『ソウル7日間徒然日記』 1999年7月9日(金)記


 
第21号


3日目の5――地下食品売り場めぐりは楽し/ロッテデパートの巻

1999年10月28日(木)発行

 

■ ロッテデパート(1階より上)

 
 ミョンドンをぶらぶらと歩く。しかし、土地勘があるわけではないので、どこをどう歩いたのかよくわからない。けっこうカジュアルな店も多いな、とは思った。
 歩いているうちに、「ソウルは地下街が充実している」とガイドブックに書いてあったのを思い出したので、どこぞの入り口から地下へもぐってみたのだが、どういうわけかすぐに地上に出てきてしまった。何をしているんだ、わたしは?

 あてもなくミョンドンをさまよっていると、偶然にもロッテデパートの前に出た。
 あまりわたしは免税品とか値段の高い物には興味ないのだが、ものは試し、入ってみるか、とものすごく混雑している正面玄関から入る。すると、中もものすごく混雑している。
 平日の昼間になぜこんなに混んでいるんだ? と思ったが、どうやらサマー・セール(Summer Sale)中だったらしい。「何%OFF」という文字がそこここに踊っている。

 1階は日本と同じでアクセサリーや化粧品などが売られていたと思う。興味ないのでとばす。
 エスカレーターで2階、3階とのぼったのだが、エスカレーターがまた人ですき間なくぎっちり混んでいる。なんかもう、この時点ですでに熱気むんむんという感じだ。
 日本では、久しくこんなににぎわうデパートというのを見てない。「韓国は不況だ」というが、本当か? と疑わしくなってくる。

 洋服類も全部すっとばす。食器や生活雑貨の売り場発見。降りる。
 さすがセール中。海外ブランドの食器類もほぼ20%OFF。
 ふーん、でも買っても持って帰るのが大変だよなあ、と思って見ていると、目の端に近づいてくる店員さんの姿がうつる。すばやく逃げる。

 洋風の食器だけでなく、韓国の湯飲みや皿も売っていた。わたしがほしかった茶こし付き湯飲みも売っていて、20%OFFで2個セットW20,000(約2,150円)。1個1,000円くらいか・・・
 でも、このデザインなら、インサドン[仁寺洞:Insadong]あたりでもっと安く売っていそうなので、とりあえず保留。

 ぐるーっとフロアをひとまわりしてみるが、どこの売り場も人でみっちり。閑散としているところはどこもない。

 通路にワゴンを出して鍋を売りはじめた若い男性店員が、母娘連れに声をかける。日本なら無視して行き過ぎていきそうな場面だが、母親は「何とかー」と気軽に返事をして立ち止まり、男性店員の話を聞き始めた。
 なんか、売る方も買う方も熱心だ。

 お箸(はし)コーナーも発見。そうだ、お土産にお箸買っていこうと思ってたんだ。お土産やさんじゃなくて、こういう所で買ってもいいか、と見に行く。
 しかし、ここの売り場もものすごい数のお客さんが群がっていた(すべて女性)。日本人観光客もいるらしく、「これ、5セットほしいの」などという声も聞こえてくる。
 何とかすき間から、どんなものがあるのか見せてもらう。

 お箸はもちろん金属製。ほとんどがスプーンとセットになって売られていた。
 銀色のものが多かったが、金色のものもある。シンプルなものもあれば、柄の部分に細かい飾りを彫ったり、銀色と金色の金属と組み合わせたりと、いろいろな意匠をほどこされている。
 どれもこれも、やはり20%OFFで、箸とスプーンのセットは安い物はW3,500(約376円)くらいからある。ふむ、手頃だな。

 これも今は買わず、下見だけに留めておく。

 家電(家庭電化製品)売り場もあったので見に行ってみた。
 ユンさんが、「韓国は食べ物は安いけど、電気製品とかはそうでもないよ」と言っていたのを思い出したからだ。

 あまり真剣に見ていると、積極的な店員さんたちにセールスされてしまいそうなので、ちらっとだけ見る。掃除機や炊飯器を見たが、だいたい20万ウォン(約21,500円)以上。物にもよるが、確かにあまり日本と違わない感じ。
 まあ、ここはデパートだから、ディスカウントストアみたいな所に行けばもっと安いんだろうけど。

 階を移動して、今度は家具売り場にも行ってみる。
 ベッドカバーやカーペットが売っているのと同じ所で、籐や竹でできたカーペットが売られていた。最初は、「これってオンドル部屋にひくのか?」と思ったが、ただ単に夏だから涼しげな素材の物が売っていただけだろうな。

 外国人向けのお土産コーナーみたいなところもある。いかにも「韓国風」という感じの小物や大物(?)が集められている。
 インサドンで見かけたようなものが多かったので、ここも外側から眺めただけで行き過ぎる。

 さらに上の階に行くと、今度はロッテの免税店があった。へえ、ここにあるんだ。
 自分の性格上(ケチ)、行ってもどうせ買わないことがよくわかっているので、速攻Uターン。下に降りる。

  


  

 

■ 地下食料品売り場

 
 さて、ここまでフロア構成を見てみると、1階が装飾品、2階より上が順に婦人服、紳士服、生活雑貨売り場、家具売り場となっていて、そこはかとなく日本のデパートに似ているような気がする。
 上海の伊勢丹なんかは上から下まで洋服屋ばっかりだったり、ヤオハンは日本と似ているようで何か違ったりしたけど(途中階にパン屋さんがあったり)。

 もしかしてここまで似ているなら、地下は食料品売り場になっているのではなかろうか?
 というわけで地下へ降りてみると・・・おお、やっぱり食料品売り場だっ!
 ちはる、意味もなくウハウハする(^ ^;)。

 エスカレーターを降りて真っ先に目に飛び込んできたのは、寿司コーナーだった。
 なにい? 寿司ぃ?
 これは日本人としては、見過ごしては行けないだろう。

 別にこれは「けち」をつけようとしているのではなく、大阪の人間がつい東京でたこ焼きを食べてしまうようなもので(わたしの会社の大阪支社の人間がよくやる)、自分の地元の料理が他の地方でどういう扱いを受けているかが気になるだけである。

 さて、寿司。売られていたのは握り寿司が主で、手巻き寿司もあっただろうか?
 よく日本のスーパーマーケットで、握り寿司を1個(寿司だから「1かん」か?)ずつセロファン[cellophane]のようなかたいビニールで包装して売っているが、ここでもその売り方だった。1個いくらなのかはちょっと覚えていないが、10個1パックでW5,000(約540円)で売っていたのは確か。
 ということは、だいたい1個W500(約54円)くらいか。

 でも、うーん。高いのか、安いのかよくわからん。
 日本のものとあまり値段が変わらないように思うから、決して安くはないみたいだけど。
※Attention! うちの近所の「京樽」というチェーン店の持ち帰りの寿司屋で調べてきましたら、握り寿司はだいたい10個から12個入っていて、550円から1,000円くらいでした。)

 ネタは、白身の魚やえびなどいろいろ。白身の魚は、その下の緑色のわさびが鮮やかにはっきりくっきり透けて見えていて、普通のわさびなんだろうか? いったいどれくらいの量をつけているんだろうか? と不安になる(わたしはわさびが苦手)。

 海苔の表面にグラニュー等をまぶしたようなのがのっている寿司もある。何じゃこりゃあ、いくら海苔で有名な国だからってそれはなかろう、と思ってよく見たら、ただの「子持ち昆布」だった。わたしの目はどうなってるんだ?

 いくらの軍艦巻き(握ったしゃり[米]の周囲に海苔を巻いて、そこにネタをのせた寿司のこと)は、こちらでは海苔ではなく薄く切ったキュウリを巻いていた。これは、いいアイデアだ。日本でもやっているかな?

 寿司コーナーの周囲には、海産物売り場が充実していた。生のタコやイカもいる。
 何という名の魚かは知らないが、5匹くらいが黄色いビニールひもで、干し柿や干し大根のように縦方向にくくられていた。自宅で吊るして干物にするのかな。
 持ち帰ってどうするわけでもないのに、あんな風にくくられていると衝動的に買いたくなる。

 キムチ売り場にはいろいろな種類のキムチがだーっと並んでいた。その中に(だったと思う)明太子も発見。
 へー、韓国でも明太子食べるんだー、と思ったが、よく考えてみればこいつも唐辛子で味付けしてあることに気付く。
 それじゃ、明太子ってキムチの一種なのか?
※Attention! 帰国後調べました。明太子は塩辛の一種なので、キムチではないそうです。でもやはり、もともと韓国の食べ物で、韓国では「ミョンランジョッ」と呼ばれているそうです)

 海苔コーナーには袋詰めされた海苔が「これでもかーっ!」というほど積まれていた。やたらといい匂いがするなあと思ったら、店員さんがその場で海苔を袋詰めしていた。どうりで。
 しかし、この匂いをかいだら、つい買いたくなってしまうかも。
 今日は下見、下見、と自分を戒める。

 お総菜売り場みたいなところもある。
 冷凍食品のピンデトクのようなものを、焼いて小さく切って、お客さんに試食させていた。
 いいなあ、あれ、買っていきたいなあ、と思ったが、さすがに冷凍食品を持って帰るのあ不可能だろう。あきらめる。

 その他にも、名前は知らないが、魚か何かの練り物のようなものを包丁を使って器用に小さな円筒形にまとめ、店員さんが油で揚げていた。
 屋台感覚なのか、買い物客たちは揚げたてのそのお総菜を、楊枝(ようじ)でさしてその場で食べている。
 試食か? とも思ったが、あんなにがんがん食べられたら、商売あがったりになってしまう。でも、お金を払っている様子もないし・・・どうなんだろう? 気になる。

 冷えた缶ジュースなどを売っている冷蔵ケースの前に、何を売っているのかものすごい数の人が群がっている。見てみると、氷が入った大きなビニール袋の中に、透明なテトラパック(日本でも昔よく見られた3角形の4面体)入りコーヒー牛乳が詰め込まれていて、それをみんなが我も我もと買い争っているのだ。
 これがまさに「飛ぶように売れる」っていう状況なんだろうな、と輪の外から見ながらしみじみ思う。
 このコーヒー牛乳も、みんなその場でストローをさして飲んでいた。

 カウンターで焼き立てパンを売っている店もある。おお、うまそう。
 若い人たちが1個だけ買って紙ナプキンにくるんでもらい、歩きながら食べていた。ふむ。
 お総菜の件といい、コーヒーの件といい、日本じゃその場で飲み食いなんてしたら店員さんに怒られそうだけど、こちらではすべて屋台みたいなものらしくて、ごく普通にみんな飲んだり食べたりしていた。気取らないんだなあ。
 ちなみに、パン屋はトレイを持って自分の買いたい物を自由に取れるお店もあった。

 全然買い物はしなかったけれど、あれこれ見られて大満足。
 帰国が近くなったら、またお土産を買いにこの地下食品街に来ようと思った。

おわり

  

※今回の韓国MEMO(韓国語)はお休みです。ネタなーし。

   

 今回のおこづかい帳  


今回はなし

今回の小計:W0
支払い総計:W69,600(約7,484円)+34,591円

(※レートは1999年7月当時、¥100=W930で計算しています)

 

 編集後記 

 
 ロッテデパート・リポートでした。いかがでしたでしょうか?

 わたしは食料品の市場や、いわゆるスーパーマーケットには出かけませんでしたので、食べ物だけが目一杯集まっている場所は、このロッテデパートの地下食品街しか行っていないのですけれど、なかなかよかったと思います。
 まあ、普段の買い物はスーパーマーケットだけど、たまーにデパートの食品売り場を歩くと、あれこれめずらしい物があって楽しいのと一緒ですかね。

 というわけで、読者の方からいただいた、「ソウルでどこかお薦めのスポットはありますか?」というご質問には、すべて「ロッテデパートの地下食品街」と答えさせていただいたような記憶があります(笑)。ま、それくらいわたしには楽しかったんですよ。

 でもやはりロッテはデパート。インスタント・ラーメンひとつとっても、そこらの店より高いはず。
 買い物には向かないよな、どこかディスカウント・ストアみたいな所はないだろうか? と思っていましたら、ありました、ありました。読者の方が教えて下さいました。

 場所は地下鉄3号線の高速バスターミナル駅のすぐ近く、お店の名前は「キムスクラブ」と言います。
 基本的には韓国中にあるお店なんですけど、ソウルに遊びに来た観光客が無理なく行けるのはここでしょう、とのことでした。
(※隣りには同系列のニューコアデパートがあるそうです。目印にどうぞ)

 さすがディスカウント・ストア。驚くほど物が安いそうです。
 辛ラーミョンが20円(ロッテではW450[約48円]だった)くらい、韓国岩海苔が1畳で100円くらい、ジン露焼酎が80円(セブンイレブンではW950[約102円])くらいとのこと。

 売っている物も、食料品から衣料、スポーツ用品、日用品、酒、電化製品となんでもあるそうです。ううん、見に行くだけでおもしろそうですね(^ ^)。

 以前は会員制だったそうですが、2年くらい前から会員制でなくなったそうなので、観光客でも安心して入れます。
 しかも、年中無休の24時間営業! いやあ、朝に晩に忙しい観光客にはこころ強い存在ですね。
 これからソウルに遊びに行く予定のある方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

 情報提供はTamaさんでした。ありがとうございました。m(_ _)m

 それではまた、次号でお会いしましょう。

  


  

3日目の1――地下鉄2号線で大ショックの巻

3日目の2――雨に降られて奉恩寺参りの巻

3日目の3――団地を眺めてフェリー乗り場への巻

3日目の4――ついに謎が明かされるっ!?/演説おじさんの正体の巻

3日目の5――地下食品売り場めぐりは楽し/ロッテデパートの巻

3日目の6――石焼きピビンバはスッカラッで混ぜるべしっの巻

3日目の7――キャンディは国境を越えたのに、
             わたしは国際電話がかけられないっ!? の巻

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