●:=: Angkor 5 days :=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=:=○
ア ン コ ー ル 5 日 間 ★ 徒 然 日 記
第19号 3日目の5――双子のように似た遺跡/
東メボンとプレ・ループ の巻
発行責任者 ちはる
2001.10.19 発行
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§--< Attention! >-------------------------------------------------§
▼この日記は、ちはるが実際にアンコール・ワットのある町、シェムリアッ
プでつけていた日記をもとに、加筆、修正、再構成したものです。
▼もしかしたら文中に、不適当な発言、あるいは間違った記述があるかもし
れません。その場合はどうぞ容赦なくご指摘ください。ただし、旅の折々
で胸の内に生じた感情については、あえてそのまま書いている場合もあり
ます。どうぞご了承ください。
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‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥《アンコール遺跡群周辺図》‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
北
↑
┼
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| |┌┐┌――――――――┐┌―――┐|
┌―――――┘└┘└―… └┘ ||
|┌―――――――★―… ★ ┌――★タ・ソム
北大門→ ★ プリア・カン ニャック ↓||
■■■■■■||■■■■■■ ・ポアン \\〜
■ || ■ \\〜
■ |└――――――――――┐ 今回の進路↓||
■バプオン |┌――┐┌―――――┐| ~~~~~~~~~~↓||
■象のテラス|| || ■ |└―┐ ↓||
■など || || ■ └―┐| 東メボン★||
■ ┌┘└┐ || ■ || ↓|└――…
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――――――┐└┘┌―――――――… || ↓||
■ └┐┌┘ ■ || ↓||
■ バイヨン|| ■ || ↓||
■ || ■ || プレ・ループ★||
■ || ■ |└――――――――――┘|
■ || ■ └―――――┐┌―――――┘
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南大門→ ★ ||
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←空港へ ||■■■■■■||
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||↓シェムリアップへ
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※ 縮尺は適当です。どーみてもアンコールトムが大きすぎる・・・
※ ■は環濠を意味しています。
※ ◎はアンコール・ワットです。
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《2001年5月29日−5》
■ 蟻塚の野原
タ・ソムを出た後、またまた車に乗って次の遺跡へ。
途中、左右に野原が広がる道に出た。野原には「いつかここもジャングルに
なってしまうのだろうか?」と思わされるほどあちこちに木が生え、その根元
はどうしたわけか、必ず土が盛り上がっている。
この盛り土は木の根本だけでなく、野原中にモコモコ散らばってある。
あれはいったい何だろう? ――と思っていると、Kさんが車を止めた。
そして「あれは蟻塚」と盛り上がった土を指差す。
えーっ! あれ、蟻塚?
野原中にある、これ全部が? すっごい数じゃん。
しかしこれは蟻塚なのであった。ものによっては2メートルくらいの高さが
ある蟻塚もある。
スポアン(和名はガジュマル)をはじめとする木々は、遺跡を破壊する原因
のひとつなわけだけど、その木々はこうしてアリによって中から食われてしま
い、次々と朽ちていくのだそうな。
ふーん、遺跡も木もアリにはかなわないということか。
それでも木はまだまだたくさんあった。アリが食べるよりも木が増えていく
速度の方がはやいらしい。
でも、遺跡のことを考えると、どちらの速さも応援できなかった。
?
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■ 東メボン[East Mebon]
蟻塚の野原をぬけて到着した次の遺跡の名前は東メボン。
かつてあった東バライという貯水池(バライという言葉自体に貯水池みたい
な意味があるらしい)の中心に建てられた寺院だそうな。
現在は西バライという貯水池(昨日夕日を見るためにのぼったプノン・バケ
ンから見た湖のこと)は残っているけど、東バライは涸れてしまったそう。
Kさんは「東バラ〜イ」と発音していた。
遺跡の建物は、見た瞬間「赤いなー」と感じる。これはラテライトという赤
色砂岩が使われているのが原因。
その他の建材としては、レンガも多く使われている。
ちなみに、レンガが使われている遺跡は石で造られた遺跡よりも古いとKさ
んが言っていた。
12世紀以降に造られた遺跡には、レンガが使われていないことが多いとの
こと。
実際、東メボンは10世紀である952年の建造である。
建てた王さまはラージェンドラヴァルマン一世という。
(※Attention! 某『地球の歩き方』だとラージェンドラヴァルマン二世、
JTBキャンブック『アンコール・ワットへの道』だとラージェンドラヴァル
マン一世になっている。どっちだ?)
今日見てきた遺跡は、どれも平面に建物が並ぶ構造だったけど、東メボンは
縦に高く高く積み上げていくピラミッドのような形だ(バイヨンもアンコー
ル・ワットの祠堂もピラミッドみたいに高くなるけど、ちょっと感じが違う)。
テラスを備えた壇が、3つくらい重なっている。
また、アンコール・ワットで見た窓の連珠格子は、表面に細かな模様が刻ま
れていて、なおかつくびれまくっていたけれど、ここの格子はつるんとしてい
てシンプル。
造られた年代が違うんだなあ、ということがシロウトのわたしにもわかる。
さて、遺跡内へ。
まずKさんが指差したのは、遺跡の四隅にある象の像。けっこう大きいのだ
が、なんとこれは1つの石から掘り出されているそう。
へえ、あんな大きなものをねえ。
赤い、けっこう段差のきつい階段をのぼって上へ向かう。
一番上のテラスに出て周囲を見回すと、東西南北はひたすらジャングルだっ
た。
木々の緑が空の青の下、一直線に地平線を描いている。
どこまでも続くその風景が、何となく不思議だ。
建物にも目を向けるが、テラスの上に点在している建物は、壊れて崩れてい
るものが多い。
それでも残っている建物を見ると、大きな一枚の白い石でできたような扉が
ある。
表面にはきれいな草花の文様が浅彫りしてあって、へー、きれいと思ってい
たが、これは開かない「ニセモノのドア」なんだそう。
飾りドアってことか?
扉の上のまぐさ石を見ると、鳥に乗った神様のレリーフがあった。鵞鳥に
乗ったブラフマーだろうか。仏教だったら梵天だな。
その下にはガルーダというよりも、翼のある人間みたいな人々もいた。
テラスの真ん中には、どーんと高い塔が据えられている。これが東メボンの
主祠堂がだそうな。
壊れていなかったので、中に入ってみると、日差しがさえぎられた上に吹い
てくる風が涼しくて気持ちいい。
ふー、休まる。
主祠堂の中央に、金色とオレンジ色の天蓋の下、色鮮やかなオレンジの布を
かけられた仏像が置かれている。
ああ、ここも現役のお寺なのか。
しかしこれ、仏像かと思ったら、とぐろを巻いた蛇の上に座っているのでヒ
ンドゥーの神様だったようだ。
でも顔がへん。福耳だけど、妙に平らでやせこけたような顔立ちで、クメー
ルの神様の顔をしていない。頭もパンチ・パーマだし。
Kさんに聞いたら、これは最近置かれた像だそうな。どうりで。
高いところから周囲を見渡せるせいか、広々とした印象のある遺跡だった。
?
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■ プレ・ループ[Pre Rup]
10時50分、車に戻って次の遺跡へ向かうが、エアコンの涼気を味わう間
もなく到着。
めっちゃ近いやんけ。2〜3分しか乗ってなかったぞ。
暑くさえなければ、歩いていける距離なのかもしれない。
(※Attention! 実際には1.5kmくらいあるようです)
さて、お次の遺跡はプレ・ループ。
んがしかし。
プレ・ループの第一印象は、「東メボンとよく似ているな〜」だった。
ぱっと見た瞬間に赤い遺跡であることや、ピラミッド型の構造とか。
同じ遺跡です、と言われたらつい信じてしまいそうだ。
それもそのはず(?)。ここは東メボンと同じラージェンドラヴァルマン一
世(もしくは二世)の建造で、961年の作だとのこと。
でも、プレ・ループの方が東メボンよりも荒れているような感じがした。門
の上にはどこからか飛んできた種が芽吹いて、赤い石の上に緑の草がところど
ころに生えている。
遺跡の周囲は草原になっている。その草原をつっきって建物へ。
東メボンでは見た記憶がないのだが、プレ・ループは建物を囲む周壁がよく
残っていた。周壁は二重になっていて、間は幅が2メートルもない。
四角く切り出したラテライトを積み上げた二重周壁は、数十メートルに渡っ
て真っ直ぐ続いている。
お〜、壮観な眺めだ。
と、感動したところで上へ。
しかし、これがまた急な階段で難儀する。上に着いたのは、Kさん、わたし、
マダムという、お決まりの順番だった。
さて、頂上のテラスから周囲を睥睨(へいげい)するが、これがまったく東
メボンからと同じ眺め。空の青と木々の濃緑が2層になったような風景だ。
いやー、のどかというか、暑いというか。
Kさんに案内されてテラスをめぐる。
まずはどこかの建物の壁にほどこされたプリーツ・スカートをはいたデヴァ
ターのレリーフを見る。
おおっ、本当にプリーツ・スカートだ。
でもこのデヴァター、表面がぼろぼろだった。
風化してこうなっちゃったのかな? と思ったが、これはかつて表面に塗ら
れていたセメントがはげてしまったせいだそうな。
ふうん、セメントか。1000年も昔からセメントがあったのか。
Kさんは「セメント」とと言っていたが、ガイドブックには「漆喰」と載っ
ていることが多かった。
まあ、漆喰もセメントも石灰を使うから似ているので良しとしよう。
その他見たレリーフは、まぐさ石にほどこされた象に乗る神様。象のあたま
が3つあったから、アイラーヴァタに乗るインドラ神だと思う。
頂上のテラスをひととおり見た後、今度はお骨(火葬した骨)を洗ったとい
う場所へ。
お骨を洗った場所ぉ? という感じだが、なんと火葬場もあるという。火葬
場だったのか? ここは。
Kさんは王さまの火葬場だった、というようなことを言っていたような。
前出の『アンコール・ワットへの道』という本によると、カンボジアの民話
の中には、瓜を盗んで農夫に殺された王さまというのがいるそうで、その殺さ
れた王さまを荼毘にふしたのがこのプレ・ループの火葬場ということになって
いるんだそうな。
う、瓜を盗んで殺された王さま(-_-;)。
どんな事情で瓜を盗んだとか、前後の話が全然わからないので何とも言えな
いが、それだけではあまりにも情けなさすぎる。
お骨を洗った場所、は四阿(あずまや)のような造りの建物の中にあった。
地面に石でできた四角い洗い場のようなものが埋め込まれている。今は水が涸
れているので、洗い場は白く乾いていた。
火葬場も見に行く。石棺のようなものが置かれていた、と思う。
変なものが写ったらこわいので(笑)、さすがに写真は撮ってこなかった。
この他プレ・ループで見ておぼえているのは、スリット状の格子窓。
いままでずっとそろばんの珠を連ねたような格子窓しか見てなかったので、
何となく新鮮だった。
遺跡を出て草地に戻る。すると、むうっと地面から熱気がわきあがってきた。
時刻は11時12分。
アンコール遺跡群は、これからますます暑くなっていくのだった。
おわり
?
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■ 編集後記
はい、今回は2つの遺跡をまとめてリポートしました。
本文中にも出てきますが、本当によく似た遺跡だったんですよ、東メボンと
プレ・ループって。
メモをとっていなかったら、絶対どっちがどっちの遺跡だったのか、わたし
の貧弱な脳みそでは、きっとおぼえていられなかったでしょう(笑)。
次号はひさびさに遺跡を離れて、お昼ご飯の様子などをお伝えする予定です。
それではまた次号でお会いしましょう。
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