活動開始

自動車免許取得

シカゴに来て3ヶ月。昔の同僚、たけちゃんのお母さんと日本からのお客さん続きで少々忙しかったとはいえ、みんなが帰ってしまうとまた誰との接触もない、さびしく退屈で平凡な生活に戻り、日に日にブルーになってきてしまった。このままストレスをためこみ、八つ当たりを繰り返していては、たけちゃんも、そして私自身も本当に参ってしまう。たけちゃんに愛想をつかれ、きらわれてしまう前に、生活に変化をもたらすために、まずは自分の足で行動しなければ………そう思い立った私だが実際何から始まればよいのか? シカゴの夏は短い。その前にアクションを起こさなければ……といつしか私の気持ちの中に焦りが見られるようになった。そういつまでもトラと一緒に家の中でごろごろする生活を送っているわけにはいかないのだ。 とりあえず私は今まで何だかんだと言い訳して伸ばし伸ばしにしていた免許を取ることにした。こちらでの運転も徐々に慣れてきていたので、実技試験はよいとして、問題は筆記試験だ。一応交通ルールの手引きをもらい(英語で読むのはかったるかったが)、勉強を開始。1週間ほどかけて隅から隅まで蛍光ペンで印をつけながら読み終えたあと、いざ、試験場へ。一応苦労の甲斐あって、筆記も実技も一発でパスすることができた。たかが、運転免許の取得であるが、何かをやり遂げたことへの、達成感があり、私には大きな満足感があった。ここ最近私が求めていたのは、この種の満足感である。何かを自分で始め、目的をかなえたときにおこるすがすがしい気持ち………。これをきっかけに、いろいろなことにチャレンジしてみたいという気持ちが私の中でうずきだした。アメリカで生活するなんて誰もができる体験ではない。この機会を大いに利用しよう!と少しずつ前向きに考えられるようになってきたのだ。私の中での大きな気持ちの変化だった。 それにしてもこの免許取得にかかったお金はたったの12ドル。日本で40万近く払って自動車学校に通ったのは何だったのか…。


英会話クラス

さて、お次は何を始めようか……そう思っていた矢先に、私はある広告を目にした。近くの図書館で外国人を対象とした無料の英語のクラスがあると書かれている。毎週水曜日、2時間半。英語を第二言語とする人であれば誰でも参加できるらしい。私はさっそく図書館に電話してみることにした。広告にかかれてあったパットという人と直接話し、英語のクラスに参加させて欲しい旨を伝えると、“来週からいらっしゃい”とあっさり快く私の願いを聞き入れてくれた。 ESLのクラスは以前留学中に取ったことがあり、だいたいどのようなクラスであるか想像できたのだが、そのようなクラスに今更また高い授業料を出してまで基本的な英語を習いに行く必要もないだろうと思っていた。でもこのクラスはなんといっても無料である。暇人の私がこの機会を利用しないてはないではないか。お友達をつくるのにも良いかもしれない。
こうして翌週からクラスがスタートした。クラスは各国からのさまざまな人種で構成され、(中国人、メキシコ人、ロシア人、ドイツ人、ポーランド人、フランス人、日本人、イラン人、ウクライナ人、韓国人など)とても国際色豊か、なかでもとりわけヨーロッパ人が多いのが印象的だった。私が以前に通ったESLのクラスはほとんどがアジア人だったので、ヨーロッパ人の彼らと接するのは私にはとても新鮮であった。授業内容もESLのように文法のクラス、リーディング、ライティングのクラスなどと分かれておらず、すわってコーヒーなど飲みながら、トピックを決めて、先生のパットを中心にディスカッションするという、とてもカジュアルでかつ実用的な内容だった。お友達もたくさんでき、近くのどこのお店が安いとか、どこのレストランがおいしいとか、どこどこにいいドライブスポットがあるなど、いろんな情報交換もでき、これまでの視野の狭い生活から一転して、私の世界は一気に広がった。


英会話クラスその2

図書館で知り会ったお友達からの口コミなどにより、まだほかにもいろんな場所で無料のクラスがあることを知る。とりあえず今度もまた同じ図書館でほかのクラスをとってみることにした。そのクラスは月曜日と木曜日の週二回、12週間コースでレジスターなしでは入れないということで、私は9月から始まるその英語のクラスにさっそく申し込むことにした。初心者用、中級者用、上級者用のクラスにわかれており、私は上級者用のクラスを受けたかったのだが、そのクラスに限っては、お金を50ドルほど払わなければいけないという。お金は払いたくなかったので、私は仕方なく、中級者用のクラスを取ることにした。
パットのクラスと違い、そのクラスは一クラス40人ほどとかなり大人数のクラスで、学校のような雰囲気であった。クラスのレベルは、これがほんとに中級クラスか?!と思えるほど、基礎中の基礎を勉強するクラスで、生徒の平均年齢もかなり高く〈70近くのばあさんもいたから驚きだ〉これは失敗だったかな………と最初は内心ちょっぴり後悔していたのだが、なんといっても無料のクラス。贅沢を言っている場合ではない。しかし、実際数回受けてみると、学習内容はともかく、先生の教え方が非常に上手であることに気が付き、私もいつのまにか次第にひきこまれていくようになった。 先生の名前はボニ―。40歳ぐらいのとてもチアフルでいつも輝いている、教えることをまさに生きがいとしている、という感じの先生だ。いつもたくさんの教材をかかえ、手を変え品を変えながらのあきのこないレッスン……。私は子供に英語を教えていた頃の自分とオーバーラップさせながら、ああこういう教え方もあったのか、こういうものを使えば生徒も興味を示すのか、などと彼女のティーチングのスキルに感心しながら、毎回たのしみに授業に臨んだ。 教える側ではなく習う側の立場にたってみてはじめてわかることもあるのだなと改めて再発見した。
おじさんおばさん連中がクラスに多い中、それでも何人か若い子がいて,私はその中でも、メキシコ人のアレリ、モロッコ人のブティサム、イラン人のタラ,パキスタン人のフォージアとすぐに仲良くなった。かなり異色の組み合わせだが、他の国々に関心のある私としては、彼女たちと話していてあきがこなかったし、宗教、文化、食べ物などの話題になると、国によってこんなにも違うのかと今更ながらカルチャーショックを受け、改めて世界の広さを感じた。
てな具合で、私の生活スタイルも少しずついい方向へと変化のきざしがみえ始め,私のアメリカ生活も地に足がついてきたようだ。前向きに生きる、思い立ったら行動に移す、ということがいかに大切かということを、身にしみて痛感した。

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