『上海6日間徒然日記』 1999年1月16日(土)記


第27号

6日目の1−スーツケースは気合いで閉めろっ! 巻

1999年4月16日 発行


■ 淮海中路散策雑感

 朝7時半起床。身体が少し熱い。薬が切れて、また少し熱が出てきたようだ。
 昨日の夜、銀にローソンで買ってきてもらったオレンジジュースでバファリン(解熱剤)を飲む。

 熱のせいで食欲がまったくない。申し訳ないが、銀にはひとりで朝食に行ってもらう。

 銀が食事に行っている間に荷造り。かさばるお土産が多いせいか、スーツケースの中がパンパンで、上に乗って無理やり閉めることとなった。まいったね、こりゃ。

 今日(1/16)、わたしたちは14時10分発のJL792便で上海を立つ。
 虹橋空港までピックアップしてもらうため、今日はお昼の12時に、わたしたちが利用している旅行社の現地係員である朱さんと、ホテルのロビーで会う予定になっている。

 銀が食事から戻ってきたのが9時前。まだ待ち合わせの時刻まで、3時間以上も時間がある。
 わたしの体調では遠出はできないが、このままホテルの部屋でずっとごろごろしているのも退屈である。
 というわけで、淮海中路と瑞金二路の交差点近くにあるワトソンズにでも買い物に行くか、ということになった。

 外に出るとやはり寒いが、昨日のように悪寒はしない。薬が効いているせいもあるだろうが、身体もだいぶ軽くなった。昨日よりは具合はよくなっているようだ。

 交差点まで行って、ワトソンズが開いていないのに気づく。まだ時間が早すぎたか。

 試しに交差点を渡って、ワトソンズの開店時刻を確認しようとしたが、下ろされたシャッターにも看板にも、営業時間は書いてなかった。
 しかし、昨日行ったスーパーが入っている新華聯商厦は、朝9時半から営業とのこと。それならあと20分くらいだ。
 ホテルへ戻るのも面倒くさいし、淮海中路を西に歩きつつぶらぶらすることにする。

 考えて見ると、この淮海中路のあたりは色々な店があったはずなのに、ほとんど見に来なかった。もったいなかったな。
 結婚写真を撮影してくれる店も数軒あったのだが、どのお店も通りに面した部分は総ガラス張りで、展示してあるウェディング・ドレスや美装中の女性たちの様子がよく見えるようになっている。
※Attention! 「美装」というのは、女性が花嫁姿になる際に、お化粧したり着付けしたりすることを指す言葉らしいです)
 なるほど、この様子がそのままお店の宣伝になるわけね。

 昨日おとといは土日だったためか、どこもすさまじく込みあっていて、髪型だけ花嫁さんで、首から下は普通のセーターにコート、なんて格好の女性たちであふれかえっていた。

 そう、この結婚写真を撮る店もそうだったのだが、上海では美容院でも、女性はコートを着たまま、ひざの上にに自分の荷物を置いて、美容師さんに髪を切ったりセットしてもらっていた。
 何かの本で、中国では屋内でもあまり上着を脱がない、というような記事を読んだことがあるが、これもその習慣のあらわれのひとつなのだろうか?

 花嫁衣裳ということで、白のごく普通のものから、かなりど派手なドレスまで、まあ色々なものがあったのだが、なんと日本の振り袖を着ている花嫁さんがいたのにはびっくりした。
 へえ、わざわざ日本から振り袖を買い付けているのかな。
 着たい、と思う中国人女性がいるのも意外だった。


■ マクドナルドでコーヒーを

 陜西路との交差点まで来ると、ケンタッキーやピザハット、モスバーガーの看板が見える。
 ジャンク大好きなわたしだが、上海では全然食べなかった(コーヒーを飲んだだけ)。まあ、中華の小吃はさんざん食べたけど。

 このまま歩き続けていたら、また身体が冷えて具合が悪くなってしまう、と思い、PARKSONというデパートの近くにあるマクドナルドでお茶することにする。
 このマクドナルドの店頭には、ベンチに腰をかけたドナルドがいて、ベンチにはもう一人分、座れるスペースが空いている。わたしたちが店に入ろうとした時には、杖を持ったおじいさんが堂々と座ってひなたぼっこをしていた。

 ドナルドとおじいさん・・・
 うーむ、妙にシュールで不思議な絵だ。

 ちなみにこのドナルドは大人気なのか、いろいろな人がその横に座り、記念撮影をしていた。

 さてマクドナルド。
 ケンタッキーではちゃんと口頭で注文できたので、今度も大丈夫だろうと高を括って入ったのだが、がーん、今回は商品名が長い。いや、そんなすごい長いわけではなくて、大と小の区別があるだけなんだけど、モスバーガーでは単純にコーヒーと紅茶しかなかった。だから、シンプルに「珈琲和紅茶」(カーフェイ ホー ホンチャー)と言えばよかったのだが、ここではサイズ指定までしなくちゃいけないのか。
※Attention! 「和」は実際には「ホー」ではありません。これはちょっと、カタカナでは表記できない音です。「フー」と「ホー」の間って感じで、のどの奥から発音します――って説明でいいのかな?)

 とりあえず気を落ち着けて、カウンターの向こうにあるメニューの看板を見上げながら商品名を読んでみたのだが、相当わたしの発音が悪かったのだろう。接客してくれた男性が、ちょっと待って、という仕草をしたあと、カウンターの下から写真入りのメニューを出してくれた。あ、なんだ、それもあるのね。
 無事に注文を終える。コーヒー、紅茶ともに3.8元(約53円、大小は忘れた)。品物を受け取り、席に着いたところで、「ひょっとしてさっき、英語で注文すればよかったんじゃん?」ということに気づく。

 中国に来たんだから中国語を話さなくちゃ、とずっと思い続けていたので、今回の旅行では、わたしはまったく英語を話さなかった(もともと簡単なトラベル英会話くらいしかできませんけど)。
 我ながらちょっと無理していたかなあ、などと思う。

 朝のせいか、店内に人はそれほどいなかった。
 ちなみに上海のマクドナルドは、バリューセットはあるけれど、モーニングセットはなかったようである。みんな朝から大きなハンバーガーを食べていた。
 お子さま用のおまけのおもちゃは、スヌーピーのシリーズだった。なんかなつかしい。

 のんびりとコーヒーを飲みながら銀と話をしていたのだが、しばらくすると、わーっと歓声をあげながら子供たちが店内に駆け込んできた。何事だ? と思って眺めていると、一番最後にラジカセを持ったマクドナルドの制服を着た女性が走ってついてきた。
 この構図はどこかでも見たことがあるぞ。
 もしや、このマクドナルドでも、ケンタッキーのように子供向けダンス教室が開かれているのか?

「あ、お前入り口に背を向けていたから気がつかなかっただろう」
と銀が言う。
 銀の話によると、わたしの背後、つまりマクドナルドの店の前の歩道で、想像していたとおりにダンス教室が開かれていたのだそうな。
 わずかな日数で2度も同じことに遭遇するなんて。
 こちらのファーストフードでは、この子供向けダンス教室は当たり前のことなのかなあ。

 店内に元気いっぱいに入ってきた子供たちは、そのまま店の奥の方に行ってしまったので、そのあと何が行なわれていたのかは、残念ながら不明である。


■ 新華聯超市2

 9時50分近くになって店を出て、ふたたび新華聯超市へ。
 考えてみると、自分用のお土産を何も買っていない。できるかぎりくだらないものを買おう、と決める。

 とはいえ、まあいちおう無難な物も押さえておこう、とまずお茶を見る。
 お茶なら「黄山茶葉店」の方がよいのかもしれないが、このスーパーも高いものから安いものまで、けっこうな数の種類をそろえていた。200元以上するものまであったと思う。

 湖心亭で飲んだ碧羅春がおいしかったので、同じものを買う。高いものもあったが、どうせ自分で飲むんだから安くてかまわない(このあたりが貧乏性)。100グラム38元(約532円)の物を買う。
 他にも、あまり日本では見ないようなお茶を、と思い、「黄山毛峰」というお茶を買う。100グラム26元(約364円)。

 しかしこのお茶、箱に「新茶」と書いてあったのだが、帰国後、製造年月日をよく見てみたら、「1998.4.6」になっていた。
 なんだ、もう1年近く前のお茶なんじゃん。どこが新茶だ。
 もっと注意して買ってくるんだった。

 それでも碧羅春は味も香りもまあまあで楽しめた。だが、黄山毛峰の方はどうもいまひとつだった。お茶が古いせいなのか、もともとわたしの口には合わなかったのか。
 一度、マリアージュ・フレール(東京では有名なお茶専門店)あたりでちゃんとした茶葉を買って試さないと。

 シリアルのコーナー発見。おお、即席お粥がある。胃弱のわたしにはうれしい品だ。1袋6包入りで7.8元(約109円)。2袋買う。
 しかしこのお粥、けっしてまずくはなかったと思うのだが(わたしの舌では、ですよ)、なんと言うのだろう・・・ちぎった和紙を食べているような不思議な食感であった。
 会社でお弁当代わりに食べていたら、やたらと同僚に「グルタミン酸ナトリウムの匂いがするー」と言われ続けた。確かに人工的な匂いだったな。

 その他にも「黒米片」という謎のシリアルも発見。
 「黒米」・・・いったい何のことだろう?
 「玉米」だったらトウモロコシだが、「黒米」は聞いたことがない。英語の原材料名を読めば何だかわかるかな、と袋をひっくり返して裏を見たのだが、「Black rice」(そのままじゃん)となっていていてわからなかった。
 ちょっと下品だが、袋に顔を近付けて匂いをかいでみる。甘い匂い。
 説明書きを読むと、お湯を注いで飲むものらしい。
 気になる。どんな食べ物なんだ?

 恐いもの見たさで買うことにする。1袋15包入りで18.8元(約263円)。

 帰国後、1ヵ月くらいしてようやく手をつけてみる気になり、カップにあけてお湯を注いだら、ココナッツミルクの香りと味のする白い液体になり、その中に黒い穀物が浮かんできた。味は甘い。まずくはない(おいしいとは言い切れない)。
 本当にこれ、中国の食べ物か? よく見るとチマ・チョゴリを着た女の子がマスコットに描かれているけど。

 「黒米」に関しては、中国語の辞書も英語の辞書も調べたが、いずれにも記載がなかった。うーん、いまだ謎である。

 この他にも日清の焼きそばUFOなどを買ってみる。1個3.5元(約49円)。麻婆豆腐風味など。
 中国のこのUFOには、すっごく簡単なスープの素がついていた。昔は日本のインスタント焼きそばにもついてたような気がする。めちゃくちゃなつかしい。

 銀はお酒とビールに手を出していた。荷物が重くなっちゃうけど、こっちは酒税がないのか低いのか、アルコールが安いからねえ。

 この後、会計のためにレジできちんと並んでいたにもかかわらず、後から来たふたり組みの男性に平気な顔で割り込まれる。ムッとするよりもびっくりする。
 どうしよう、と銀と顔を見合わせたが、何ができるわけでもないので、気まずく目をそらしあった。

 わたしの方は、これでしめて131.4元(約1,840円)。安上がりなお土産である。
 さあ、ホテルに戻ってもう一度荷造りだ。

 しかしもちろん、もうすでにわたしのスーツケースはきちきちだ。上に乗ろうが何をしようが、これ以上物を入れたら閉まらない。予備の大きなショルダーバックは、重くなると持つのが苦痛だし。
 結局、「悪いなー」とへらへらしながら銀のスーツケースにわたしのお土産を詰めさせた。
 冬の旅行は荷物がかさばるね(言い訳)。

 おわり

 

● 今回の教訓 ●

 冬の旅行は大きめのスーツケースで行こう

 

● 今回のおこずかい帳 ●

マクドナルド:  3.8元
 新華聯超市:131.4元

*今回の小計:135.2元
*支払い総計:925.8元(約12,962円)+74,020円

(※レートは1999年1月で、1元=14円で計算しています)

 

■ 編集後記

 はい、またしてもいろいろリポートでした。
 この頃になると、あまり明確な計画や目的をもたず、自分たちが街中をうろうろしていたのがよくわかりますね。

 長かった『徒然日記』も6日目に突入しましたが、なんと次号で最終回です。かなり長文になる予定なので、みなさんどうぞご覚悟を。

 それではまた、来週お会いしましょう。

 


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