50回医療事故

 


医療安全対策会議の検討状況は?

【厚】「医療安全対策会議」なるものは省内には存在していないのです。前回の資料を見ると、医療安全対策検討会議については若干触れられているところがあるので、検討会議と言うことなら、今委員の選考をしているところです。五月に第一回目をやろうと、今委員の選出を進めている所なんですけれど、この問題はかなり幅広い専門家を集めないといけないと思っておりまして、医療関係者の団体だけではなくて、システムの話とか、組織的な体制のあり方とかそういうことを幅広く検討していきたいと思っておりますので、心理学みたいな先生、あるいはシステム工学みたいな所を持っている先生とか、そういう有識者等も入れてきちんと検討していきたいと思っています。
 この会議なんですけれど、総会というものと部会を二つ作る予定でございまして、部会の名前がヒューマンエラー部会と医薬品医療用具等検討部会という二つを作る予定でございます。ヒューマンエラー部会の方については、人由来のミスについて、個人で起こすミスと、個人が仮にミスをしてもそれを組織的に何とかミスをくい止めるというような組織的な取り組みと両方必要だと思っています。
 医療用具とか医薬品については、輸液ポンプのつなぎ間違いであるとかそういったミスがございますよね。一因として、同じ形状をしているとか、こういう物についても幅広く検討していただき、医療用具の製造メーカー等にも働きかけて、そういう物を直せるようにと考えております。実際どんなミスが起こっているということについてもインシデント事例という形で収集を図っていくようなつもりで、現在動いております。
【交】薬剤の取り違いという事例もよくあるのですが、薬剤師の方に伺ってみると、名前も間違いやすいし、錠剤もカプセル自体よく似ているので、赤い線が一本入るということだけでもはっきりしてくるんだけれど、それを話すと製薬企業のかたが簡単にウンと言わない。だから、医療安全対策検討会議が拘束力もっていないと、これだけ検討してこれでやって下さいで済む話ではない。変えられる権限がそこにないと実際は変わらない。
【厚】検討会議がどこまでの拘束力を持つかという話になるかと思いますけれども、それについては、厚生労働大臣の方からも指示がございまして、きちんと取り組んでビジョンを示すようにという形になっておりまして、おっしゃるような強制力というのは持たせないつもりなんですけれど、こういうものをきちんと立ち上げてそれなりの報告書なりなんなりをまとめあげれば、それは各団体もきちんとやっていく。また、医薬局の方で動いている部会がございまして、医薬局長の方から各製造メーカーの方に対していろんな指示等もしておりますので、そういう形で担保できるのでないかと思っています。
【交】拘束力を持たせることはないがそういうことを公表することによって関係団体が自主的に改善に取り組むだろうということ?
【厚】自主的に取り組むところもありますし、必要に応じて行政から団体等に対して通知を出すこともあると思います。
【交】具体的なことがあがってこないと、改善していけるかどうかわかりませんね。
【厚】おっしゃるとおりです。私どもとしてもどういうような事例が問題を起こしているのかと、それを収集するような形で作業を進めております。
【交】それはどういうふうな集め方をしている?
【厚】今年の計画では、実際には部会の方で先生方の審議を諮ってからということになるかとは思うんですが、インシデント事例を集めようと思ってまして。インシデント事例というのは、ヒヤリとしたりはっとした事例というようなもので、事故に一歩間違えればなりそうな事例ですね。それについて特定機能病院と国立病院、ここのところからデータを集めようと思っております。看護婦さんのみならず医師も含めた全職種用の報告のものをお配りして、それを収集していくというようなシステムを考えております。
 最終的な報告様式はやはり先生の方で一回もんでもらわないといけないと思っております。厚生労働省としてはどういうような報告様式が適切かというのは研究費等で研究者に研究してもらっているところでございますので、そういう様式がきちんとできあがれば、それはそれで示していくことができるだろうと思っています。
【交】その様式はコピーをいただけるのですか?
【厚】公表できるような形のものであれば、私としてはお渡ししたいと思っています。
【交】どれくらいの期間で検討をまとめる予定なんですか?
【厚】できれば来年の四月くらいにはある程度のビジョンなりなんなりをお示ししたいと考えております。ただ、これは先生方のご義論の中でやっていく話ですから、議論がより深まれば延びるか縮まるか、そこはわかりません。
【交】この中で、場合によっては法律も作らなければいかんという話も含んでいると思うのだけれど、それはそれでまた検討するのですか?
【厚】それはそれで検討していくということになりますね。
【交】何人くらいの委員を考えているの?
【厚】今、調整しているので、詳しい人数は存じ上げてないのですけれども。
【交】ヒューマンエラーのことですが、聞いてみますと看護婦さんなりの医療労働力の過密な状況でのミスというのも多いと思うのですね。そういう意味あいでは、働くという視点から捉えた人材もここでは考えられているのですか?
【厚】議論の中で出てくるとは思います。その観点でいけば、医療関係団体とかあるいは実際にヒアリングをしたり。
【交】この問題に取り組んでいる労働組合があって、ずっとこの問題を出していましたね。
【厚】労働組合としてはおっしゃってますね。確かにそういう問題もあるのかもしれません。ただ、実際の事故を起こしている特定機能病院というのは看護婦さんの数というのは、今、一般病院の倍近くいるのですよ。で、なおかつ事故を起こしていると。それは人を単に増やせばいいのかという問題もありますよね。そういうことについても検討しないといけなんじゃないかと思っています。
【交】委員の中に被害者とか市民の代表を入れるということは考えていますか?
【厚】委員の中にそういう人が入っているかどうかは、ちょっと私は存じ上げてません。
【交】幅広い人選とおっしゃった。だからこそ被害者も委員の中に入れられないだろうかと我々は申し上げている。具体的にこういう意見があったということを委員の選出をされている担当の所にお話をいただけないかということです。
【厚】陳情のあったということについてはもちろん紹介しますので。ただそれが実現するかというのは別の問題でございます。

国立大学医学部付属病院長会議作業部会報告をどう読むか

【厚】この報告書を読ませていただいて、“第三者の視点導入”とイコールの表現は作業部会の報告書に見つかりませんで、私が想像するには、これは国立大学医学部の付属病院相互チェック安全管理に関する体制について書かれていることなのかなと考えたのですけれど。
【交】実際本文を読んでないので、報道で知った以上のことはわからない。
【厚】そうですか。
【交】「第三者の視点導入」という文言が出ているわけではないのですね?
【厚】出てないのですよ。国立大学医学部付属病院の報告書の中には「ブロック内の病院間で安全管理体制についてどのような取り組みをしているか、相互にチェックしよう」ということを書いておりまして、オンブズマンみたいな話とはちょっと異なる話なんですよ。
【交】第三者と言っても、他の大学の眼ということなんですね。
【厚】はい。報告書を私から直接お渡しできないのですけれど。この作業部会というのが、うろ覚えですが東大病院に事務局があったように記憶しているので、問い合わせて入手されて見られた方が議論が進むかなと思っております。

国立大学病院と国立病院のカルテ開示に関する整合性は?

【厚】割り振りの時に、私、担当と言われなかったのですね。恐縮です。
【交】大学病院長会議のまとめたものというのは重要だという認識はありますか?
【厚】質問書を見てないもので。持ち帰り、検討でよろしいですか?申し訳ないですが。
【交】じゃ、次回また質問書に入れますので。