松田 幸治
1960年北海道遠軽町生まれ
1988年プリンスジョージのアランマッキ―スクール卒業後、各地で
ログの仕事をしている
現在は
カナダのログハウスメーカー、カナディアン・ノース・ログホームズのポスト&ビームセクションのチーフとして勤務
ブリテイッシュ・コロンビア州アッボッツフォード市在住
趣味は釣り





良いログハウス造りって何だろう?
最近、インターネットという便利な物が出来て、ログハウスに住んでおられる方や現在進行中で建てて
おられる方、またこれから建てる事を考えておられる方等のいろいろな楽しい体験記や報告を見る事が
出来るようになった。
現場の仕事ばかりをやってきた僕は、ログハウスに関わる仕事を15年もしていながら、実際にそこに
住む方と会える機会を得る事は非常に稀だ。ましてや、その人の趣味だとか年齢だとか、仕事だとか、
何人家族なのか、子供さんがいるのか、なんてことは大体の場合知らない。知ろうと思っても実際には
なかなか難しいのが現状だ。 図面を読んでそれに沿ったものを正確に造り上げていく、それが僕の
担当だからだ。
ホームページから得られる情報は何も楽しい事ばかりではない。いろいろ見ていくと欠陥ログハウスに
関しても多くの情報が得られる。中には、メーカー側と揉めているところもかなりあるようだし、その事
自体をテーマにしたホームページもあるほどだ。セトリングに関するものから、雨漏り、結露、カビ、腐れ、
もっと根本的な設計、施工ミスによるもの等々、内容は多彩だ。ほほう・・などと感心している場合では
ない。直接的ではないにしても、これは他人事ではない。僕も造り手の一人なのだから・・
ログハウスのそのダイナミックな容姿は人の心をくすぐる大きな魅力があると思っているし、木を主体に
したその造りは人の体にもいいし利点の多い家でもあると感じている。しかし同時に欠陥となりうる
可能性の多い建物であるということも事実だ。
完全に乾燥された製材が使える建築と違い、ログハウスの場合使う材はどうしてもまだある程度
含水率の高い原木からの加工という宿命を持っており、加工後、木の収縮によるセトリング、割れ、
仕口同士の隙という事が起こってくる。これはいろいろ工夫すべきところはあるにしても、根本的な
解決には至らない。ログハウスは完璧な建築物と言う観点からはまだまだ歴史も浅く、発展途上の
家だ。それを維持していく為にはそれなりの覚悟がいる事だが、手のかかる家だからこそいいのかも
知れない。
カナディアンスタイルのサドルノッチ、P&B、ティンバーフレーム、家の工法やデザインは人それぞれの
好みがありどれが良いなんて事はないが、全てに共通するのはこの乾燥しきってない木を使うと
いうことだ。丸太の完全乾燥もやって出来ない事ではないが、コストがかかり過ぎるし現実的ではない。
理想的な事を言えばきりがないけど、建築工程をあまり急ぐ事をせず、屋根までかけた段階でしばらく
木を乾燥させ、落ち着いたところでさらにボルトなどの増し締めを行なってから仕上げにかかる、
昔ながらのやり方だ。会社の資金繰りの都合で工期を急いだり、施主さんの早く利用したい気持ちで
工期を早めたりしたのでは、まず第一段階からその特性を無視してしまっている。
造り手側の方にも、また施主さん本人にも本当はもっと大事な事があるのではないだろうか?今の時代
そんな悠長なと言われるかもしれないが本当の意味でよいログハウスを建てると言う事は、そういった事
から始めなくてはならないと思う訳だ。
何故なんだろう?
僕が以前日本にいた頃、お世話になっていたスタンダードログホームズというログの会社が倒産して
しまった。
ログハウスの刻みの仕事を主体に5年程皆と仕事をさせてもらったのだけれども、そこで
学んだ事は今の僕にとって、とても大事な経験であり、それだけにここの倒産は残念でならない。
社長を始め事務所のスタッフ、ビルダーたちのログ建築に対する姿勢は決していいかげんなものでは
なかったし、造ってきたログハウスも出来うる範囲でベストを尽くしてきたはずだ。出来うると書いた
のは予算的な制限は当然付き纏っていたからだが、これは致し方ない。
でたらめな家を造って、でたらめな経営をしていたのなら納得がいくが、スタンダードはそうでは
なかったと思っている。しかし結果的には最悪の倒産と言う形になってしまった。何故なんだろう?
ログハウス会社をまともにやろうとすれば多額な資金が必要になってくる。加工場の確保、クレーンの
購入、事務所の開設、設計士にインテリアデザイナー、職人の確保、車両、工具類の調達、そして
一番大切な宣伝費。ログの会社だけに限らず、建築関係の会社の中には自転車操業を余儀なく
されているところが多いんじゃないだろうか?。
今の支払いの為に、次の家の資金を使う。仕事を取るために低く設定した無理な見積もりや、
そこからくる工期の短さ。何とかならないものなのだろうか?
お客を取らなければ会社は成り立たなくなってしまう。見積もりにはぎりぎりのラインまで金額を
落とさなければお客さんを他社に取られてしまうと切磋琢磨するのは理解出来るし結構なのだが、
下手をしたらその皺寄せは日数不足、材料の品質の低下を招き、現場で働くビルダーさんや
大工さんの夜を徹してのキツイ作業と共に、お客さん自身の家にも決していい結果にはならない
のではないだろうか?
今の日本の現状では、いくら志が高くてもそうはさせてくれない現実が待っている。
何かいい方法はないだろうか?
僕は今カナダの会社で毎日ログを刻んでいる。それはそれで自分の好きな仕事をやってる訳なんだ
けど、やはり出来るならば1棟1棟丁寧に、そこに住む人のスタイルに合わせた自分なりに理想に近い
ログハウスをやってみたいという夢は捨てきれない。
会社を立ち上げて、何とかそんな仕事が出来ればとも考え、いろいろ悩んではみたけれど、同じやり方
では結果は見えている。
しかも僕は今日本にいる訳じゃない。一人でいったい何が出来るだろう
今、カナダのログ会社で働いているというこのスタンスを利用して何かを始める事は出来ないだろうか?
いろいろと悩んだ挙句、僕が行き着いたのは基本に戻るという事だった。そう、僕が造りたかったのは
会社ではなくログハウスそのものであり、逆に今ならそれが可能ではないだろうか
実際、ログハウスを造るのに本当に会社は必要だろうか?
僕は今でも自分のログハウスは住む人自身の手で造るものだと考えている。今で言うセルフビルドが
基本形だと信じている訳だ。しかしながら、トンカチやノコギリなんかを握った事など全くないという人が、
突然、家を建てるというのはなかなか大変だろうし、普通の人は大抵の場合時間の都合がつかない。
全てを自分の力だけで一棟を完成させるのにはかなりの覚悟がいる事だろう。そしてそのほとんどの
人が、自分のログハウスを会社に丸ごと委託する事になる。
しかし、経費のかさむ会社に頼まなくても家は建つはずだ。ほんのちょっとのやる気と適切なアドバイスが
あれば、設計士に自分の思い描いているプランを図面にしてもらう事も、ログを加工している海外の
会社に自分で見積もりを取って発注する事も、信頼の置ける大工さんに仕上げてもらう事も、
バックアップのシステムさえ確りしていれば可能なはずだ。
実際にチェーンソーは握れなくても、自分の家を自分で管理して建てると言う意味においてはセルフ
ビルドに近いし,セールスマンを介さずに直接造り手と話が出来る分、ダイレクトに自分の主張が家造りに
反映できる利点もある。余計な分がない分、コストも適正なものに近ずく。・・はずだ。
しかしながら利点が多いと言う事は、その分リスクも当然発生してくると言う事であり、
自分で建てるという事はそのリスクを承知して臨むということに他ならない。
しかしそれらをも承知の上で、良いログハウス造りに参加していただける、時間と手間はかかっても
本当に納得の出来る、満足のいくログハウスが欲しい!という方、
先ずはメールを下さい。
一棟一棟こちらも納得のいくものを造らさせていただきます。
