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第23号 | |
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3日目の7――キャンディは国境を越えたのに、 わたしは国際電話がかけられないっ!? の巻 | |
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■ 雑談 | |
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「喫茶店にでも行きましょう」というユンさんの提案で、ミョンドンを喫茶店を探して歩く。確か近くにドトールがあったので、「ドトールは?」と聞いたら、「あそこは騒がしいし、長くいられないから」とのことなので別の店を探す。 途中、コンビニのミニ・ストップを発見。む、ミニストップなんてローカル(ジャスコが出資している日本系コンビニのはず)なコンビニまであるんだ。 そのミニ・ストップの脇を抜け、しばらく歩いた先のビルの2階に、ユンさんは上がっていった。ドアを開けて入った店内は、ほどよく押さえた暖かみのある照明に、ふかふかのアンティークっぽい椅子が置かれた、まさに「喫茶店」という言葉がふさわしいような内装だ。神田神保町に、こんな感じの古い有名な喫茶店がなかっただろうか? 席に着いて、ユンさんが紅茶を、わたしがアイス・コーヒーを頼む。 ここで、どのくらい時間を過ごしただろう。2時間ちょっとくらいか。 くだらない話(?)代表は、『キャンディ キャンディ』だろう。 何でここで『キャンディ キャンディ』が出てくるかというと、韓国映画で、邦題が「つぼみ」(原題は「光州事件/花びら」か「花びら」だったと思う)という、1980年に起きた光州事件を取り扱った作品があるのだが、この映画の冒頭で、男性が寝っころがりながらマンガを読んでいるシーンがあって、そのマンガの表紙がどう見ても昔懐かしい『キャンディ キャンディ』だったのだ。 はて、絵がそっくりだけど、タイトルが読めないし(ハングルになっていたと思う。この頃は読めなかった)、あれは一体何なんだ? と思っていたので、何かの話が出てきたはずみにユンさんに訊いてみた。 話を聞くと、『キャンディ キャンディ』は韓国国内でも大ヒットして、驚くことにその続編が、韓国国内で独自に描かれたそうな。 「あのマンガの中に、メガネをかけた機械好きの男の子が出てきたでしょう」 ちなみに、独自作成の続編は1作品だけでなくいくつもあって、ユンさんも2、3作品読んだそうな。 そっかー、『キャンディ キャンディ』って有名なのかあ。 マンガの話ついでに、『クレヨンしんちゃん』の話も出た。 うん、これは何となくわかる。 別にくだらない話じゃないけど、遊園地の話も少しだけした。 真面目な話もいろいろした。 こうして話は、夜11時過ぎまで続いた。 ・・・・・・・・・・・
店を出て、まだまだ人でにぎわう明るいチョンノ[鍾路:Chongno]へ向かって歩く。雨がいっそう激しく降っている。 ふと思い出したように、ユンさんが「ガンダーラ展とか見に行ってみますか?」とわたしに訊ねた。ああ、ポンウンサ[奉恩寺:Pong‐unsa]でポスターを見たけど、場所がわからないからあきらめていたやつだ。 「毎週土曜日は近くのホールで伝統芸能の公演もやっているから、一緒に見てくれば?」とのこと。うん、そうそう、韓国の古典音楽は絶対こっちで聞こうと思ってたんだよね(日本で聞くと高いから)。 わたしの手持ちのガイドブックには、あまり細かい地図とかが載っていないあたりにあるらしいので「観光客はあまり行かないんですかねえ」と言ったら、「ちはるさん、あまり観光客がいかない所にしか行かないじゃない」と言われてしまった。 ユンさんとは、チョンノの下をくぐる地下道の入り口で、「それじゃ、また」みたいな感じで別れた。 これが大昔の話だったら、もうそれこそ「今生の別れ」に近いものがあったんじゃないかと思うけど、インターネットを使えば、またすぐにユンさんに連絡ができるし、機会があれば今度は東京で、あるいはソウルで会えるかもしれないわけで。 世界って、概念の中では物理的な距離が縮まっているんだな、なんてことをちょっと思う。 何にせよユンさん、3日間お疲れさまでした。
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■ ダイヤル???を回せ! | |
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何しろ今回は初めてのひとり旅だし、家族に心配をかけてはいけないと思い、用もないのに家に電話をすることにした。 上海では公衆電話から国際電話をかけられなかったが、ソウルはどうだっ!? と見てみたら、うほほー、かけられる(^
^)。 というわけで、さっそく日本から持ってきた、KDDの国内・国際電話用プリペイドカード、「スーパーワールドカード(SUPER
WORLD CARD)でかけてみようと試みた。 YMCAのロビーには、公衆電話が2台あった。わたしがかけに行った時は、1台は使用中だったので、空いてる方を使おうと思ったら、なんとこれがジャパン・ダイレクトという、オペレーターを介したダイレクト・コール専用電話だった。 だいぶ待って、ようやく電話が空いた。ソウルから日本にかける場合、まずコインがひつようなので入れて(後で戻ってくる)、ソウルから日本へアクセスする番号を押して、カードに書かれた番号を押して、日本の電話番号を市外局番から押して・・・「なんたらかんたらなんたらかんたら」。はあっ? 英語のアナウンスが流れてくるだけで、つながんないじゃん。 よく聞いてみると、番号が変わったので、韓国KDDに電話してくれ、みたいなことをアナウンスは告げている(よくわかりません)。 試しにもう1回、同じようにかけてみたが、結果はバツ。だめだ、日本につながらないや。 くっそー、何なんだよ、KDD。サービス内容が変わったなら変わったで、ちゃんと売る時にお知らせしろよ。 こんな所で、ひとりで怒っていても仕方がない。あきらめてジャパン・ダイレクトの方でかけてみる。 落ちつけ、落ちつけ、と自分を静め、しばらく待ってからもう一度ジャパン・ダイレクトのボタンを押す。またしてもかなり長い時間待たされたが、ああ、ようやく出てくれたよ。 国際電話で間違い電話? ダイレクト・コールで間違い電話? あわてて詫びを言って電話を切る。 しかしここまで来たら、もう意地である。何としてでも家に電話をかけてやる。 そうしてかけた2度目のダイレクト・コールは、無事に家につながった。しかし、違うオペレーターが出たので文句は言わなかった。 まあ、どうにかこうにかなったけど、あともう一ヶ所、友達に電話をする予定があるのだ。そう何度もダイレクト・コールでかけるような金銭的余裕はわたしにはないぞ。 どうしよう、と悩んでふと、「テレフォンカード、買えばいいんじゃん?」ということに気付く。 困った時は、とりあえずホテルのフロントだ。さいわい、ちょうど日本語ができるスタッフの人がいて、「テレフォンカード、ありますか?」と訊いたら、「5000ウォンのならありますよ」とのことだった。 だが、わたしがカードを買っている間に、カードが使える唯一の公衆電話が使われてしまっていた。 こりゃかなり長そうだな、とあきらめて、外の公衆電話にかけに行く。外はまだ、人がたくさん歩いている。 「急がば回れ」という言葉もあるし、YMCAのロビーでおとなしく待つか、とさんざん外をうろついた後ホテルへ戻る。そうしてどうにか国際電話をかけられた。 なんてこった。最初からテレフォンカードを買えばよかったんだ。 ちなみに料金の方は、何秒ごとにかは忘れたが、国際電話の場合には、テレフォンカードの度数はW300(約32円)ずつ減っていった。1回の電話には、W900〜1,500(約97〜161円)もあれば十分だったと思う。 このテレフォンカードは、ユンさんへかける電話やら、航空券のリコンファームのために旅行会社へ電話する時にも活躍した。
洗濯、洗面、シャワーで就寝。 おわり
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■ 今回のおこづかい帳 ■ | |
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●今回の小計:W11,000 (※レートは1999年7月当時、¥100=W930で計算しています)
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■ 編集後記 ■ | |
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また、今回はユンさんとわたしが話した内容については、だいぶカットしました。もともとプライベートな部分だから、そんな全部載せる必要はないわけなのですけど、実はあえて載せなかった内容もあります。それは軍隊時代のお話です。 映画「つぼみ」の話から、ツツツとそちらに話が流れていってしまったんですけど、正直言ってユンさんにそんな話をさせて申し訳なかったかなあ、といまでも思っています。 韓国の兵役制度がどんなものであるか、日本人は知らないし、だから知りたいと思う気持ちがあるのは仕方ないことかもしれません。でももしそれを韓国人男性に直接聞くのなら、上記のような心の傷を抱えている人たちもいるのだということを、まず思い出してほしいとわたしは思います。 それではまた、次号でお会いしましょう。
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3日目の1――地下鉄2号線で大ショックの巻 | ||||||
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3日目の2――雨に降られて奉恩寺参りの巻 | ||||||
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3日目の3――団地を眺めてフェリー乗り場への巻 | ||||||
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3日目の4――ついに謎が明かされるっ!?/演説おじさんの正体の巻 | ||||||
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3日目の5――地下食品売り場めぐりは楽し/ロッテデパートの巻 | ||||||
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3日目の6――石焼きピビンバはスッカラッで混ぜるべしっの巻 | ||||||
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3日目の7――キャンディは国境を越えたのに、 | ||||||
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