日本聖書協会から出版された口語訳聖書が自由主義神学的傾向にあり、神やイエス・キリストの権威が弱められていると感じた福音派陣営では、日本聖書協会に対して説明と訂正を求めましたが、当時の日本聖書協会主事はこれに応じませんでした。
そのために福音派陣営では、聖書信仰に立つ学者による、福音派にふさわしい聖書翻訳の必要性を痛感し、米国ロックマン財団から資金援助を受けて「新改訳聖書刊行会」が組織され、舟木順一、名尾耕作、堀川勇、松尾武、大江信らの諸師を中心とする42名の翻訳者の協力により、1965年に新約聖書が、1970年に旧約聖書が完成したのです。
新改訳聖書の特徴としては、聖書は誤りのない神のみことばであるという聖書信仰に堅く立ち、かつ、特定教派の神学的立場に傾かないで、言語的に妥当であるかを尊重した翻訳であることなどがあげられます。
尚、この「新改訳聖書」という名称は、大正6年に出された「改訳聖書」(大正改訳)に敬意を払ってつけられたものです。
1970年に新旧合本の初版が完成した新改訳聖書は、その後、1978年に改定第二版が、2003年に改定第三版が出され、特に第三版では、差別用語や不快語の見直し(例えば、それまで「らい病」と訳されていた言葉を、ヘブル語の原音に近い「ツァラアト」に変更するなど)や、また、最新の聖書学の研究成果に基づく神学的な改定(例えば、創世記第1章の「混沌であって」の原語「トーフー・ワ・ボーフー」を「茫然としてなにもなかった」と改訳)等、大がかりな改定が行なわれました。
新改訳聖書は、福音派の諸教会を中心に、これまで新旧約合わせて1300万冊以上が頒布され、口語訳聖書および新共同訳聖書と並んで広く使用されています。
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