る。 初めての中国旅行で、わたしは敦煌に行った。映画「敦煌」が公開されてから、だいぶたった頃のことだった。 西安から1時間のフライトを経て、飛行機のタラップを降りて敦煌空港にその一歩を印した時、わたしはとっさに「しまったっ!」と思った。 空港とは名ばかりの、単なる空き地かと思わせられるような滑走路。見渡すばかりの黄色い土に、強烈な夏の日光の照り返し。見えるものといえば、遥か彼方の地面の上に、ちょこっと森のような緑がある程度。おいおい、空港を囲むフェンスとかはないのかよ。 片手で帽子を押さえつつ、全体的に白っぽい敦煌の風景を眺めながら、わたしは「しまった。こりゃ、とんでもない所に来ちゃったぞ」とため息をついた。薄暗い空港内にある飛行機の離発着予定表が、黒板に白いチョークで書かれているのを見た時、その不安はますます強まった。 しかし、あの時はガイドさんがいた。添乗員さんがいた。あまりの何もなさにこちらが唖然としていても、きちんとホテルまで連れて行ってくれて、観光もさせてくれた。 だが今回は、頼れるのは自分自身だけである。 おわり
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● 今回の教訓 ● |
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どんな旅行でも、自分自身が旅の案内人で
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● 今回のおこずかい帳 ● |
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地下鉄:2元 *今回の小計:3.5元 (※レートは1999年1月で、1元=14円で計算しています)
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■ 編集後記 |
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補足事項です。 ・蘇州行 ・無錫行 ・常州行 ・南京行 が蘇州を通るそうです。ただし、蘇州を通過する列車もあるので、注意が必要だそうですが、これは駅で売っている時刻表(3元)で確かめられます。 情報提供はおっきーさんでした。ありがとうございました。 それではまた、次号でお会いしましょう。
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3日目の1―目の前も真っ白、頭の中も真っ白/蘇州到着の巻 | |||||
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3日目の2―この選択は吉か凶か? 三輪車でGO! の巻 | |||||
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3日目の3―張継にまさる句はひねり出せるか?/楓橋の巻 | |||||
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3日目の4―鐘を撞いて煩悩滅却!?/寒山寺の巻 | |||||
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3日目の5―九官鳥が「歓迎光臨」でお出迎え/昼食の巻 | |||||
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3日目の6―あれれ? 銀まで傾いているぞ/虎丘の巻 | |||||
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3日目の7―白い家並は日本の原風景に似ているか? の巻 | |||||
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3日目の8―家(うち)に帰ろう/さよなら蘇州の巻 | |||||
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3日目の9―夜の上海の街を徘徊?/ | |||||
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