谷村ひとしを疑う


 さて、皆さん谷村ひとしという方をご存知ですか。このページを見る人なら知らない人の方が少ないでしょう。彼は独自のパチンコ理論を展開していますが、私はどうも疑いの目で見てしまいます。
 今回は彼の理論について考えたいと思います。疑う際の参考として、「まんが谷村ひとしドンキホーテのパチンコ天国」(2003年10月号「株式会社百石書店」)(注:以下「パチンコ天国」)、「裏技攻略法谷村ひとしスペシャル」(12月号増刊「株式会社総合図書」)(注:以下「裏技攻略法」)をネタとします。

 さて、最近のパチンコ台は、ほとんど大当たり確率が設定されていて、スタートチャッカー(ヘソ)に玉が入るごとに、設定させた確率で大当たりを抽選する仕組みになっています。例えば、新海物語M27を例に取りますと、大当たり確率は315.5分の1ですから、スタートチャッカーに玉が入るごとに315.5分の1で大当たりを抽選します。ちなみに確変とは確率が変化することで、(新海物語M27の場合は63.1分の1)確変を引くと大当たりしやすくなるのは大当たり確率が高くなるためです。俗にこのような仕組みは完全確率と呼ばれています。

 卑近な例で申し訳ありませんが、私がパチンコを打つ場合、パチンコが確率によって大当たりを抽選しているという大前提があります。例えば300分の1の大当たり確率で一回の大当たりの出玉が1万円の台があったとします。この場合、300回転回すのに1万円かかるのであれば、一回の大当たりの期待収支は0です。この場合、千円30回転がボーダーになります。しかし、例えば8000円で300回転回せるのであれば、一回の大当たりの期待収支はプラス2000円となります。一日一日では確率は収束しませんが、長い目で見れば確率は収束しますので、よりボーダーを上回る回転数の台を打ち続ければ勝てるという考えです。こちらの方が合理的な考え方だと思います。

 さて、谷村氏はパチンコの抽選方式についてはどのように考えているのでしょうか?それについては「パチンコ天国」(P29)の中で次のように述べています。

粘って粘ってド〜ンと出すのもお座り一発でポンと当てるのも完全確率一発抽選方式のパチンコなら同じことなのです。
 谷村氏もパチンコの抽選方式が俗に言う完全確率であることは認めているようです。さらに、「裏技攻略法」(P67)では確率の収束についても述べています。
ボーダー理論の基本に大当たり確率の収束というものがあります
偶然の抽選で大当たりが300万回転させて1万回大当たり、これでやっと約300.26分の1に収束します
 確率がどの程度で収束するかは私は知りませんが、確率が収束しなければおかしいでしょう。でなければ、確率などという考えには意味がないことになります。しかし、次からがおかしくなってきます。それでは引き続き「裏技必勝法」(P67)から続けて引用します
つまり、トータル300万回転1日3000回転として1000日回さないといけません
約3年間ずっと同じクギでずっと同じ台を毎日打って確率はやっと収束します
「中略」
1日100分の1前後の大当たりの甘い波の時に打つ事が一番の必勝法ということになります
 さて、まず「同じクギでずっと同じ台を毎日打って確率はやっと収束します」という部分ですが、これはおかしいでしょう。というのも、同じ機種を打つのであれば確率は変わらないからです。また、谷村氏は同じクギの状態でなければならないと言いますが、千円10回転であろうが千円20回転であろうが1万回は1万回です。別に確率を収束させるために、同じ台で、なおかつ同じクギの状態でなければならないというのは、説得力がありません。
 次に波を読むということですが、これは理解に苦しみます。なぜなら、仮に谷村氏が100分の1前後の波を読め、その通りにやっているのであれば、いつになっても確率は収束しないことになるからです。

 以上のように谷村氏は、まずパチンコが俗に言う完全確率で抽選を行っていると言っておきながら、確率の考え方を覆すようなことを必勝法と言っているのです。私には論理矛盾を起こしているとしか思えません。

 くどいようですが、谷村氏は論理矛盾を起こしていると思います。仮に谷村氏の理論が正しいのであれば、谷村氏はパチンコが完全確率一発抽選方式だということに疑問を持つのがあたりまえではないでしょうか?繰り返しになりますが、波を読んで勝てるのであれば、確率というものが意味をなさないからです。谷村氏の理論から考えれば、パチンコは確率によらないで大当たりを抽選している、という結論になると思います。
 以上根本的な勝ち方について疑問を投げかけましたが、以降は細かいところで谷村氏の考えを批判していきたいと思います。
僕がカニ歩きをするのはパチンコが一発抽選方式だからこそなのです。
1万円使って1台を200回転回すよりも千円で10台回した方が当たる可能性が高いからです。
「裏技攻略法(P66)」
 はっきり言って意味が分りません。同じ機種ならば、1台に1万円使おうが10台に千円ずつ使おうが大当たりする確率に変わりはありません。なぜなら台ごとに確率が変わるわけではないからです。
奇跡の300回転のレポートが殺到中です
「中略(読者からの投稿)」
300回転前後に何かが起こるかもしれません
奇跡の300回転はなかなか使える攻略法ですよ
「パチンコ天国(P21)」
 確かに何かが起こるかもしれませんが、パチンコの大当たり確率は何回転目でも変わりません。ですから300回転目だから当たりやすいといったことはないはずです。仮に本当だとしたら、やはり確率が意味をなさなくなってしまいます。
(CR新海物語M56について)連チャン力を弱くして単発大当たりの多さでバランスを取っています
「裏技攻略法」(P108)
 これが事実だとすれば大変なことです。公表されているCR新海物語M56の確変突入率は2分の1です。仮に谷村氏の言っていることが本当なら、保通協(パチンコ台の検査を行っている警察庁の外郭団体)は、相当いい加減な試験を行っているということでしょう。

 以上のように谷村氏の言っていることは、論理矛盾を起こしている上信憑性が低いと考えるより仕方ありません。谷村氏の考えを批判しているホームページが他にも多数存在しますが、自分が不思議だと考えるのは、なぜこうも谷村氏がパチンコ雑誌に多く連載を持っているかです。こういった視点からレベルの高い批評が出てくれば面白いのではないかと個人的には思っています。