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ア ン コ ー ル 5 日 間 ★ 徒 然 日 記
最終号 4日目の5――あたたかい雨・涼しい風/日本帰国 の巻
発行責任者 ちはる
2002.1.11 発行
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§--< Attention! >-------------------------------------------------§
▼この日記は、ちはるが実際にアンコール・ワットのある町、シェムリアッ
プでつけていた日記をもとに、加筆、修正、再構成したものです。
▼もしかしたら文中に、不適当な発言、あるいは間違った記述があるかもし
れません。その場合はどうぞ容赦なくご指摘ください。ただし、旅の折々
で胸の内に生じた感情については、あえてそのまま書いている場合もあり
ます。どうぞご了承ください。
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《2001年5月30日−5》
■ 空港へ
5時38分、西参道を抜ける。
これで本当にアンコール遺跡群の観光はおしまい。
今回のツアーはホント、めいっぱい遺跡を観光させてくれるいいツアーだっ
た。
空港へ行く前に、アンコール・ワットの正面前にあるお土産屋さんにちょっ
と寄る。
ここのお土産屋さんは、お土産屋さんというよりもギャラリーって感じで
(店の名前もギャラリー何とかだったか?)雰囲気もディスプレイも商品もな
かなかよかったのだが、買い物はしなかった。
さらにこのお土産屋さん、カフェが併設されている。
お茶を飲むほど時間はなかったのだが、帰国後に(確か)JALの国内線機
内誌を見たら、このギャラリーのカフェが載っていた(もしかしたら『Hana
ko』かも)。
ほう、カフェ特集に取り上げられるほど、やっぱ雰囲気のよい店だったのか、
と感心した記憶がある。
15分くらい店内をうろうろしたあと、車に乗って空港へ。
店を出ると空は暗く、雨はいっそう強くなっていた。
地図で見ると、アンコール・ワットから空港までは、真西に向かってまっす
ぐ続く道を4〜5kmほど行くだけだ。Kさんも、15分くらいで着きますと
言っていた。
舗装路だけど、両側にうっそうと木が茂る道を西へ走る。
北西の空が白い。雨がやんできているのかな?
途中まで木ばっかりだったが、走るにつれ道の左右には民家が増えてきた。
青い壁に赤紫色のブーゲンビリアが生い茂る、なんていうど派手なカラーリ
ングの家もある。
ヤシの葉でふいた屋根と、雨にさらされた木の柱だけでできたビリヤード場
もあった。
うーむ、オープン・ビリヤード場か。ラシャが湿気を吸って痛まないのだろ
うか?
そんなふうに民家があったかと思えば、今度は周囲は水田になった。
広々とした水田に、背の高いヤシの木がぽつん、ぽつんと立っている。別世
界のような風景。
やがて左手ななめ前に空港らしき建物が見えてきた。管制塔が、まるで赤い
アドバルーンのように宙に浮いて見えた。
右手に駐機場があらわれた。
「これがタイの王女さまの専用機です」とKさんが指差す。
ほほう、これが――と感心したが、Kさん、もしかして日本に来たらワイド
・ショー大好き人間になるかもなあ。
ホントに15分くらいで空港に到着。この頃には雨はやんでいた。
?
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■ カンボジアを出国
空港の建物内に、Kさんたちは入らないらしい。
だから、車から荷物を降ろしたらKさんたちとはお別れ。
きついスケジュールではあったが、めいっぱい観光できて楽しかったし、世
話にもなった。
何度もお礼を言って別れた。わたしにしてはひさびさヒットなガイドさんで
あった。
さて、ここから先は誰も助けてくれない。ひとり数が足りないが、マダムと
ふたりで文殊の知恵である。
しかし、小さな空港、手続きも簡単である。
出国手続きは、すべて10メートル四方もないような小さなフロアで行われ
る。そこで、手荷物チェックを受け、搭乗券をもらい、スーツケースを預け、
空港使用料を納めるカウンターでお金を払えばもう終わり。出発便の待合室で
ある。迷いたくったって迷えやしない。
2階まで吹き抜けの待合室には、青、オレンジ、黄色と色とりどりの硬いプ
ラスチック(?)製の椅子が並んでいた。
室内にエアコンは効いていない。生ぬるく、気だるい雰囲気。
うーん、南国。
飛行機は午後7時30分発予定である。まだ時間があるので、椅子に座った
り写真を撮ったりしてのんびりする。
待合室の壁の一面には本を並べた書架があり、本屋さんになっていた。別の
片隅にはカフェがある。
本を見に行ってみたが、意外とカンボジアの観光案内が多かったような。国
内よりも、国外から来た人向けの本屋なのかな?
『ロンリー・プラネット』のフランス語版カンボジア編なんてのもあった。
シェムリアップからプノンペンへ向かうフランス人向けとかの品揃えなんだろ
うか?
(※Attention! カンボジアを訪れる外国人は、フランス人が一番多いそう
です。 by Kさん)
空港に着いた時には、まだ外は明るかったが、6時半くらいになるとだいぶ
暗くなってきた。なんとなくものがなしい時刻である。
待合室から滑走路の方を見ると、空とジャングルの端境が、下からピンク、
水色、紫とグラデーションを描いて夕焼けていた。
夕焼けか。さっきまで雨降ってたのにな。
7時前、搭乗案内が流れる――っていうか、係の人が肉声で叫んでいた。
荷物を肩にしょってターミナルの外へ。
外はもう真っ暗だと思っていたが、滑走路に出ると、シェムリアップの西の
空は、黒い雲の裂け目から青い空がのぞいていた。
ここが夕方と夜の境目なんだなあ、なんて思う。
行きと同じプロペラの双発機は、やはり行きと同じようにオレンジ色の照明
の中で乗客を待っていた。
しかし、機内は行きと違ってがらがら。んー、まあ平日だからこんなものか。
座席に着いてシートベルトを締めてしばらくしたころの7時13分、ふと気
がつくとすでに飛行機は滑走路上を助走しているようだった。
ええ? 出発時刻の7時30分まではまだ時間があるし、アナウンスも何も
なかったぞ? 予約客が「ちょうど」なんだろうか?
そして7時17分、驚くことにもう水平飛行にはいっている(笑)。
プロペラ機ってホント、おもしろいくらいにぴゅんっと飛ぶ。
7時22分、こんな小さな飛行機でも、国際線だから食事が出る。
まずは飲み物が配られ、その次に食事。ハムと何かのサラダに、かぼちゃや
にんじんが入ったシチューみたいなもの、それに緑色のパスタ(茶そばみたい
な感じ)とテーブル・ロール。そしてもちろん「Wall's」製のチョコレートア
イスも出る。どの料理もくせがなく、美味だったと思う。
記録によると、7時40分には食事の後片付けが始まっている。は、早い。
しかし、早いのもそのはず、7時55分には機体は降下をはじめているのだ。
8時3分、機体は雲を抜け、眼下にバンコクの明かりがきらめきはじめた。
おおお、夜なのにすんごい明るいっ! さまざまな色の光が、バンコクの町
を彩っている。
うわー、やっぱりバンコクは都会だぜ。
8時5分、飛行機の下から車輪を出しているような音がする。
――と思ったらもう着陸である(笑)。
シェムリアップ←→バンコクは、食べたり飲んだりやることがいっぱいあっ
て、旅の余韻を味わうには短い距離だった。
?
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■ ドン・ムアン空港・ふたたび
ドン・ムアン空港着。飛行機からターミナルまではバスで移動する。
日本から来た時は、トランジットのカウンターを見つけるので大変だったが、
今回は前回トランジットの手続きをした場所の近くで、あっさりJALのトラ
ンジット・カウンターを発見。
7時間くらい乗るので、窓側よりもトイレに行きやすい通路側がいいから、
「あいる さいど ぷりーず」(Aisle side, please.:通路側にして)で無事
通路側の席Get。
(※Attention! 正しい言い方は知りませんが、これで通じました)
搭乗券を手にしてほっと一息。あとは飛行機に乗るだけである。
今回の旅行最大の懸案事項だったトランジットも、こうしてすべて何事もな
く終わった。
さて、飛行機は午後10時30分発。現在時刻は8時半前である。よってあ
と2時間ほど時間がある。
マダム、シェムリアップでは満たせなかった買い物欲がここで大爆発っ!
んもう、買い込む、買い込む(笑)。
しかしわたしも、ついつられて買ってしまう。
スラ・スラン近くの民家の庭で、見はしたけど食べはしなかったジャック・
フルーツの砂糖漬けドライ・フルーツがある。買う。
帰国後に食べたが、あまいだけで果物そのものの味はいまひとつよくわから
なかった。残念。
その他に買ったのがドリアンのキャンディー。
おお、ドリアン。食べたことないんだよなあ。どっかの国では列車内に持ち
込むと逮捕されるって聞いたことがあるけど・・・どんな味がするんだろう?
というわけで、ドリアン・キャンディーGet。
会社にお土産として持って行ったが、友人が口にするなり「う、ごめん」と
言って吐き出した(笑)。
え、まずいの? とびっくりしてわたしも舌でなめてみたら、そのとたんに
石油の味が口の中に広がった?(石油をなめたことはないが)
なんじゃ、こりゃ? ドリアンってこんな味なの?
(※Attention! ドリアンの生の味は知りません)
というわけで、このドリアン・キャンディー、会社の連中には大不評だった。
香港の亀ゼリー、韓国のドングレ茶は、あやしいながらも(笑)好評なお土
産だったのに\\
タイ土産(カンボジア旅行だったが)のドリアン・キャンディーは完全アウ
トになってしまった。
しかし、「え? どこがまずいの?」と言ってふつうに食べてくれる友人も
いるので(彼は味オンチではないはずだが)、すべての人にダメなのかどうか
はわからない。
とりあえず、わたしの勤務する会社では、罰ゲームの際に食べるお菓子とな
り果てている。ううう、かわいそうなわたしのドリアン・キャンディー。
友人知人に配るお菓子を買い終わった後は、マダムは化粧品やバッグを見に
別の店へ。
わたしは疲れたのでベンチで荷物の見張り番をしながら休憩する。
どうしてもコーヒーが飲みたいな、と思ったので売店へ行く。
でも、あ、しまった。バーツは20バーツくらいしか持ってないや(以前
行ったタイ旅行の時のあまりを持ってきていた)。
しかしそこは国際空港。ちゃんとUSドルで買い物ができる店があった。
アイス・コーヒーは55バーツ(たぶんこの頃1バーツ=3円くらい)と
なっているが、ドルだといくらなんだろう?
アイスコーヒー、と前置きしながら、
「How much? In US dollar.」(いくら? USドルで)
とカタコトながらも売店のお姉さんに訊いたら、
「About 2 dollar.」
という答えが返ってきた。
About〜?
何なんじゃい、その「about」ってなぁ。
「about」の「about」な部分はどう処理すんの?
まさかあんたの財布に入るんじゃなかろうなっ!?
はなはだ疑問だったが、英語で争う気力も語学力も持ち合わせていなかった
ので、おとなしく1ドル札を2枚出す。
そして目の前に出されたのは、ごくフツーの缶コーヒーだった(しかもネッ
スルのイチキュー缶(190ml缶))。
これが2ドル?(約240円) なめとんのかあ?
フランスにおけるコカ・コーラなみに高いやんけ。
もう疲れてるからどーでもいいけど(なげやり)。
敗北の味がするコーヒーを飲みながらマダムの帰りを待つ。
40分ほどでマダム帰還。
マダムもコーヒーを飲みたいというので、今度はコーヒーショップを探す。
が、どこも満員御礼である。
それでもどうにか9時35分、タイ・エアーのコーヒーショップに空席を見
つける。
コーヒーは40バーツ、アイスコーヒーは45バーツ。紙コップではあるが、
ちゃんとしたコーヒーがやってきた。
くそー、あの缶コーヒー2ドル(55バーツ)はどう考えてみても損した。
(※Atteniton! ちはるは小銭を追って大金を失うタイプ)
ちなみに一番安いメニューはミルクの20バーツだった。なぜか「YAKI
SOBA」なんてメニューもあったな。日式なんだろうか? お値段は70
バーツだった。
?
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■ 日本へ
コーヒーを飲んだ後、トイレに行ってから搭乗ゲートに向かうと、すでに時
刻は10時10分。搭乗は始まっていた。
機内に入ると真ん中あたりの席はがらがらだったが、後ろのほうは満席に近
かった。
10時15分くらいには自分の席に落ち着いたが、荷物入れがいっぱいであ
せった。マジ? どうにか詰め込む。
10時30分発予定だったが、飛行機が動き始めたのは45分頃、飛んだの
は11時6分になってからだった。
11時半過ぎ、飲み物サービス開始。今までずっとアルコールは控えていた
が、もう帰りで何の心配もいらないのでワインを所望する。
疲れにアルコールが加わって、このあと軽食を食べたらもう爆睡(笑)。
夢は見たかもしれないが、おぼえていない。
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日本時間で5月31日の午前5時頃(?)、朝食のため起こされる。
メインはえびと生姜のおかゆ。生姜が疲れた身体に効く。
それに日本そば、卵焼き、パパイヤやスイカ、メロンなどのフルーツ。
おいしかったけど、ひたすら眠い食事だった。
6時11分、耳が痛い。降下がはじまったらしい。
そして6時29分、飛行機は成田空港に着陸した。ううん、まだ眠い。
しかし、なんやあっさりした旅行だったなー。
やっぱり3泊は短いなー。
12時間ほど前までシェムリアップにいたはずなのに、アンコール遺跡群で
過ごした日々は、もうはるか彼方昔のことのようだ。
機体が停止し、乗客たちが立ち上がる。
わたしたちも荷物を降ろし、ドアが開くのを待って通路に並ぶ人々の列につ
らなる。
通路から窓を見ると、ガラスの向こうが濡れている。雨か・・・
そういや、アンコール遺跡群でもよく雨に降られた。
日本の雨はどうだろう? アンコールに降った雨とはまた違うだろうか?
通路の列が動き出す。
スチュワーデスさんにあいさつを返しながら、飛行機を出てターミナル・ブ
リッジに一歩を踏み出す。
すると、機体とブリッジの隙間から、雨混じりの風がすうっと吹いてきた。
アンコールではあたたかいと感じた雨が、涼しいと感じた風が、ここでは肌
寒く、冷たかった。
?
――日本だ。
おわり
?
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■ 編集後記
はい、日本帰国リポートでした。
いやー、長かったですね、『アンコール5日間★徒然日記』。
――って、フランスの時も同じことを言ってるか? わたし(笑)。
もともと今回のアンコール遺跡群めぐりは、マダムの提案で行くことが決
まった旅行でした。
以前にもふたりで、洛陽の龍門石窟を見に行ったことがあります。
もっとも、土産屋に1時間、石窟には30分しか時間を費やさないという
すっごくサイテーなツアーだったので、ふたりともストレスがたまりました。
(※もともとはその旅行から『徒然日記』を書く予定だったのですが、日記の
ほとんどがツアーの悪口で埋め尽くされていたので、『徒然日記』にするのは
ヤメたのでした)
今回はハード・スケジュールでしたけど、遺跡をじっくり見ることができて、
ふたりとも大満足でした。
ま、そのおかげで正味たった3日間の旅行記が、こんなに長くなってしまっ
たんですけど(笑)。
まあ、これだけみっちり書いておいたから、後でこの日記を読み返せば、自
分の旅行が鮮やかに記憶の中によみがえるでしょう。
うん、『徒然日記』の主目的である「自分の旅の詳細を、時系列に基づいて
克明に記録しておく」は満たせているな(笑)。
わたしだけでなく、あわせてみなさまにこの日記を楽しんでいただけたのな
ら、幸いなのですが。
それでは、あらためまして。
『アンコール5日間★徒然日記』は今回をもちまして、無事最終号をむかえ
るころができました。
これも、みなさまがあたたかい目で見守っていてくださったおかげです。
長い間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
それではまた次回作(未定 笑)の『徒然日記』でお会いしましょう。
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・『アンコール5日間★徒然日記』は、インターネットの本屋さん『まぐま
ぐ』を利用して発行していました。
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※内容の無断転載は禁止しています。内容の転載を希望される方は、発行責任
者までご一報願います。
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・『ソウル7日間★徒然日記』
・『フランス10日間★徒然日記』
・『アンコール5日間★徒然日記』
・《特別寄稿》金さんの「中国出稼ぎ日記」
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