私たちは普段、日本語に翻訳された聖書を読んでいますが、日本語に限らず、各国語の聖書は、基本的には原典(旧約はヘブル語、新約はギリシャ語)から翻訳されています。しかし残念ながら、旧約も新約も、オリジナルの文書は残っていないので、原典=オリジナルという意味ではありません。 それでは、私たちが読んでいる日本語の聖書は、いったいどのような「原典」から翻訳されたのでしょうか。
旧約も新約も、印刷術が生まれるまでは手書きの写本で伝えられてきました。旧約では「ソーフェリーム」と呼ばれる専門の写本家により、非常に厳格な手順で筆写されました。その正確さは、2000年前の死海写本の中に含まれる旧約文書が、現在の旧約文書と、ほとんど同じことからも立証されています。
ところが新約については、新約が書かれた初期の段階では、ユダヤ教の旧約のように厳格な筆写体制がなかったために、現在残されている多数の写本間には、多くの相違が認められます。そのため、それらの写本の中から、オリジナルに近いテキストを復元する「本文批評」という作業が必要となります。
聖書学者たちの長年にわたる努力の結果、現在ではかなりオリジナルに近いと思われるところまで復元されています。現在、聖書を翻訳するときの底本としては、旧約では『ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(BHS)』、新約では『ネストレ・アーラント』という校訂本が一般的に用いられています。
聖書の成り立ち目次ページに戻る
|