シャトーラトゥール訪問記
2005年5月初旬
ボルドーは春のバカンス。
まるで初夏のような陽気の中、ポヤック村のシャトーラトゥールに行ってきました♪

訪問まで
今回はラトゥールにコネのある友人経由で訪問の予約を入れてもらった。
予約を入れてくれた友人(フランス人)曰く、当日は日本人が案内してくださるとのこと。
ゴールデンウィークは日本人の訪問者が多いのか?
きっとそのために日本人の案内係の方が期間限定で雇われているにちがいない。
本当のところは不明なので、当日聞いてみるとしよう。
ボルドーからポヤック村まで
ボルドー市内からメドックのポヤック村までは車で小一時間。
メドック方面へ行くための高速道路はないので、生活&幹線道路を通らなければならず、時間は予測しづらい。
私たちの予約時間は午後2時。
ポヤックに着いてから軽く昼食をとって、シャトーへ行くつもりで、正午頃にボルドー市内を出発した。
しかし、これは時間配分の間違いだった。
たった1時間で外食をして、不案内なポヤック村の中での移動もするというのは、到底無謀だったと後で大後悔することに。
ボルドー市内を出て都市環状道路(Rocade:ロカード)を越えるとかなり田舎度が増す。
ほどなくしてぶどう畑が見え始める。
ポヤック村までの道のりの大半はのどかなぶどう畑の中を走る道だ。
平日とあって畑の中で仕事をしている人も結構見かける。
時々トラクターも、幹線道路を走っている。のどかなことこの上なし。
お天気のいい日のメドックドライブはすこぶる気持ち良い♪
予定通り1時間でポヤック村へ到着。
ポヤック村で昼食をとるには?
さあ、あと1時間しかないので、さっさと食事のできる場所を見つけなくては。
ポヤック村に不案内な私たちは、とりあえず町の中心へ行ってみることにした。
フランスの小さな町や村は基本的にみな同じ作りになっていて、非常にわかりやすい。
町の中心に教会と市役所があり、その周辺にお店が集まっている(ハズ)。
町の主要道路には必ず、CENTRE VILLE(サントル
ヴィル)という看板が出ていて、
それに従って進めば確実に町の中心部にたどり着くことができる。
私たちも簡単に村の中心部に到着したはいいが、レストランらしきものは一つも見あたらない!
駅前に行ってみたり、その他の場所を適当に車を走らすが、レストランが全くない!
そうこうしているウチに時間が刻一刻と過ぎていく。
と突然、夫が川沿いにレストランがあることを思い出した。
そうです。ポヤック村はジロンド川沿いに数件のレストランが集まっている。
というか、ソコにしかなかったのだ!
川沿いには港があり、大きな駐車場もあり、各レストランはシャトーめぐりの観光客で賑わっていた。
いちばん混んでいるお店を選ぶ。これは不案内の地でのレストラン選びの鉄則だ。
「混んでいる店=値段が手頃でまずまず美味しい」と見て、まず間違いない。
ポヤック村は世界各地から観光客が集まると見えて、
何気ないレストランにもかかわらずメニューは仏語と英語の二カ国語表記だった。
サンテミリオンやボルドー市内の店よりもすごい!と関心。
読み通り、味もまずまずで値段も手頃だったが、
時間がないので一皿だけ取って、コーヒーもとらず早々に店を出なければならなかった。
それでも2時の約束まで5分しかなかったからだ。
Mappyのサイトでプリントアウトした地図によれば、私たちは目的地から目と鼻の先にいるハズだった。
ラトゥールはどこ?
地図に従って車を走らすと、着いたのは名もない小さなシャトーの通用口みたいなところ。
そもそも夫の用意してきたシャトーの住所が間違っていたのだ。ショック。
他のシャトーは看板や標識を出しているところが多いが、ラトゥールの看板はぜんぜん無い。
しかし、ここはポヤック。
そして、私たちの目的地は天下のシャトー ラトゥール。
誰もがその場所を知っているはず。
ということで、近くのガソリンスタンドで道を聞く。彼曰く「直ぐ近く」だとのこと。
言われたとおり車を走らせるが見つからない。
またガソリンスタンドに戻って、更に詳しく道を聞いて、地図までもらって再出発。
フランス人の「直ぐそこ」という表現は要注意だ。個人差が大きすぎる。
彼の感覚では「すぐそこ」だったのだが、私たちにとってはかなり遠かった。
しかし今度は、大丈夫。
道沿いの両側に、お城のような大きな建物が見えてくる。それは「シャトー
ピッション ロングビル」で、
それを過ぎてすぐ隣りの小道がシャトーラトゥールへ通じる入り口とのことだった。
ここまで詳しく聞けば間違うことはない。
道路沿いでピッション ロングビルの堂々とした構えは本当に目立っているから、見逃しようがない。
そして、ようやくラトゥールの標識発見!
見落としそうなほど小さな標識。しかも、入り口の前にしかないのだ。
こうして、なんとか入り口に到着。
予約を入れてくれた友人から聞いていたとおり、ラトゥールの入り口は門は閉まっていた。
通りすがりの観光客をブロックするためだそうだ。
厳密に言うと「観光客の車」をブロックするためでしょう。
だって、直ぐ横の畑のあぜ道から、徒歩なら敷地内へ簡単に入れてしまうのだから。
そういえば、ポムロールのシャトー ペトリュスの入り口にも立派な門が出来て、
しっかり閉ざされるようになってしまいました。
以前は門などなく開けっぴろげで、敷地に誰でも自由に出入りできたのに。。。
心ない観光客が多くなってきたということか。少し寂しい気がする。
ラトゥールの門をくぐる
約束のある人はインターフォンで名前を告げる。
すると遠隔操作で門を開けてくれる。

インターフォンの声はやっぱりフランス語。
「右に行って、左に曲がって、停まっているシルバーの車の後に駐車してください。そして、事務所までおいで下さい」とのこと。
言われたとおり、敷地内の細い砂利道を通ってシャトーの建物横へ駐車。
長い間改装工事をしていただけあって、シャトーの外壁も内部も真新しくてピカピカ♪
中庭を通り抜けて事務所の入り口を入ると、出迎えてくださったのはうら若い日本人女性(イシダさん)。
彼女は1ヶ月前にラトゥールに到着した、ほやほやスタッフ。
期間限定の雇用契約ながら、ラトゥールで働く60名の常勤スタッフの立派な一員だった。
ゴールデンウィークのための案内係というわけではなかった。
とても感じの良いイシダさんの案内で、早速見学ツアー開始。
ラトゥールの見学ツアーは、異なるグループを一緒に案内することはないんだそうでVIP気分。
最初は、ラトゥールの紹介ビデオを見る。日本語で。
次は、ビデオルームの壁に貼ってあるボードを見ながら、ラトゥールの畑の説明を聞く。

畑に植えられているブドウ品種は、カベルネソーヴィニョン、メルロー、プティヴェルドー、カベルネフラン。
ぶどう畑はかなり細かい区画に分けられ、それぞれ名前が付けられている。その方が作業しやすいのか?
醸造所
ビデオルームから出て、醸造所へ移動。
醸造所の入り口は、ボタンを押すとスライドして開くガラス製のドア。とてってもモダン。
中にはいると、ぴかぴかのステンレスタンクがずらり。
この季節なのでタンクの中は空っぽだが、ホール内にはふんわりとワインの発酵臭が漂っている。

タンクは全部で60個。すべてのタンクは集中的に温度管理されます。

ここで、収穫したぶどうがこれらのタンクに入るまでの流れを少し。
収穫時には臨時スタッフ150人と、常駐のスタッフ60人が総出であたる。
四角い収穫用のプラスティック容器に、圧迫でぶどうを傷めないため、重ねることなく一段だけぶどうを並べる。
収穫されたぶどうは、専用のエレベーターで醸造所の2階の搬入口へ運び込まれる。
そこでベルトコンベアーに乗せられて、待ちかまえていたフランス人女性たちによって選別される。
選別作業は女性の仕事と決まっているのだが、それはフランス人女性がとても厳しい視点を持っていからだそうだ。
しかし、この話には首を傾げてしまった。
フランスに住んでいるので、仏人女性が厳しいのはよくわかります。
彼女らは他人のすることに対しては確かに厳しい。
でも、自分のことに対してはどうなの?
ぶどうの品質に対して厳しい選別眼をおもちかもしれませんが、
それを実現するためのきめ細やかな仕事をするかどうかとなると、話は別なのでは?
それこそ、まじめな日本人に任せた方がよっぽどいい仕事するでしょうに。。。とは私の心のつぶやきです。
ま、とにかく選別されたぶどうは、軸などの不要物を取り除く機械にかけられ、
次ぎにまたベルトコンベアーに乗せられて、ぶどう玉一つ一つについている最も小さい軸の部分を手作業で取り除かれる。
選別とお手入れの終わったぶどうは、醸造タンクへ。
作業場から醸造タンクまでは、なだらかな下り坂で、パイプラインでつながれている。
そのパイプラインの中をとおって、自然の重力だけでぶどうはタンクの中に入っていくという仕組みだ。
これらの醸造所の仕組みは、ぶどうに不要な圧力をかけないための設計なのだそうだ。
次はシェへ。
2階に1年目の樽がならび、1階が2年目。

シャトーラトゥールはもちろん、100%フレンチオークの新樽。
いちど使った樽は、セカンドの「ラ フォール
ラトゥール」や第3の銘柄「ポヤック」で使いまわし。
3度目は自社内では使わないそうで、仏国内のロワール地方のシャトーやスペインなどの海外シャトーに売却される。
カーブの見学
カーブというだけあって、やっぱり地下にあるこのお部屋には、
オーナーの所有するラトゥールのコレクションがずらり。
最も古いものは1865年もの。写真手前の最上段にある12本がそうです。
それにしてもオーナーのピノーさんはいつこれらを飲むつもりなのだろう?

カーブの中は明るくとっても綺麗。
ボトルもほこりや蜘蛛の巣をかぶることなく、きれいにしかも整然と並んでいた。
我が家の地下カーブとは雲泥の差。
ま、天下のシャトーラトゥールのカーブと比べることが無謀というものだけど。
以前見学したムートンのカーブと比べても、こちらの圧勝だ。
デギュスタシオン

最後はお待ちねのデギュスタシオン。試飲タイム♪
デギュスタシオンルームは、今フランスで流行の”ゼン”スタイル。
イギリス風に言うと、ミニマルなスタイル。
とにかく、とってもコンレンポラリーで、しかも美しく機能的なお部屋。
壁には広くガラスの採光部分があり、非常に明るいし、広々とした畑の眺めも楽しむことができる。
ちなみに、写真のボトル背後に見えるシルバーメタリックのフレームのようなものは、
デギュスタシオン後のワインを吐き出すための流し台。
ところで、私たちが試飲させていただいたのは、
2004年のラトゥール、ラフォール ド ラトゥール、ポヤック。そして、2001年のラトゥール!
見学無料でこの大盤振る舞い。ラトゥールは偉い!
2004年ものはまだ樽に入っている状態のものを、試飲のために小瓶に移してきたもの(エシャンティオン)。
これを試飲するというのは世界広しといえども、このシャトーを訪れた人だけの特権。
ちょっと得した気分。
2004年ものは、発展途上の味わいながら、香りはすでに素晴らしかった。
何より、同じシャトーで作られる最高級品ラトゥールから一番下のポヤックまでを並べて、
味わいを比較できるのはとっても楽しい。
私としてはどうしても値段の違いが頭をよぎってしまうのだが、
確かに値段の高いものほど、洗練された香りと味わいになっているのは、素人でもわかった。
だんだんと、雑味がとれていく感じ。
ただ、大きな値段の違いに見合うほどの、味と香りの違いがあるのかというと、ちょっと疑問は残る。。。
2001年のラトゥールは、文句無し。まだまだ寝かせた方がいいのでしょうが、すでに美味しかった。

デギュスタシオンルームの横にはひっそりとお土産コーナーがある。
シャトー ラトゥールの名が刻み込まれたリーデル社製のワイングラスや美しいキャラフェなどなどが購入可能。
もちろん、ワインも購入できる。
価格は町中のショップと比べて特に安いということはない。
巷のショップであまり見かけないセカンドやサードの銘柄を、ここで購入するのはよいアイデアかも。
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