『ソウル7日間徒然日記』 1999年7月12日(月)記


 
第38号


6日目の2――お土産探しにインサドンへの巻

2000年2月5日(土)発行

 

■ トンイン[通仁:T’tong‐in]

 
 チョゲサ[曹渓寺:Chogesa]を出て細い道を抜け、アングッ[安国

:Anguk]の交差点経由でインサドン[仁寺洞:Insadong]へ。 何が目的かというと、ソウルに来た初日にユンさんに連れていってもらったけど、すぐに閉店時間になってしまい、ほとんど店内を見ることができなかったトンイン[通仁]というお土産屋さんをかねたギャラリーへ行くつもりなのだ。

 インサドンは、さすが有名な観光スポット。月曜日の午前中だというのに、通りをぶらつく人の数は決して少なくない。
 わたしも、古い家具やら陶磁器やら書道の道具やらを売っている店を眺めながら歩き、トンインへ到着。

 先に1階でお土産を買っちゃうと荷物になるので、他の階から見て回ることにする。というわけで、細い階段を昇ってまずは3階へ。
 階段は幅がせまいにもかかわらず、壁やすみっこなどのわずかなスペースを使って、いろいろなものを上手に展示している。うん、趣味がいい感じ。

 3階に着いて、ガラス扉を開けて中に入る。入り口のすぐ近くに店員さんが座っていてびっくりしたが、とくにお客にかまうことはなく、室内を自由に見学させてくれた。

 さて、その室内なのだが、まず3階は古いたんす(箪笥)が縦にも横にもぎっちりと無造作に詰め込まれていた。見学者はそのたんすとたんすの間にできた細ーい通路(?)を、身体を横にして進みながら見て歩く、という感じである。
 まあせっかくだからじっくり見るか。

 たんすは、日本の桐箪笥のようなものではなくて、角を鉄などの金属で補強した、船箪笥(ふなだんす)風のがっちりしたものが多い。薬箪笥もけっこうあって、縦横に細かく分割された小さな引き出しの一つひとつに、漢方薬の名前が漢字で書かれていた。

 そしてさすが鉄の国。蝶番(ちょうつがい)や把手(とって)の意匠がこっている。蝶の形をしていたり、ひょうたんの形をしていたり。
 木と鳥の形に打ち出した鉄板に、木の実や鳥の目になるよう飾り釘を打ったものもあった。

 どのたんすもアンティークみたいだけど、きちんと値札がついていて、全部売り物らしい。
 高いのかな? と思ったが、安いものはW380,000(約40,860円)くらいからあった。だいたいは10万円前後くらいである。驚くほど高い、というわけではないらしい。W7,000(約753円)のゴミ箱みたいな物入れもあった。

 ひととおり見て終わって、次は4階へ。
 4階もやはりたんすやちゃぶ台、ミシンなどの古い家具が天井までうずたかく積み上げられている。
 でもよく見てみると、売り物らしいガラスケースの中に、古びたきせるや箸、スプーン、錠前などの小物も展示されていた。これらも値札がついているので、ほしければ売ってもらえるようだ。

 いろいろ見たけど、魚がえびぞった形の錠前がけっこうよかったかな。
 シンプルな形の錠前は、W6,000(約645円)くらいから売っていた。後で買えばよかった、とちょっと思った。

 さすがにたんすは見飽きたので5階へ移動。
 ものをぎちぎちに詰め込んだ3、4階とはうってかわって、広々とした空間にたんすや大きな皿などをすっきりと物を配置している。

 でも、あまり欲しいと思うものはなかった。
 ただびっくりしたのは、150万円もする壷が入り口近くに何気なく置かれていたこと。何でいきなりそんな高いものが? 買う人はいるんだろうか?

 その他、「ドレス」という名前の足踏みミシン(下の階のミシンは「パゴダ」)などを眺めてから下の階へ戻る。そろそろお土産買わなくちゃ。

 1階と2階は、湯呑みなど陶器や、色鮮やかな布でできた小物、チョッカラッ(箸)とスッカラッ(スプーン)のセット、お土産の定番・絵はがきなど、こまごましたものを中心に売っていた。2階にはチン(※第27号「今日の韓国MEMO」参照)などの楽器も売っていた記憶がある。

 まず1階で、ソウルに行ったら絶対買おうと思っていた蓋付き・茶こし付き湯呑みを物色。他の店では絶対売っていなくて、なおかつ自分好みの品を探す。
 あれこれ悩んだ挙げ句、候補をどうにか2つにまで絞り込む。だが、その2つのうちのどちらにするかがなかなか決まらない。
 手にとって感触や細部を確かめたり、遠くから眺めてみたり。店員さんからすると、かなり怪しい客となりながらも迷い続ける。

 ついでに他のお土産もそれとなく見る。
 湯呑みの棚の近くに、茄子やかぼちゃなどの形をした、実物よりは小さいけれど、かなりリアルにできた野菜形の陶器がいくつかある。
 何だろう、とよく見たら、小さな急須の注ぎ口みたいなのがついていて、さらに別の所に小さな穴が開いている。あ、これ書道で使う水滴だ。

 オレンジ色に近い黄色のかぼちゃがすごくいい出来で、一瞬で惚れ込んだ。
わたしは書道はやらないけれど、知人に書をやる人がいるので買うことにする(W25,000:約2,688円)。

 さて、他人のお土産は瞬間で決まったけれど、問題は自分の湯呑み。いつまでも悩んでいるわけにもいかないので、よっしゃ、こっちに決めた! と濃淡のある薄い水色の湯呑みに決定(W18,000:約1,935円)。
 ふたつの品をかかえてレジへ。

 このトンインでは買った物を、カラフルな薄手の韓紙とひもを使って、無料できれいにラッピングして(包んで)くれる。ありがたい。
 その間、ひまつぶしに見ていて発見した絵はがき(日月崑崙図含む)も追加で買う(W2,500:約269円)。

 包んでもらうとけっこう大きくなるので、買い物袋も合わせて購入(っていうか、タダではくれない)。持ち手がプラスチックでできた、かなり丈夫な袋で、お値段はW100(約11円)。
 この袋はけっこう便利で、日本に帰ってからもたまに使っている。

 買い物を終えて外に出て、外の売店でユミルグァ[油蜜果]などの伝統菓子が売られていることに気付いた。おう、ここでも売っているのか(※セブン・イレブンでも売っていました)。
 しかもユミルグァは会社へのお土産に便利な、1個ずつの個包装である。シンプルなものは1個W500(約54円)、松の実などがついた花の形をしたものはW600(約65円)。それぞれ6個と10個買う。

 個包装だからなのか、けっこう日持ちするらしく、賞味期限は意外と長かった覚えがある(2週間くらいだったか?)。
 しかし、さすが油蜜果。油たっぷりだったみたいで、買った翌日には包装してあるラップを留めている白い紙のシール部分が、すでに油で透き通ってしまっていた(笑)。ホントに2週間も保(も)つのかな?

 ちなみにお味の方は、なるほど、名前の通り「油と蜜」という感じ。
 ミスター・ドーナツのオールドファッションに、蜂蜜をしみこませてしっとりさせたような味と食感だった、といえばわかりやすいだろうか?
 会社では、女性たちには「おいしいけど油っこい」という好悪半々の評価をいただいたが、男性たちには「うまいっすねー、これ」とおおむね好評だった。
 もしかすると、揚げたてのできたてだったら、もっとおいしかったのかもしれない。

 買ったお土産がけっこうな量になってしまったので、いったんホテルに戻る。途中、ナクウォン・サンガ[楽園商街]近くにあるセブン・イレブンでマウンテン・デューのペットボトル(W1,000:約108円)を買う。

 部屋で一息ついたら、さあ次は昼メシだ。

おわり 

    

 今回のおこづかい帳  

 
   水滴:W25,000
  湯呑み:W18,000
 買い物袋:W 2,500
  バッグ:W   100
ユミルグァ:W 9,000
  飲み物:W 1,000

今回の小計:W55,600
支払い総計:W268,000(約28,817円)+34,591円

(※レートは1999年7月当時、¥100=W930で計算しています)

 

 編集後記 

 
 トンイン[通仁]リポートでした。いかがでしたでしょうか?

 わたしは普段、旅行のお土産といえば食べ物くらいしか買わないんですけど、今回はめずらしく「後に残るもの」を買いました。
 ああ、でも本は買いますね。後はたま〜にTシャツを買うくらいかな?

 会社向けのお土産は、基本的に全部食べ物です。
 ユンさんとお土産の話をしていた時、「小物とか買っていけば?」とアドバイスいただいたのですが、残念ながらわたしの同僚はどいつもこいつも「色気より食い気」なので、食べ物以外を買っていっても感謝されないのです(T_T)。

 しかも、どうも以前、香港のお土産に「亀ゼリー」という漢方薬の亀の粉が入ったゼリーを買ってきたことがあるのですが、その「亀ゼリー」の印象が強かったのか、社内では「わたしのお土産=変な食べ物」というイメージがあるらしく、みんな期待半分怖さ半分で「今回のお土産、何?」とわたしに訊きます。
 そういう意味では、今回のユミルグァはちょっと「はずれ」だったらしいですね。
 そんな、毎回毎回変なもの(いえ、決して「亀ゼリー」は変なものではないのですが)買ってこないって(^_^;)。ドングレ茶だって、韓国ではメジャーなお茶なんだぞ。

 ま、とりあえず今回のリポートがみなさまのお土産購入の参考になればよいのですけど。

 それでは、また次号でお会いしましょう。

  


  

6日目の1――無計画・チョンノそぞろ歩きの巻

6日目の2――お土産探しにインサドンへの巻

6日目の3――お昼ご飯は草の香りに包まれて/プルヒャンギの巻

6日目の4――これは干菓子ではなかった/茶食(タシッ)の巻

6日目の5――ふたたび本屋はパラダイス!(3) の巻

6日目の6――最後のディナーはサムゲタン[参鶏湯]の巻

6日目の7――「五」は何の「五」? の巻

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