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ア ン コ ー ル 5 日 間 ★ 徒 然 日 記
第6号 2日目の1――赤い道の町、シェムリアップ の巻
発行責任者 ちはる
2001.8.16 発行
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§--< Attention! >-------------------------------------------------§
▼この日記は、ちはるが実際にアンコール・ワットのある町、シェムリアッ
プでつけていた日記をもとに、加筆、修正、再構成したものです。
▼もしかしたら文中に、不適当な発言、あるいは間違った記述があるかもし
れません。その場合はどうぞ容赦なくご指摘ください。ただし、旅の折々
で胸の内に生じた感情については、あえてそのまま書いている場合もあり
ます。どうぞご了承ください。
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《2001年5月28日−1》
■ 窓からの眺め
午前7時、アラームが鳴って起床。眠い。しばらくベッドでぐずぐずする。
昨日は夜ホテルに到着したので、窓からの風景が見られなかった。
さて、シェムリアップ[Siem Reap]の町並みとごたいめーんと思ってカー
テンを開けたら、空は曇っていた。
視線を地上に戻すと、まず目にとびこんできたのが赤い道路。ホテル前の大
きな未舗装の道路は赤土でできているのだ。
そして道の向こうに広がるのが緑のジャングル。3階建ての建物くらいの高
さの木々が、見渡す限り、はるかかなたまで続いている。
あー、こんな風景をいつかどこかで見たことがあるぞ・・・と記憶を検索し
たら、それはスタローンの映画「ランボー2」に出てくる何かの一場面だった。
確かこんな感じの風景が出てくるシーンがなかったか?
実際には、窓から眺める風景の中には、ホテル前庭のきれいに整備された緑
の庭園や、赤土の道路沿いに並ぶいくつかの小さな建物に混じって建つ王宮風
のホテルなどがあったのだが、ぱっと見た瞬間には赤と緑の風景に圧倒されて、
そんなものに気づかなかった。
「ランボー2」を思い浮かべてしまったせいなのかどうなのかはわからない
が、目の前の風景がまるで映画のセットのように作り物めいて見える。
何ていうか、チューブから出した絵の具を、そのままぺったりのせて描いた
舞台の書き割りみたいだ。
現実感がないなあ・・・と、わたしはパリでも思わなかったか?
だめだ。もはやわたしは完璧にディズニーランドとハリウッド映画に毒され
ている(泣)。
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■ 朝食
7時40分。身支度を終えて朝食に行く。
ちなみに今回の旅行は、全食事付きのツアーである。
朝食は1階のフロント奥にあるレストランで食べてください、と現地ガイド
のKさんが言っていたので、2階にある部屋を出てエレベータで階下に降りる。
そしてエレベータが1階にとまってドアが開いたが、そこはロビーではな
かった。目の前には、客室の扉の列がずらりと並んでいる。
あれ? と思ってエレベータの階数ボタンを見たが、ここは間違いなく1階。
だが、よく見れば「1」の下に「G」と書かれたボタンがある。
あ、そっか。カンボジアは昔フランスの植民地だったから、その頃のなごり
(?)が残っているのか。
だから地上階は1階ではなく、グランド・フロア(Ground Floor)なわけね。
なーるほど。
(※Attention! フランスでは「G」だけでなく、「0」[ゼロ]と書かれ
たボタンも見ました)
今度は「G」ボタンを押して無事地上階に降りる。この時ようやくわたしは、
自分の部屋が2階ではなく、本当は日本で言うところの3階にあることを知っ
た。
さて朝食。Kさんの話によるとビュッフェ形式という。
もうレストランは混んでいるのかな? と思っていたのだが、驚くことに客
はわたしたちしかいなかった。
そういや、昨夜も自分たち以外の宿泊客を見なかったな・・・
まさか、自分たちしか客がいないということもないとは思うけど。
民族衣装を着た係の女性に案内されて席に着く。
レストランもロビーと同じく、白い壁にツヤのある木材が多く使われていて
すっきりとしている。
だが、銀色の金属のパイプにビニール張りの赤い椅子が、妙に昔のデパート
のレストランを思い出させる。この椅子さえなければ、豪華なレストランとい
う感じだったのに。
テーブルの上には白いクロスとピンク色のクロスが二重がけされている。
さらにその上にはベトナム雑貨によくあるような小さなござ(?)のラン
チョン・マット。アジア、という感じ。
肝心の食事の方だが、これはめちゃめちゃ種類も量も少なかった。
ジャガイモの炒め物にソーセージ、ハム、目玉焼き、果物が3種類ほど。野
菜はない。それにフランスパン、コーヒー、紅茶、マンゴー・ジュース。
デラックス・ホテルというよりも、安いビジネスホテルの朝食バイキングみ
たいだ。
だが、客がほとんどいないこの状態ではしかたないか。
それにしても、ふつうビュッフェ形式というと、少ない人員で営業できて金
銭的に元もとれるというイメージがあるが、客がわたしとマダムしかいないん
じゃあ、元はとれないだろうし営業効率も悪いのでは?
いっそ個別に朝食をサービスしてくれたほうがよかったかも。
実際、このホテル、個別にサービスされる昼食と夕食はなかなかよかった。
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■ いざ観光へ
食事後いったん部屋に戻り、8時30分ちょっと前、ふたたびロビーに降り
る。
すでにKさんは来ていた。昨日と同じトヨタのカムリに乗って出発。
車が赤土の道路を走り始ると、すぐにわたしはKさんと交渉を開始。
というのも、本日の予定はお昼頃までアンコール・トム[Angkor Thom]周
辺を観光したら、ホテルに戻って食事をして、そのまま3時までホテルで休憩。
そしてふたたび3時から今度はアンコール・ワット[Angkor Wat]観光に出か
けるのだという。
ということは、お昼の3時間が(わたしたちにしてみれば)ムダになる、と
いうことである。
きっと、日差しがきつく気温も一番高い時刻は観光はせず、ゆっくり休んで
ください、という配慮から組まれたスケジュールなのだろうけど、こと観光に
関しては貧乏性なわたしとマダムは、その3時間の休憩がおしい。ホテルでの
昼食はキャンセルするから、アンコール・トムの観光が終わったら、そのまま
アンコール・ワットにわたしたちを置いていってくれ、とお願いする。
(※Attention! なぜこんなに観光にこだわったかと言えば、以前マダムと
ふたりで中国にツアーで行った時、龍門石窟で観光に30分しか時間を割かな
かったのに、昼食には1時間を割いた観光内容にふたりで激怒したことがある
からです)
このお願いはKさんをだいぶ悩ませたようだが、最終的にはOKをもらった。
そのかわり、昼食はホテルでお弁当にしてもらうから、いったんお昼にホテル
へは帰る。その後アンコール・ワットにわたしたちを置いてって、ふたたび3
時半ころアンコール・ワットで合流する、ということになった。
ありがとう、Kさん(^ ^)。わがままな客のお願いを聞いてくれて。
そんなやりとりをしていたので、最初は車窓からの風景を眺めるどころでは
なかったが、お昼にアンコール・ワットに行けることが決まってほっとしたの
で、ようやくゆっくりと外に目をやる。
道はすでにオブチ・ホテル(正式にはグランド・ホテル)の角で左折し、ア
ンコール・ワットへとまっすぐ続く道に入っていた。
沿道には昨日のレストランも見える。食べ物や飲み物を売る屋台もけっこう
出ていた。
屋台の前には、毒々しいピンク色をした液体の入ったビンが置いた台を設置
しているところがある。
何かの飲み物かシロップだろうか? それにしてはビンが汚れているな・・
・と思っていたのだが、実はこれガソリンだった。
どうりで毒々しい色のはずだよ。
(※Attention! 通常、日本だとガソリンには赤色系の色がつけられています)
それにしても、おおざっぱなガソリンの売り方である。
物好きが飲み物と間違えて売ってくれ、ということはないのだろうか?
このガソリンは、緑色や透明なビン、ペットボトルなど、色・素材・大きさ
のさまざまな器に入れられていた。
車はさらに進む。
道の両側には木があったが、「これはメンタムの木」とKさんが教えてくれ
たような記憶がある。葉からハッカのようなにおいがするんだったかな?
車の横をふたり乗りのバイク・タクシーががんがん走り抜けていく。
バイク・タクシーは観光客だけでなく、地元の人の足でもあるのだろう。女
性が乗っている姿も多く見かけた。しかも、赤ちゃんをひざにだっこして横座
りで乗っている女性もいる。まるで自転車の後ろに乗っているような気軽さで
ある。
女性がライダーのバイクも見た。バイクタクシーではなく知り合い同士だっ
たのかもしれないが、女性が運転して、後ろに男性が横座りで乗っている。し
かも、女性は片手で運転し、背後の男性とにこにこ笑いながら会話中。
日本ではバイクは危険だのなんだのとよく言われるが(確かにスピードを出
し過ぎるなど危険な乗り方をするものが多いが)、こちらでは自転車と変わら
ぬほど気軽なあつかいを受けている乗り物だった。
左側に、オレンジ色の屋根の平たく長い建物が見えてきた。その建物の中央
に、鐘楼によく似た形の柱と屋根だけの建物がのっかっている。よく見るとそ
れは鐘ではなく、仏頭のようだ。
「あれは小児病院」とKさんが言う。
聞くと、カンボジアではネッタイシマカという蚊に刺されると感染するデン
グ熱で命を落とす子どもが多いのだという。
この小児病院ではそういった子どもたちの治療を行ってくれるんだそうな
(対象はデング熱だけではない)。
地方に行くと病院がないので、親はデング熱にかかった子どもを数時間もか
けてこの病院までやってくるとのこと。
で、あの病院のてっぺんに据えられている頭像は、アンコール・トムを造営
した人であり、慈悲深いことでも有名なジャヤヴァルマン7世なのだそうな。
慈悲深いというあたりが、病院の上に据えられるポイントだったらしい。
この病院、たぶん正式にはアンコール小児病院という病院だと思う。もとは
ひとりの日本人の呼びかけからスタートしたNPOが立ち上げた病院だそうな。
日本人もいろいろなことをやってる。
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■ チェック・ポイント
車は途中、道を右にそれた。すると、すぐに高速道路の料金所みたいな建物
が現れた。ここでアンコール遺跡群の入場パスを作るそうな。
場所的にはチェック・ポイント(check point)とかいう名前がついていた
かな?
シェムリアップの町からアンコール遺跡群へはほぼ1本道なのだが、アン
コール遺跡群へ行く時には、パスを作った後も必ずここを通り、パスを見せて
から先に進むという手順をとるらしい。
入場パスを作るのに必要なのは写真が2枚のみ。日本から持ってくるのを忘
れても、建物内ですぐに写真を撮ってくれるそう。
実際、「Photo $○○」(いくらかは忘れた)と書かれた看板も見た。
わたしたちは日本から写真を持ってきたので、それをKさんに渡してしばし
待つ。わたしは車を降りて周囲の写真など撮ってみる。
料金所のような建物の下では、職員の人が高さ80cmくらいの柱の台に腰
かけておしゃべりしていた。のんびりしている。
建物には料金も掲示されていて、「3days $40 1week $100」となっていた。
わたしたちは3daysのパスを作ることになっている。
入場パスはあっという間にできあがった。
観光中はKさんがパスを持っていて、それをそれぞれの遺跡の係の人に見せ
るらしいのだが、とりあえず見せてもらう。アンコール・ワットの建物を背景
にした写真を使ったパスだった。
考えてみれば、アンコール遺跡群にはそれぞれの遺跡で入場料を払うことが
ない。
このパスが唯一手元にある入場券ということになった。
パスができたので、8時50分、アンコール・トムに向けてふたたび出発。
シェムリアップの町からアンコール遺跡群へと続く1本道に戻って真っ直ぐ
行くとT字路に行き当たる。その正面にシアヌーク国王の大きな肖像画が立て
られていて、そのすぐ後ろには水をたたえたお堀があった。
これが、アンコール・ワットを取り囲む環濠だった。
おわり
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■ 編集後記
はい、観光初日の朝のリポートでした。
ようやっと出てきましたね、アンコール・ワット。環濠だけですけど(笑)。
バイクタクシーはタイのバンコクでもよく見ましたけど、バイクの種類が違
いますね。シェムリアップで見たのはホンダのカブみたいなやつでしたけど、
バンコクで見たのはもっとバリバリした(笑)感じのバイクでした。
バンコクで渋滞にはまって1時間くらい車がぴくりとも動かなかった時は、
ガイドさんが冗談で「バイクタクシーに乗ってみますか?」と言ってましたが、
とてもそんな気にはなれないほど、激しい運転でしたねえ。渋滞する車の間を
がんがんすりぬけますから、危なっかしくて。
それに比べてると、シェムリアップのバイクタクシーはのんびりしていまし
た。スピードはそこそこ出ますが、渋滞がありませんから。
まあ、何にせよ、バイクがコケた時にとっさに対処できる人にしか、バイク
タクシーはお勧めしませんけど(バイク乗りの友人は、バイクがコケるっ!
と思った瞬間に、すでに「どう転ぼうか?」と冷静に考えているそうです)。
それではまた次号でお会いしましょう。
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