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第29号 | |
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4日目の6――MISSION−「N」の巻 | |
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■ 道すがら、いろいろ | |
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そうか。いつもの秋や冬の旅行だと、このくらいの時間になるとすでに日が暮れてしまうから、今日はもう終わりっていう気分になっちゃうけど、夏はまだまだ明るいんだなあ。 とりあえずホテルへ戻るため、地下鉄南部ターミナル駅に向かう。 地下鉄へと続く階段の入り口に着くと、下からものすごい数の人が地上へ流れ出ていた。 人の波をかきわけて地下に降り、切符を買う。 この南部ターミナル駅は、上りと下りの改札が別々になっていて、一度間違うと引き返せない(事情を話せばOKとは思うが)。 地下鉄車内もけっこう混んでいて、吊り革につかまってぼーっと立っていると、足元で人影が動いた。 わ、わ、わ。これはどうすればいいんだ? と一瞬とまどったが、かの男性は車内を移動しながら、席に座っている人たちのひざの上に小さなパンフレットのような物を置いていく。 あのパンフレットをみんなどうするんだろう、と見ていたら、車両の向こうの方へと行き去った男性がまた戻ってきて、みんなのひざの上に置かれたままのパンフレットを回収していった。 帰国後、たまたま何かの記事で読んだが、ソウルの地下鉄内には物売りの他に、寄付を募る身体障害者の人も現われるそうな。 わたしが見た男性も、その中のひとりだったのかもしれない。 チョンノサンガ駅にて下車。どういうルートをたどったのか、定かには覚えていないが、チョンノに出ようとして楽園商街のすぐ横の、軒が低くて間口の狭い飲食店がひしめく細い道を歩いていると、店先にどーんといくつものでっかい豚のあたまだけを並べたお店を発見。 一瞬、「これは食べるものなのか?」と思ったけど、後でガイドブックを見たら、この豚のあたまは祭祀用とのこと。ということは、飾るだけか? 突然現われたからびっくりしてあまりよく見なかったけど、あの豚のあたまも笑っていたのだろうか?
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■ 夕食、またの名をMISSION−「N」 | |
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旅慣れている人にはこんなこと、あまりにも当たり前すぎて、「何でそんなに気構えるんだ?」と不思議に思われるかもしれないが、こちとら生来の小心者&超内弁慶なのだ。 しかしそれを、「『〜〜ありますか?』は『〜〜イッソヨ?』で、『〜〜ください』は『〜〜チュセヨ』でいいんだよな」とホテルで憶えてきた注文の仕方を心の中でくりかえし練習することでなだめ、どうにかミョンドン到着。 やたらパン、パン、と手拍子を打ちながらお客さんを呼び込みしている雑貨屋があるこの辺りは、店の外にメニューを写真で掲示している飲食店が多い。しかも韓国語だけでなく、日本語も並記されている。おまけに値段表示あり。これならぼられる心配もない。 そういやユンさんが、「夏は冷麺がおすすめですよ」と言っていたなあ。よし、ネンミョン[冷麺:nengmyon]にするか。 あれこれ見てまわって、ネンミョンはネンミョンでも、ピビム・ネンミョン[pibim〜]という辛いネンミョンが、定食でW4,000(約430円)の店を発見。ええ? 日本の物価から考えると、めちゃめちゃ安くない? 思い出してみると、クンニプ・チュンアン・パンムルグァン[国立中央博物館]のうどんとかもW2,000(約215円)くらいで安かったなあ。 まあ、安かろうが何だろうが、料理がうまけりゃそれでいい。日本語のメニューがあれば安心のはず。とにかく店に入らなきゃ。 ザッと土煙をあげながら店の前に立ち(心理的描写です)、ガッと店の扉に手をかける。うう、まるで白帯で道場破りするような気分だ(^
^;)。 レジ横に座っている女性が、わたしの後ろをのぞきこむ。連れが何人いるか確認しているようだ。 店内には2人用のテーブルが並べられていて、2つ3つのテーブルがうまっていた。 ひーん、もうやだ、帰るー、と内心パニックになった時(笑)、注文を取りにきてくれた女性が「メニュ?」とにっこり笑いながらわたしに問いかけた。 予定どおりピビム・ネンミョン定食と、どーしても飲みたくなったウーロン茶(W2,000:約215円、いま考えてみると高いな)を注文し終え、ようやっと一息つく。 料理が来るまですることもないので、クンニプ・クガクウォン[国立国楽院]で買ってきたパンフレットなど読みながら待っていると、先の女性が白菜のキムチ、たくあん、わかめが入ったスープを運んできてくれた。キムチを食べつつさらに待つことしばし。 やがてメインのピビム・ネンミョンがステンレスのボウル[bowl]のようなどんぶりに入って登場。 ま、わたしもネギをキッチンばさみで切ったりするので、はさみで食物を切ることに抵抗はないので、おとなしく切り終わるのを待つ。そしてひと通りはさみを入れ終わると、女性はふたたびにっこり笑いながらよく混ぜてね、とジェスチャーした。わたしも笑いながら、カムサハムニダと礼を言う。 さて、ピビム・ネンミョン。実は見るのも食べるのも今回初めてだ。 白花酒幕[ペクファチュマク]で食べたそうめんは辛かったけど、こいつはどれくらい辛いんだろう、と思ったんだけど、食べてみると意外と辛くない。というか、具のきゅうりとだいこん(これがうまい)に甘味があるので、あまり感じないのだ。うーん、もっと辛くていいかも。というわけで、キムチを食べて辛さを補う。 しかしこの麺、細いくせにやはり噛み切れない。いったい何でできているんだ? ――というわけで帰国後調べてみた。 スープを飲もうとして、うっかり器を持ちそうになったが、韓国じゃそれはご法度のはず。 おなかいっぱい食べて満足(^ ^)。 「カムサハムニダ」と言って店を出て行こうとしたわたしに、レジ横に座っていた女性が「アンニョンハセヨー」と声をかけた。
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■ 火事っ!? | |
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どういうわけか、どの時間帯でも学生らしい若い男女が道をふさがんばかりに集まっているチョンガ[鍾閣:Chong‐gak]の交差点を右に曲がり、ホテルのある道の向こう側にわたるべく地下街へ降りる。 9時を過ぎていたはずだが、地下の商店街はまだ営業していた。ちょうどいい、薬局でリンス買っていこう。 お店の前で来たものの、どれがリンスかわからない。困ったな、と思いながら見ていたら、お店の中から年配の女性店員さんが出てきて、「何とかー」と言った。 しかし、わたしがしゃべらんことにはコミュニケーションが成り立たない。 リンスで通じるんだろうか、と悩んだが(だって中国じゃきっと通じないもん)、思い切って「リンス、イッソヨ?」(リンス、ありますか?)と訊いたら、「アー、リンスー」と言いながら店員さんはリンスを持って来てくれた。 大きさも値段(W4,000:約430円)も手ごろだったので、すすめてくれたものをそのまま買う。 「何とか何とか?」と訊かれたのだが、全然わからなかったので「へ?」という顔を思わずすると、店員の女性は心得た様子でリンスのボトルをわたしのカバンに当てた。どうやら、それが中に入るかどうか大きさを見ているらしい。ああ、それじゃあ、袋がいるかどうか訊いていたのか。 女性はわたしのカバンの中にリンスのボトルが入らないと判断したらしく(この時は小さなカバンを持っていた)、白いビニールの手提げ袋に入れてくれた。お金はとられなかったので、どうやらサービスだったもよう。 地下道を出て、YMCA前に出ていた屋台で、パンケーキにコールスローのサラダとソーセージがはさまっている軽食を買う。W500(約54円)。ビールのつまみだな。 そしてホテルに戻ると、いつもは待ち合わせで人があふれかえっている玄関ががらんとして誰もいなかった。しかもなんと、1階が白い煙で充満している。 勘弁してくれよ、いくら貴重品は持ち歩いてるったって、あと丸2日以上ソウルにいるんだ。こんなところで火事に巻き込まれるなんて真っ平だぞ、と一瞬青くなったのだが、どういうわけか誰も騒いでいない。コックさんみたいな白衣を着た男の人も、短パンにタンクトップの白人女性も、口元をハンカチでは覆っているけど、平然として建物内を歩いている。何なんだ? どうやら火事ではなさそうだけど、不安だったので6階のフロントで事情をきいてみることにする。 なにい? 英検4級のこのわたしに、英語を話せだあ?(^ ^;) なんて無茶なことを言うんだ、と思ったが、それしかお互いの意志を疎通させる言語がないんじゃ仕方がない。とにかく何かしゃべらなきゃ。 というわけで、実録わたしの英会話(マジでこの程度です)。 「At First floor」(1階で) これで通じただろうか? と不安に思っていると、男性は「ああ、あのことかあ」と思いついたように大きくうなずき、続いて「困ったなー」というように頭をかかえた(すごくわかりやすい人だった)。 どうしたんだろう? わたし、今のとおり英語はほとんど話せないけど、聞き取りはそこそこできるから、ゆっくり説明してもらえば理解はできるんだけど・・・ そして男性はさらに、「なんて英語で言えばいいんだ?」というようなことを韓国語でつぶやきながら(おそらく)、金田一耕助のように髪の毛をがしがしとかき回す。 何にせよ、英語が話せない者同士、ここで困りあってても仕方がない。 「Safe?」だの「No problem?」だのと、わたしもとりあえず思いつく言葉を言ってみると、男性はうん、うんとうなずくので、まあ問題ないんだろう。非常ベルとかも鳴ってないし。 「カムサムニダ」と礼を言って、部屋に戻るためにエレベーターに乗り込む。そしてそのドアが閉まる直前、男性がわたしに向かって「Mosquito! Mosquito!」と2度叫んだ。 そしてこれも帰国後に知ったのだが、ソウル(韓国?)は蚊が大量発生するので、その対策として煙幕で蚊を駆除する方法があるのだそうな。
部屋に戻ってつまみとビール。 明日こそはチョンミョ[宗廟]とチャンドックン[昌徳宮]だ。 おわり
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■ 今回の韓国語 ■ | |
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◆〜イッソヨ?/〜イッスムニカ?[iss‐o‐yo?/iss‐sup‐ni‐kka?] | |
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★〜イッソヨ?/〜イッスムニカ?=〜ありますか? という意味になります。 この2つの言葉は、どちらもソウル滞在中によく使いました。助詞なんかわからなくても、とりあえず「物+イッソヨ?」、「物+チュセヨ」で通じるみたいです(実際、通じたし)。 まあたいていの場合、物の名前さえ言えば通じますが、お店で注文とかする時に、「コーラ」と言うだけではぶっきらぼうに聞こえてしまうものです。 ★コーラ イッソヨ? (コーラ、ありますか?) と訊いたり注文したりすれば、相手の人も気持ちよいのではないでしょうかね? 特に「チュセヨ」の方は、この場合は英語の「please」に相当するわけですから、つけた方が絶対いいと思います。 短い言葉ですので、ぜひみなさんも憶えていってみてください(^ ^)。
※このコーナーは不定期です
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■ 今回のおこづかい帳 ■ | |
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●今回の小計:W17,000 (※レートは1999年7月当時、¥100=W930で計算しています)
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■ 編集後記 ■ | |
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ネンミョンを食べたお店のウェイトレスさんは、本当に親切でありがたかったです。彼女の笑顔がなければ、わたしは無事に食事して帰れなかったでしょう(笑)。 はずみがつきましたので、この後も何度か食堂には行きましたが、回数は少ないです。食事を楽しみにしている人にはつまらないかもしれないですね。 というわけで、ソウルの食物をもっといろいろ見たい、読みたい(?)という方には、下記のサイトをお薦めします。 ★ [ むーさんの鉄道風景
] このサイトの「韓國の旅と鉄道」の中に、「お食事カタログ」というコーナーがありまして、むーさんが8日間韓国を旅行した際に食べたものを、すべて写真で見ることができます。わたしが食べたのとは別バージョンのパッビンスウなども見られます。 なお今回、ネンミョン[冷麺]に関しては、下記を参考にさせていただきました。ありがとうございました。m(_ _)m 参考文献:『とっておきの韓国・朝鮮料理』 それではまた、次号でお会いしましょう。
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4日目の1――音声ガイドとボケ&ツッコミ/国立民族博物館の巻 | ||||||
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4日目の2――あれは何? あぶられた丸い和紙の巻 | ||||||
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4日目の3――ソウルで仏像三昧/ガンダーラ展の巻 | ||||||
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4日目の4――やったね、タダだ!/国楽博物館の巻 | ||||||
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4日目の5――パーカッションのリズムに感動/伝統芸能鑑賞の巻 | ||||||
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4日目の6――MISSION−「N」の巻 | ||||||
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