『上海6日間徒然日記』 1999年1月15日(金)記


第23号

5日目の1−去龍華寺怎麼走?(龍華寺にはどうやって行くの?)巻

1999年4月6日 発行


■ 龍華寺までの長い道のり

 カーテンから光が差し込んでいる。朝だ。腰が痛い(わたしは連続して10時間くらい寝ると、腰が痛くなるというくせがある)。
 でも、おかしいな。そんなに長いこと寝ただろうか・・・
 あ、しまったっ! 昨日の晩、目覚まし、時刻はセットしたけどONにしておかなかったっ!

 はっとして起き上がり、ベットサイドの目覚まし時計(持参)をつかみとる。針の位置を確認すると、時刻はすでに午前7時50分。
 ひえー、今日は6時半には起きるつもりだったのにー。

 銀をたたきおこし、大急ぎで身仕度。朝食をとりに41階へ。だがあまり食欲がない。プラムのレモン煮とおかゆ、オレンジとグレープフルーツのジュースだけとる。
 9時頃にはどうにかホテルを出発。本日の予定は龍華寺と、もういっぺん豫園で小龍包だ。

 まずは龍華寺なわけなのだが、このお寺、日本から持ってきたガイドブックの地図には、おおまかな位置しか載っていない。『地球の歩き方』にいたっては、地図上にすら載っておらず、わずかに44,56,73路のバスが「龍華鎮」という龍華寺近くのバス停に着く、と紹介されているだけである。
※Sorry! 勝手に引用してます。許して下さい、ダイヤモンド・ビッグ社さま)

 しかしその3路線のうち、地図に載っているのは44路だけ。56路と73路は記載がない。しかも44路は地下鉄駅近くに停留所がなく、困ったなという感じ。
 唯一龍華寺が地図に載っているガイドブックを見ると、龍華寺に一番近い地下鉄駅は「漕渓路」となっている。
 それではとりあえずこの「漕渓路」駅まで行って、その駅付近で「龍華鎮」行きのバスを探そうということになった。そしていつも通り陜西南路駅から地下鉄に乗る。

 上海体育館駅の次で降りればいいんだよな、と思いながら、ふと車内のドアの上にある路線図を見ると・・・なんと「漕渓路」駅がない。
 おい、ちょっと待てよ、と地下鉄のきっぷを上着の内ポケットから取り出す。きっぷの裏にも路線図が載っているのだ。
 そして確認すると、やはり上海体育館駅の次に「漕渓路」なんて駅はない。ただし、「漕宝路」という駅はある。このガイドブックの誤植なのだろうか?  しかも・・・げ、車内の路線図を見ると、「漕宝路」駅の次には「新龍華」駅になってるじゃん。もしかして、龍華寺に行くにはこの「新龍華」駅の方がいいのか? でも、そんな駅、手持ちの地図には載ってないし・・・
 龍華寺が載っている唯一のガイドブックだったから持ってきたのに、これ、全然役にもあてにならんじゃないかっ!

 このあたりでわたしが混乱し始めた。「漕渓路」はない。だが「漕宝路」はある。でも「新龍華」もあるぞ。いったい、どこで降りればいいんだっ!?

 そうこうしている内に、上海体育館駅に着いてしまった。さあ、どうする? どこで降りる?
 ええい、迷っている時間はない。
「漕宝路でいったん降りて、龍華寺行きのバスを探す。それでバスが見つからなかったら、とりあえず上海体育館駅まで戻るぞ」
と決断し、それからのことは後で考えることにして、悪い予感を感じながらも漕宝路駅で下車。地上に出る。
 そしていつものお決まり通り――途方に暮れる。
 そこは、一見では道路と高架以外、ほとんど何もないような所だったのだ。
※Attention! あくまでも印象です。実際にはいろいろありました)

 しかしバス停はある。路線もそれなりの数がある。
 けれど、肝心の56路と73路はなかった。「龍華鎮」に行くバスも見当らなかった。
 いたずらに歩いて体力を消耗するよりも、さっさと上海体育館駅に戻っちゃえ、とあきらめよく駅に引き返す。なぜ上海体育館駅かというと、バス路線がたくさん集まっていそうだし、万が一龍華寺まで歩くことになっても道がわかりやすいからだ。

 ふたたび2元払って地下鉄に乗る。
※Attention! ご存じの方も多いと思いますが、1999年3月より、地下鉄料金は2〜3元だったのが3〜4元に値上がりしました)
 ひと駅戻って上海体育館駅に着く。上海体育館とは通りをはさんだ反対側の歩道に出た。
 予想通りバスの路線はたくさんあったのだが、「龍華寺」もしくは「龍華鎮」という停留所に行くバスはなかった。

 念の為、通りの向こうのバス停も見てみよう、と地下道をくぐる。地下道へ続く階段の踊り場に「プライベート・ライアン」の漢字だらけの看板がかかっていたような。漢字で書かれたスピルバーグの名前に驚きつつも、階段を上って再び地上に出ると、上海体育館がすぐそこにある。
 上海到着当日に、バイパスの高架を走る送迎バスの中から見たこの白いドームを、こんなに間近で見ることになるとは思わなかった。

 気を取り直してバス停を探すが、やはり56路と73路は見つからなかった。
 ついに面倒くさくなったのか、銀が「歩いて行っちゃおうよ」という。確かにその方がどう考えてみても早そうだ。
 ちなみに歩き方としては、上海体育館を右手に見ながら道を真っすぐ東に行き、最初にいきあたった大通り(天[金月]橋路か?)で右に曲がる。後はひたすらその道を南下すればよいのだ。

 実際この道順でばっちりだったが、余裕で30分は歩いたと思う。でも、歩いている途中で遥か彼方に龍華寺の龍華塔が見えていたので、ああ確実に目的地に向かえているな、という安心感はあった。

 そして道沿いの建築中のマンションやレストラン、雑貨屋を眺めながら歩いて行くと、やがてバス停を発見した。名前は「龍華鎮」。何だ、やっぱりあるんじゃん。
 しかもこれまた後で発覚したのだが(いつも後手だな、わたしは)、親切なことに、龍華寺の入場券の裏には近くのバス停に停まるバスの路線番号が書いてあった。
 いわく、41路、44路、56路、73路、87路、104路。

 がーん。104路のバスだったら、わたしたちがよく使っている地下鉄・陜西南路駅近くのバス停から出てるじゃん。
 なんだ、こんな苦労をしなくても、バス1本で来れたんじゃないか。

 その他にもバス停で確認したところ、326路のバスが龍華鎮のバス停と地下鉄駅がある徐家匯をつないでいる。また、932路のバスが、龍華鎮と地下鉄の黄陂南路駅→老北門→城隍廟をつないでいる。城隍廟のバス停がある場所は、豫園の本当にすぐ近くなので、龍華寺を観光した後、豫園に行きたい場合は非常に便利である(わたしたちも利用した)。

 あーあ、やっぱり本屋さんで地図を買えばよかったなあ。
 実はわたしたちの行動範囲内で一番近い本屋は、地下鉄の陜西南路駅の改札のすぐ脇にあったのだ。しかもかなり大規模。
 これに関してはケチったわけではなく、何となくただ面倒くさいから買わなかっただけなのだが、ずーっと後悔し続けていた。
 進歩がないな、わたしたち。


■ 龍華寺

 わたしたちにしては珍しく、ほぼ道に迷うことなく龍華寺に到着。ふいー、疲れたー。

 龍華寺は、三国志でもお馴染みの呉(222〜280)の孫権が建立したという、上海で一番古い禅寺だそうな(もちろん何度か建てなおしている)。初日に行った玉仏寺は上海最大の禅寺だったはずだから、これで上海の禅寺の双璧を制覇したことになる。
 有名なお寺のはずなのだが、日本人は見なかった。ここは地元の人が普通に訪れるお寺らしく、線香を持ってお参りする人がとても多かった。
 門をくぐって右手にあるチケット売場で入場券を買う。ひとり5元。

 「龍華寺」の額がかかった、黄色い壁に赤いぼんぼりが吊された建物に入る。ここが天王殿だったかな? いや、弥勒殿だったか?
 天王殿には正面が大黒、裏が韋駄天、四隅に四天王という、いいかげん中国では見慣れた禅寺の構成で仏像が並んでいた。
 四天王の中には、いつものように琵琶を持っているのがいる。東西南北のうちのどれに相当するんだろう?

 その次に龍華十方(大雄宝殿)。向かって左に白象に乗った普賢菩薩、右に青獅子に乗った文殊菩薩。ということは、真ん中にいるのはお釈迦さまか。
 この裏がまたしても玉仏寺のように、巨大な立体曼陀羅になっていた。廟やら塔などの建築物以外にも、竹林やら滝やらがリアルに再現されていて本当にすごい。写真に収めきれないのが残念だ。

 お次は三聖宝殿。正面に阿弥陀、左に勢至菩薩、右に観世音菩薩、だったと思う。このお寺は仏像の数が多くて、わたしたちのような仏教美術フリークにはたまらない魅力があったが、ちょっとすべては覚えきれなかった。

 さらにこのお堂がある中庭には、千手観音をまつったお堂もあって、ここはお堂の中全体が立体曼陀羅になっていた。この千手観音は左側の一手に日輪、右側の一手に月輪を持っていた。わかりやすい。
 堂の中には入れなかったが、賽銭箱の前にお参り用のひざ置きがあったので、まわりの参拝者のまねをしてちょっとお参りしてみた。様になっていなかったけど。

 お寺の一番奥まで行くと、牡丹園とレストラン(コース料理が600元からあるそうな:約8400円!)があった。
 龍華寺は牡丹でも有名なんだよねえ。牡丹の花が咲く季節にも、一度来てみたいなあ。

 印象的なできごととしては、建物の中から出てきたお坊さんが、軒に下げられている木でできた魚型の板と金属製の板をがんがん打ち鳴らしたこと。偶然その場に居合わせたのだが、ものすごい音にびっくり。お昼の合図か何かなのだろうか。

 来るのにだいぶ苦労はしたが、大変見所の多いお寺だった。

 おわり

 

● 今回の教訓 ●

 地図は旅先に到着したその日のうちに買おう

 

● 今回のおこずかい帳 ●

地下鉄代:4元(2回)
 龍華寺:5元

*今回の小計:9元
*支払い総計:元+74,020円

(※レートは1999年1月で、1元=14円で計算しています)

 

■ 編集後記

 今回は龍華寺リポートでした。いかがでしたでしょうか?

 本当に広くて仏像もたくさんあるお寺だったので、せっかくあれだけ見てきたのに今となってはほとんど覚えていません(^ ^;)。もったいないですねえ。
 何を見たか、リアルタイムで日記に記録していたので、いまでもこうして覚えているんですけど、日記つけていなかったらとてもじゃないけど覚えていられないです。

 そもそもわたしが旅先で日記をつけるようになったきっかけというのは、敦煌の莫煌窟で何番の窟を見学したか、またその窟を見た時の印象はどんなだったかを書き留めておくためだったんですけどね(例:465窟、密教系、インド色強い。321窟、初唐、青がとてもきれい、双飛天が天宮の欄干から飛び降りる[散華する]。等)。

 今でもその習慣は役にたっております。ありがたや。

 それではまた、次号でお会いしましょう。

 


 5日目の1-去龍華寺怎麼走?(龍華寺にはどうやって行くの?)巻

 5日目の2-上海の小学生はケンタッキーで課外授業? の巻

 5日目の3-湖心亭でくつろぎモード全開っ! 巻

 5日目の4-最後の力をふりしぼってショッピングの巻

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3日目

3日目

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