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第18号 | |
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3日目の2――雨に降られて奉恩寺参りの巻 | |
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■ 奉恩寺への道 | |
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駅構内の壁には、映画の宣伝ポスターなんかが貼られている。あ、日本では「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」なんていう原題まったく無視のタイトルがついてた映画のポスターもある(原題は「THE MUMMY」。ハムナプトラは映画の中に出てくる都市の名前)。 そういえばユンさんと映画の話をしている時、いまソウルでは「ミイラ」も上映されているって言ってたな。「ミイラ」だなんて、こっちでは原題に忠実なタイトルをつけているんだなあ、と思いつつポスターのハングルのタイトルを読んでみると・・・え、「ミイラ」? えー、なんで韓国で「ミイラ」なの? わたしはてっきり、ユンさんがわたしにわかりやすいように、英語の「MUMMY」を日本語に直して言ってくれてると思ってたのに。 そうかー、韓国でもミイラは通じるのかー、とひとりで妙に納得する。 方向案内に「アーケード」という英語の表示があるので、インターコンチネンタル・ホテルの地下アーケードだろうとあたりをつけて先に進む。するとやはりその通りで、左右に小さなお店がずらりと並んでいる。しかし、そんな光景を眺めながらずんずん歩き続けていたら、いつのまにかかなりの距離を移動してしまったようだ。焼きたてのパン屋さんや、ファーストフード店が見える。 どうにか地上には出たが、ここがどこかなんてさっぱりわからなかった。目の前には、とりあえず車がびゅんびゅん走っているけっこう大きな道がある。ふりかえったら、わたしが出てきたビルはヒョンデ[現代]デパートという看板がかかっていた。 しまった。もう迷っちゃったよ。 困った、とは思うものの、相も変わらずわたしには、見知らぬ人に声をかける度胸がない。太陽で方向確認しようにも、今日はくもりなのでそれもできない。 んー、としばらく悩んだ後、とりあえずデパートを出て右の方に行ってみる。しかし、途中でわたしの野性の勘が、「こっちは違う」と告げはじめたので引き返す。 よくわからないけど、たぶんこの道で、あの2つのビルがある方へ歩いて行けばいいんだろう、と半分以上疑いながらも足を向ける。奉恩寺路ってのとぶつかれば正解なんだけど・・・ 「寺」って漢字を「サ[sa]」って読むのは知ってるけど、「奉」と「恩」がわからん。 中国語を勉強したことのある人ならご存じとは思うが、中国語には「―n」で終わる音と「―ng」で終わる音がある。まあ「聞き取る」のはなかなか難しいのだけど、「見分ける」ことはけっこう簡単にできる。 実はこの法則が、韓国語のアルファベット表記にも当てはまる。 というわけで、「奉恩寺路」のアルファベット表記はきっと、「〜ng 〜n sa no」のはず。そして「奉恩」の音は、日本語の「ほうおん」、 もしくは中国語の「フォンオン[Feng’en]」に近いのであろう。 そんなことを考えながら、ヨンドン・デノを北西に進む。 左手には、工事中の大きなビルがある。このあたりは開発区なのかな? そんなこんなで400〜500メートルくらい歩いただろうか。大きな交差点に行き当たった。 やったーっ! 奉恩寺路だーっ! なるほど、韓国語で「奉恩寺」は「ポンウンサ」って読むんだな。 ガイドブックを見ると、ポンウンサの入口は、交差点からもう少し先に行ったヨンドン・デノ沿いにあるらしい。 道の向こうにヒョンデ[現代]のHouseing Centerなるものが見える。ふーん、ヒョンデって車以外にもいろいろなことをしているんだな(財閥だから当然か)。 坂を登りおわって今度は下る。ああ、楽。 あわててガイドブックを確認。 あきらめて来た道を戻る。うう、またあの坂を登らなきゃいけないのか(平地に住んでて、生活圏に坂のないわたしにはかなりきつかった)。 ふたたびひーひー言いながら坂を越え、ヨンドン・デノとポンウンサノの交差点に戻ってふと交通標識を見ると、なんと「ポンウンサはこちら→」という案内ががっちり出ていた。
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■ ポンウンサ | |
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このポンウンサは、詳しいことはよくわからないけど、1200年くらい前に建造された禅寺だそうで、精進料理が有名とか。
![]() これが奉恩寺[ポンウンサ] ごく普通の門を入っていくと左手から、たくさんの人がどんつくどんつく太鼓をたたく音が聞こえてきた。
![]() かわいらしい四天王
![]() 門へと続く色とりどりの提灯 ビアガーデンではない(笑)
さて、いきなり正面の寺務所みたいな建物に行くべきなのか、それとも、参拝に来ている地元の人が行く、右手の坂を登っていった方がいいのか。 でもよく見たら、まかないはお寺のお坊さんではなく、一般の信者の人たちがやっているようだった。すぐ左手にある本堂らしい建物の炊事場で、洗い物などもしている。圧倒的に女性が多い。 食事の内容は詳しくは見なかったのだが、ご飯用やおかず用のくぼみがある1枚のプレートに盛られていた。 寺務所の裏、本堂前の広場が見える位置に来ると、今度は白い提灯が縦横にすき間なくびっしりと、頭上1メートルくらいの所に吊されていた。一列に100個くらい吊されているのが、30列以上あったのではなかろうか。
![]() 「極楽往生」と書かれた白い提灯。壮観。
白い提灯にはすべて同じ文字が書かれている。後で調べたら、「極楽往生」と書いてあったことがわかった。 本堂の外側の壁には、ブッダの一生を描いた、たて80cm、幅1.8mくらいのパネルが貼りつけられている。うん、言葉がわからなくてもこれはわかりやすい。
![]() ブッダの生涯が書かれたパネルたち
柱や屋根の裏側には、キョンボックン[景福宮:Kyongbokkung]で見たような丹青がほどこされているが、おもしろいことに鬼瓦のような意匠の丹青もあった。お寺だなあ。 本堂右手には、日本の農家の家屋のような、建物の周囲をぐるりと縁側がとりまいている建物があった。 のどが乾いたので、先ほどの自動販売機が置いてある休憩所に戻る。さっぱりした物がよかったのでぶどうのジュースを買ったのだが、飲んでもなかなか中身が出てこない。 ぶどうを飲み込むつもりで、がっと息を吸い込みながら飲んだら、当然のごとく気管にジュースが入ってむせた。 缶のハングルを読んでみる。すると、「サクサク」と書いてある。 むせた休憩を取った後、小さなお堂が山(丘?)の斜面に点在しているようなので行ってみる。
![]() 自然の中に点在するお堂
寺務所もちらっと見てみる。部屋の中とかは入らなかったが、お知らせの掲示板とかがあって、美術展などのポスターも貼られていた。 ガンダーラ仏は、最近では今年の3月に、東京上野にある国立博物館の東洋館で見たけど、特別展とかはここんとこ見てないなあ。 ふたたび境内をぶらぶらしていたら、雨が降ってきた。 階段のところに腰を降ろし、ひまつぶしに日記を書く。 お寺の庫裡で一般の人たちがまかないをしたり、お寺の施設で思い思いにくつろいだりと、お寺と人々とのつながりが、韓国と日本ではだいぶ違うように思える。韓国の方が、より人々との関係が密接な感じだ。 もちろん日本のお寺にだって、そういう所もあるのかもしれないけど、わたしはあまり見たことがない。 そんなことを考えながら日記を書き、時折手をとめては目の前の覆いかぶさってくるような山と森の風景を眺める。 上海や蘇州でも鐘はけっこう見たが、八卦は刻まれていても、飛天はいなかった(ただしわたしの見た範囲内)。 飛天、いいな。
![]() わたしに敦煌を思い出させた飛天
さて、雨も小降りになってきたので、鐘楼から見て左手奥にある弥勒殿に行ってみるか、と立ち上がる。 弥勒殿は1階が柱だけで、2階に参拝するための座敷の部屋がある構造になっている。
![]() 弥勒殿遠景
どこにどんな仏像があるんだろう、と思っていたら、弥勒殿のさらにその向こうに、巨大な白い弥勒の像が立っていたのだった。
![]() これがうわさの弥勒
しかもこの弥勒、形が変わっている。 もう一度休憩所で飲み物を買ってのどを潤し、提灯などを写真にとってからポンウンサを出る。 おわり
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■ 今回の韓国語 ■ | |
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◆オディ?[どこ?] | |
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いろいろ言い方はあって、「オディ?」(どこ?)だけだとぶっきらぼうだから、「〜です」という意味の「エヨ」(直前の名詞にパッチムがある場合は「イエヨ」)を付けてちょっとていねいな感じにして、 ★オディ エヨ? [どこですか?] と言いながら地図を指さすとか、あるいは、 ★「場所」+オディ エヨ? と言えば、だいたい通じるのではないでしょうか? もしくは、「あります」という意味の「イッソヨ/イッスムニカ」を付けて、 ★オディ イッソヨ? [どこにありますか?] ★「場所」+オディ イッソヨ? と地図を見せながら言えばOKじゃないかと思います。 (※Attention! 「イッソヨ」は女性が多く使う言葉だそうなので、男性は「イッスムニカ?」の方がよいでしょう) 「〜は」に相当する助詞とか、「右に曲がります」とか「真っすぐ行ってください」などの韓国語はバリエーションがありすぎてカバーしきれませんので、興味のある方は本を読んでみてくださいね。 とりあえず、サバイバル(survival)道の訊ね方でした(^
^)。 ※このコーナーは不定期です
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■ 今回のおこづかい帳 ■ | |
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缶ジュース:W600×2 ●今回の小計:W1,200 (※レートは1999年7月当時、¥100=W930で計算しています)
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■ 編集後記 ■ | |
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あんまり日本人観光客は行かないところなのでしょうか? 某『地球の歩き方』には、ポンウンサは地図に名前すら載っていませんでした。もったいないですね。あの、でーっかい弥勒の像だけでも、見に行くのはおもしろいと思ったのですが(大きな仏像はそれほど好きじゃないので、趣味には合わなかったけれど)。 とにかく、お寺の在り方というものが、日本とまったく違う(ような気がした)のが強く印象に残りました。 それではまた次号でお会いしましょう。
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3日目の1――地下鉄2号線で大ショックの巻 | ||||||
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3日目の2――雨に降られて奉恩寺参りの巻 | ||||||
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3日目の3――団地を眺めてフェリー乗り場への巻 | ||||||
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3日目の4――ついに謎が明かされるっ!?/演説おじさんの正体の巻 | ||||||
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3日目の5――地下食品売り場めぐりは楽し/ロッテデパートの巻 | ||||||
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3日目の6――石焼きピビンバはスッカラッで混ぜるべしっの巻 | ||||||
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3日目の7――キャンディは国境を越えたのに、 | ||||||
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