レセプト開示請求の事実を医療機関に知らせるシステムを中止せよ
【厚】前回、守秘義務関係で申し上げたのは、情報公開法の四十四条の話で情報公開審査会の委員の方がもし秘密漏洩をした場合は、守秘義務違反になりますよ、ということと、国家公務員の百条の守秘義務についてとですが、「レセプト開示請求がされたことを医療機関に知らせることは守秘義務の違反にならない、という矛盾した答弁をしている。」とおっしゃっているんですが、特にレセプトの開示自体が情報公開法によって行っているものではありませんので、矛盾した、ということにはあたらない、というふうに考えておりますが。
【交】例えば、社会保険庁は社会保険事務局を通じてレセプト開示請求の手続きをさせていますよね。
【厚】はい。
【交】その中で、レセプト開示請求を誰かがしたときに、誰々がされましたよ、ということを第三者である医者に伝える、ということをしなさい、としていますね。
【厚】はい。
【交】それが嫌だ、と言ってるわけですよ。ある自治体では、審査会が町に対して、そういうことをしていることがおかしい、という答申が実際にもうすぐ出されるところもあります。例えば、情報公開法で受付をした人が、第三者に伝えても良い、ということにはなっていないでしょ。
【厚】はい。情報公開法では、必要がないから知らせない、ということがありますよね。
【交】そもそもレセプトを開示するか否かを医者に聞く必要はない、と僕らは言っているのに、それを国が勝手に、聞く必要がある、と言ってるわけですよ。プライバシーの問題から考えて、おかしいんじゃないか、という声が法律の専門家の間にも出てきていると言うことですよ。それで、国の見解はどうですか、と聞いているわけですよ。
【厚】情報公開というのは、行政なり各機関が持つ情報を広く国民に公開をするということを前提に考えることですから、その中で、個人情報とかを守らなければいけない、というのはおっしゃる通りです。個人情報保護という観点から言えば、どのような場合にあっても、守らなければいけない、第三者に知らせてはいけない、ということです。レセプト開示につきましては、基本的に個人情報保護という観点から、原則本人のみに開示する、ということで、そのときに医療機関をどう考えるか、という中で、色々考え方があると思いますが、一つにはレセプトを作成した当事者であります。レセプトというのは医療機関からの請求書ですので、我々はレセプト開示をするにあたっては、当然、当事者である医療機関も含めた全体のコンセンサス、信頼関係の上でやる、ということを前提にしておりますので、医療機関に開示した旨を伝える、ということにしております。
【交】一年ほど前に朝日新聞がくらし面で二、三回にわたり、レセプト開示に本当に医者の確認が必要なのか、と問いかけたのをきっかけに、実際にある自治体では、現実に、守秘義務違反ではないか、という意見が出てきているわけですよ。それは個人情報の中身のプライバシーではなくて、誰がどんな開示請求をしたか、誰がどんな公開請求をしたか、というその部分のプライバシーの問題のことを言ってるんですよ。情報公開と個人情報保護は違うとおっしゃるかも知れませんが、その点で、法律家は区別していない。個人情報保護条例が先にやりましたよね、それで、国は追随したんですが、個人上保護条例と情報公開条例を両方持っている自治体は、その両方の審査をする審査会はたいがい共通です。そういう審査会の一つが、誰がどのレセプトを開示請求した、ということを、公務員ではない第三者の医者に伝えることを、国民は知られたくないと言っているのに、公務員が知らせるようなシステムになっている、このシステムには問題がある、と言っている。そういう主旨でお聞きしているんですが。
【厚】情報公開条例という自治体の中での立法的な措置の中でかなり先行的に取り組まれてきて、レセプト開示については、自治体でやる場合では、情報公開条例等審査会の中での個別判断とか、そういったものもかなり運用の中では大きな意味を持ちますので、私どももいくつかの自治体にこの問題について色々聞いてみたんです。レセプトの開示という場合にですね、生存者本人に対して開示するという場合と違いまして、遺族への開示は色々難しい問題をはらむ、ということなんですね。当時の我々の整理としましては、遺族への開示というのは、色々法的な意味から問題がある、難しい、という部分があるわけですが、ただ一方で社会通念上ある程度認められるのではないかと、我々もそういう見解を示しましたし、自治体の方も条例上は原則遺族というのは開示対象に入っていないわけですが、社会通念上、色々な事情を考案して個別具体的に施行しているという実情があるようです。おっしゃるご指摘というのはその中で、もっときちっとした形で、遺族への開示について定着させる、ということを求めておられるのではないか、と我々は思っております。
【交】それとは別の話で、今僕らが求めているのは、一番国民が嫌がっている医者への確認の話なんですよ。それを本当にやめて欲しい。
【厚】ご要望はよくわかりました。我々が今一番おそれているのは、我々が今打ち出してきた部分よりも、後退するようなことがあってはならない、というふうに考えていまして、プライバシーについては慎重に検討したいと言うことです。
【交】次回の交渉までに、そういう自治体が出てきたとしたら、厚生省としてはべつにそれはそれでよいと、法的に間違っているなんていうのではなく、新たな国民のニーズを理解したようなコメントをしていただけたら、と思います。
【厚】はい。そういうことも参考にしたい、と考えております。
レセプト返戻請求分はコピーを取らなくても良いのか?
【厚】形式的には、最終確定したレセプトについて公開していただければよいのでは、と思うのですが、レセプト自体が医療機関が作った文書であるということで、その文書をそれを訂正させて欲しいといったときに行政がだめだ、と言ったり、証拠保全みたいなことをする必要があるのか、あるいは、現行のレセプトの開示の仕組みの中でコピーまでして、それも開示しなさいよ、とそこまで踏み込んでいけるのか、となかなか難しい問題がありまして、現状申し上げられることとすれば、最終、確定したレセプトについて公開させていただいていると、ご理解いただければいいんじゃないか、と考えているんですが。
【交】普通は、訂正請求するときは調停行為のために、必ずコピーをとっておかなければいけないので、必ず存在しているはずですよね。とるのは当たり前なんですよ。
【厚】その辺は何とも・・・
【交】なぜ、確認しているかというと、小平市というところで、レセプトの開示請求をしたら、した後に書き換えて、結局、抜き取りなどがある大事件が起こった。しかし、厚生省はそれでいいじゃないかと言ったわけですよ。「書き直したのなら、書き直した後が正しいレセプトだ」と。しかも、当時、小平市の市役所はコピーもとっていないから、元のレセプトは存在しない、と言ったんですよ。ところがだんだんと問題になってきて、新聞で報道されると、実はコピーをとっていました、と言って最終的には出してきたりしたわけですよ。この間、厚生省は、ずっと「それでいいじゃないか」と言い続けたんですよ。そんなのがありだったら、全ての司法的な部分が崩壊するでしょう。
【厚】そうでしょうね。
【交】コピーもとらず前のを書き直して、新しいものだけ出したらよい、と言ってるんですよ。本当ですかそれ。
【厚】レセプトの本来の性質をかんがみた場合、それはいいであろう、と言ったわけで、改ざんをしたり破棄したり、そういうことに対して言ってるわけではなくて、改ざん等々については、監査や個別指導という、別の枠組みを持っているわけですよね。
【交】あなた達は、レセプトを管理している保険者に指導する立場だから、それでいいんですか、と聞いているわけですよ。厚生省がいい、と言ったら、レセプトを開示請求されてから、全部書き直ししたらいいや、と日本中の医者は思ってしまいますよ。
【厚】・・・
【交】あなたたちが従来言ってきていることを訂正して欲しいですよ。
【厚】結局ですね、正しい情報を、時期の如何を問わず、訂正依頼があればそれに応じるということで。
【交】僕たちは、訂正依頼に応じるな、と言ってる訳じゃないですよ。
【厚】コピーをとるのは、請求前の文書も開示対象にするべきだ、ということですか。
【交】請求時点のものです。請求時点のものが見たいから、請求しているんですよ。そういうことを指導すべきじゃないか、と言ってるんですよ。
【厚】そういう指導はできない、と思います。
【交】僕らは、開示請求があった時点のものをコピーをとっておけ、と言ってるわけですよ。
【厚】・・・
【交】コピーも開示対象にしなければいけないんですよ。
【厚】そういうことですよね。
【交】開示請求するということは、今ある現物に対して開示請求しているわけです。差し替えられたものは開示請求の対象とは違うものになるわけです。
【厚】私は、そうは考えないんです。
【交】普通の国民の立場からするとそうですよね。
【厚】個人情報保護という前提の中で、本人に開示する、というのは、基本的に本人が自分の正しい情報を見ることができる。見た結果、それが間違っておれば、訂正権もあって、という観点でいきますので、作成者である医療機関が、間違っていました、という場合に、開示するのは直した後のものを見せるのが前提ではないか、と申し上げているわけです。
【交】開示請求というのは、請求者が何をほしがっているか、ということに対応するべきでしょ。
【厚】それは違いますね。
【交】あなた達は情報公開法に関しても同じような感覚で仕事するに違いないから言ってるんですよ。
【厚】おっしゃる通りです。結局、直されたものをお見せする、という前提は変わらない、と思います。
【交】本当にいいの、それで。
【厚】それは、私はいいと思います。
【交】例えば、国立病院が、裁判所から証拠保全に入られたとしますね。その間に時間があるから、カルテを見ていて間違っているところがあるから、と書き直す、ということが当然あって良い、ということですか。
【厚】証拠保全のことは、ちょっとわかりません。そういうのはこれとは違うと思います。
【交】考え方が、どうも平行線のような感じがしますね。
【厚】結局、レセプト開示ということで、医療機関のことを保険者の手続きの中で全て明らかにしていくということはなかなか難しいのではないか、と。あくまでも、今現在、決定時点で最新のものをお見せする、と。その中で、色々と医療機関がとりうるアクションとして、問題があるんじゃないか、とご指摘がある分について、今、問題がない、とは私も申し上げてなくて、そういうふうな動きということに対してもう少し、取り組むべきではないか、ということについてはおっしゃる通りだと思います。
【交】ただ、考え方が、やっぱり今のように違いますよね。最終的な請求書自体が正しいものなんだからそれを出せばいいんだ、とおっしゃいますが、開示請求者はあくまでもそのときの、自分がどうもこれはおかしいな、と思った、一番最初に出されたレセプトが見たい、ということと違ってしまっているでしょう。
【厚】開示をするという中での一種の制約ですよね、開示する側は訂正があった場合、訂正に応じる、ということで。
【交】おかしいのは、請求する側は新しいものを求めているのではない、ということですね。もう時間がないから、結論だけ確認しますね。開示請求後、または公開請求後の訂正はありですね。
【厚】はい。
【交】あなたの名前と役職は。
【厚】野崎と言いますが。役職は事務員です。
【交】これは、厚生省の責任を持った考え方ですね。
【厚】そうです。これまでの見解です。
【交】情報公開法も一緒ですね。
【厚】情報公開法は違いますよ。
【交】情報公開法だったらどうするんですか。
【厚】個人情報については、最新のものをお出しします。個人情報保護の観点から、本人に最新の正しい情報をお伝えする。情報公開というのは、持っている行政文書をそのままお見せするのが前提ですので、訂正を認めるものではない、と思っております。
【交】情報公開法で、請求後間違いがわかったらどうするんですか。
【厚】あるものをそのまま出すと言うことです。基本的には。
【交】個人情報保護法だったら。
【厚】個人にとって正しい情報を最新のものをお見せします。
【交】請求後の訂正があると言うことですね。
【厚】ありうる、ということです。
レセプトの電子化はどうなるのか。
【厚】総合規制改革会議の報告の中で、年度中に、レセプトの電子化を進めるように取り組め、と言われているところでございまして、厚労省としましても、審査支払基金の効率化のために、レセプトの電算化を進めていく、と考えておりまして、そのために、障害となっているのが、医療機関で使っている、傷病名コードと、審査支払基金で使っている傷病名コードが位置なんかがずれておりまして、病院が使いづらいんじゃないかという話がございましたので、傷病名の見直しの検討会を立ち上げまして、検討をしておるところです。その他、レセプト電算化処理システムに対する不安感が医療機関側にございますので、大病院で導入したときに、どれくらい費用がかかって、などわかりやすく示せるようなデータづくりをしておりまして、レセプト電算化処理システムに参加してもらうように、周知していく予定でございます。
二〇五円ルールの廃止問題は?
【厚】薬剤の二〇五円ルールというのは、事務の簡素化、ということから導入されたわけですが、審査支払い事務の透明化をはかるということで、検討しなければいけないのですが、従来よりもレセプトの電子化等が進んでいますので、そのような点もふまえて、ご要望は十分にわかっておる、ということです。
支払い基金の見直しについて
【厚】保険者機能の強化、という視点から、レセプトの審査を基金に委託せず、保険者でもできるようにしてくれ、という話が経済界やいろんな場所から言われておりまして、厚労省の基本的なスタンスとしては、やはり支払基金で一元的にやる方が、二〇万の医療機関と一万数千の保険者を結んでいるわけですから、一番効率的ではないか、と考えてはおります。しかしながら、企業城下町のようなところでは、医療機関と保険者側の間で、直接審査支払いをやることを検討してもいいんじゃないか、ただその場合には、個人情報保護の観点、適正な審査がやれるか、等の視点からのチェックが必要だと思います。そういったことに注意しながら、保険者が一次審査をできるような状況を検討してまいりたい。
【交】支払基金をなくしてしまう、という話はないんですか。
【厚】厚労省としては、効率的な観点から支払基金をなくす、ということはどうか、ただ、完全な独占を続けるべきかどうか、というところは検討に値する、ということです。
【交】支払基金の収入源はレセプト一枚あたりに一〇〇円取っている、ということですね。
【厚】一一八円二〇銭ですね。
【交】それで運営している。
【厚】皆さんは保険者で審査するべきだ、というお考えなんですか。
【交】そもそも、保険者機能の強化というのは、保険者と支払基金の関係がどうか、というよりも先に、保険者が医療機関の方を向いているか、患者側の方を向いて仕事ができるようになるのかということで、保険者機能の強化というのは、被保険者の意見を被保険者の代理として医療機関に言えるということですね。今の保険者というのは、被保険者が架空請求があったと裁判して勝っても、保険者に対して、「架空請求の裁判に勝ってお金を返してもらった、あなた達も払いすぎているから裁判して返してもらえ」と言ったら、医療機関との信頼関係があるから、それはできません、とやらないんですよ。
【厚】再審査請求はしていると思いますが。
【交】削るということはどこでもしているからするんですよ。でも、架空請求のチェックを保険者は今までにしたことがないですよ。
労災レセプト開示の通達の内容を明らかにせよ!
【厚】レセプト開示の通達は出されていない、という状況でございます。現在、最後の詰めをやっている段階でございます。
【交】なんでそんなに時間がかかるんですか。
【厚】レセプト開示に限った通達を今回作ろうとしているわけですけど、以前に文書開示の通達に関しては既に出ておりまして、特に、これが出なくても開示できることはできるわけですが。
【交】厚生省は、文部省の共済、労働省の労災に対して、「私たちは開示する方向で行きますからあなた達もいかがですか」と伝えています、と当時は言ってましたから、労働省にも確認しているわけですよ。文部省の共済組合も開示マニュアルを出していますよね。でも、労働省は結局やらなかったですよね。なぜなんですか。
【厚】その当時のことはちょっと・・・
【交】いつ頃までに出そうとしているんですか。
【厚】時期を特定するのは難しいんですが、なるべく早めに。
【交】これだけ出すのが遅れるというのは、内容をオリジナルに考えているんですか。
【厚】いや、オリジナルではなく、ベースは、健康保険さんの方のそれを当然ベースに考えております。
【交】少なくとも、年内には出そうですか。
【厚】個人的には、早くやってしまいたい、というのがあるんですが。
一万円以上の過払い通知の実態は?
【厚】健康保険組合分につきましては、当課では把握をしておりません。社会保険庁の方は、件数の方は把握しておりまして、十二年度の数字で申し上げますと、支払基金の減額査定件数が約三一〇万件、保険者の再審査請求で約九六万件、合計で約四一〇万件程度、ということで、この内、一万円以上の減額査定の件数というのが、一万八六六九件で、この一万円以上の分については通知をしている。ただし、事業所が無くなっていたり、住所が変わっていたりして戻ってくることもあるようです。国民健康保険ですけれども、通知している件数のみわかっています。一万一五一四件です。これは十一年度の数字です。査定件数とかは、金額ではわかるんですが、レセプト件数ではちょっとわからない。
【交】国保では一万円以上の減額があったよと言って査定通知したのが一万一五一四件ですか。
【厚】そうですね。正確に言うと、いくら以上なのかはわからなくて、減額をしたことを通知した件数、という取り方になります。ですから、概ね1万円以上ではないか、と理解しているんですけれども。
【交】これ、国保だったら、保険者毎の統計はないんですか。
【厚】実施しているかしていないか、ということですね。
【交】全国で国保は何個あるんでしたっけ。
【厚】三千五百弱でしたっけ。
【交】国保の中でやっている保険者の%はどれくらいなのかな。
【厚】以前に調べたときには、五割程度だったな、と記憶しております。
【交】国保に関しては、ちょっと少ないなあ、という感じがしますね。一万円以上の過払いがあったら通知されることになっている、と書いてある本もあるんですよ。厚生省が指導しているということになっていますからね。
【厚】正確には、指導というか、保険者のサイドで一万円以上ということを決めたんですよね。額に関しては、保険者さんが決められましたが、そもそも減額査定通知をやることについては、事務量を勘案しながら額の多いケースなどについては、やってくれということで、お願いしているわけですので、その主旨を更に徹底する、ということはできますよね。一万円以上という数字は保険者連絡協議会か何かで保険者間で合意して、社会保険庁は当初入ってなかったんですが、後追いでやったんです。
【交】国保をもう一回調査していただけますか。
【厚】実施市町村、実施していない市町村ですか。
【交】そして、公表していただきたい。
【厚】まあ、ちょっと、すぐには難しいかも知れませんが。
監査による自己負担の過払い分への返還通知の実態は?
【厚】監査かどうか、というところではちょっとわからない、組合は数字自体がとれていない、ということがありますけれど、社会保険庁と国保も何件通知しているか、というのはわかりますが、減額査定を行ったものと、監査・個別指導によって査定されたものか、という内訳までは、数字としてはちょっとわからない、というのがお答えになります。
【交】監査の場合は、一万円以下でもやることになっているでしょ。
【厚】わからない、ということなんですよ。国保なんかは。要するに、監査によって結果を通知しているのか、連合会とかで査定した結果を通知しているのか、その内訳がわからない。
【交】さっきの数字の中に、監査でやったものが入っているかも知れないし、入っていないかも知れない、ということですか。
【厚】そうですね。わからないんですよ。
【交】個別指導の場合は、通知をきちっとして、返させるようなシステムを持っていない。監査の場合だけは、根拠がはっきりしていて、返させるということがされているわけですから、そうすると、「なんだかわからない」とおっしゃるのは不適切ですよね。
【厚】今まで、とっていない、ということで・・・
【交】だから、とってくださいよ。
【厚】何を知りたいのか、ということはわかります。それがあればもちろんお出しするわけですけど、そういう観点で通常今まで求めていなかったので・・・
【交】これからとってくださいよ。
【厚】それは、保険者でどういう仕分けをしているのか、要するに減額をしたことを伝えるとすると、何によるかという理由までが最初から組み込まれていれば、統計としてそれは出ますから簡単なんですけど、必ずしもそれはないと思いますので。
【交】今後どうするつもりですかね。こういう状況で。
【厚】これまで私ども申し上げたのは、個別指導の場合、監査と違ってなぜ、通知を出すということについて、言えないのか、という話で来ているわけですが、事務量を理由にお答えしていたわけですよね。実際どうなのか、ということも、我々としても確認する必要があった、ということで、実は色々と聞きました。個別指導の場合、医療機関に入って色々調べると、結構出てくる、何が出てくるかというと、何百円くらいの金額のミス、要するに、全患者さんに数百円くらいの診療報酬をちょっと多めに全部にかけていた、とかいうミスが頻繁にあるようです。その場合に、市町村毎に考えると、その市町村で何百件という件数が出てきて、それを患者負担と保険者負担で、二割、八割とかになると、何十円くらいの金額が出てくる、それを事務量とコスト的な部分で、どう考えるか。結論は出していませんけど、そういうことについては事情は把握しました。
【交】本当は一万円以下でも払わなければいけないのに、普通の減額査定も一万円以上から始めているんだから、これだって、一万円以上からやってもいいじゃないですか。
【厚】結局、一万円以上ということについては、千葉県なんかは、きちんとそれはやっているわけで、この話は、一万円以下の場合どうするか、という話で出てきたんですよね。
【交】医療機関にお金を支払わせるようなことは考えることはできないんですか。かかった郵送料を請求して負担させる、ということにしないと、国民からすれば、なんでそんなことで国民のお金を使うのか、と腹が立ちますよ。
【厚】今のところ、そういうシステムはない、ということですね。返還する義務はあると思いますけれども、そこをどうするか。
【交】個別指導も監査と同じようにしていく方向で考えていただけている、ということですね。
【厚】できるかどうかを考えると言うことです。ですから、事務量的に難しいというのは変わっていないんですが、それを確認できた、ということです。
個別指導で自己負担の過払いが生じた場合、それを知る方法は?
【厚】個別指導については、減額査定の場合の対応と同様の問題がありまして、個別指導の件数はかなり多いですから、そのたびに全ての保険者に情報を流して、その保険者から患者に対して情報を流していくということになると、かなり、と思いますので、国として、患者に対してこういう場合に過払いが生じているから、ということを情報提供しなさい、ということは、今のところ考えていない、ということです。
【交】これは市民団体に、すごく問い合わせが増えているんですよ。昨日、もらったファックスもそうですよ。神戸の社会保険事務局が、加藤歯科医院というところに個別指導が入って、そこの患者から来てるんです。
【厚】・・・
【交】個別指導でも、患者の自己負担分が一万円以上過払いしているということがわかったときには、減額査定と同じ扱いになる、ということになると言うことはないんですか。
【厚】ないです。
【交】それはおかしいじゃないですか。個別指導の場合でも患者の方が一万円以上過払いをしているということがわかったようなケースでは、通知しなければいけない、ということになっていないのはおかしいでしょう。
【厚】・・・
【交】保険者には返すんでしょ。
【厚】ええ。
【交】それならば、減額査定の場合と同じように、最低通知する、ということにはならないんですか。
【厚】監査とか個別指導が契機になった場合には、一万円以上の場合には必ず患者に通知しなければいけない、とはなっていないです。
【交】減額査定で一万円以上の過払い通知をしているような保険者でも、個別指導で一万円以上の過払いがわかった場合は通知はしていない、ということですね。
【厚】そこはわからないですねえ。
【交】それはちょっと調べてくださいよ。
【厚】今のお話しは、監査の場合は必ず通知する、ということと同じように。
【交】本来なら、それと同じようにしてくれ、と言ってきたけど、数が多いからできない、とあなた達が言ったでしょ。でもね、せめて、減額査定のレベルではできるんじゃないですか、と聞いているわけですよ。次回までには実態調査、そして、その間、減額査定のレベルまで通知を出させる、という検討をして欲しいんだよ。
【厚】調査というのは、すぐにというのは・・・
【交】次回の交渉までにやって下さいよ。何ヶ月かあるんだから。あなたはどちらのどなたでしたっけ。
【厚】医療課の野上と言います。
【交】昨日届いたファックスの件なんですが、吉田さんという人が、歯科医院が架空請求しているという証拠を持って、兵庫県社会保険事務局に言って、そこから来た返事ですが、「吉田さんらからのご指摘を受けて個別指導に入った」と、「カルテが乱筆で判読困難なものがあったことが原因だと思われるけれども、確かにいくつもの過誤請求があった。だけど、医者は今大変反省している。今後とも経過を観察しながら、適切な指導を行おうと思っております。最後に、このたびの報告が大変遅れましたことをお詫び申し上げます。以上、用件のみにて失礼します。」と書いてあるだけなんですよ。本人は架空請求でお金を取られているわけですよ。五〇万くらいって言ってた。どうしたらわかるんですか。
【厚】私、医療指導監査室の原と言いますが、患者さんからのご照会とか問い合わせとかがあれば、社会保険事務局においてレセプトの内容とか患者さんが実際に診療を受けた範囲で一般的な聞ける範囲で確認して、あとは、実際に診療の請求内容に疑問があれば、実際に指導、という形で入っていきますので、ですからあくまで患者さんに対して、とりすぎということがあれば、当然、個別に照会があった患者さんに対しては、医療機関サイドの方で事実確認をとってお知らせして、自己負担分ということに関しては、これは医療機関側から返還してもらう、と。
【交】そういうシステムになっているんですね。
【厚】ご照会していただいた方については。
【交】この方は、待っていても通知が来ないから、まず、兵庫県の社会保険事務局に出向いていかないとだめだということですね。
【厚】今回照会の個別の内容については、私の方もこれから今日、兵庫県の方に、照会しまして、どういうことになっているか、ということで。
【交】僕が今聞いているのは、個別指導に入ったことで、吉田さんの診療の分についても減額されたとして、何らかの自己負担分で返してもらえる部分があるはずだ、というときに、この額を知るシステムがありますか、と聞いているんですよ。通知が来るようにはなっていますか。
【厚】なっていません。
【交】一万円以上だったら、通知しているところはありますか?
【厚】わかりません。
【交】吉田さんが社会保険事務局に出向いて、窓口で、こんな通知が来ていますが、私の自己負担額の払いすぎはいくらになるのか教えてください、と言う、そうしたら教えてくれるシステムになっていますか?
【厚】個別指導に入った直後では、社会保険事務局でも、患者さん毎の過払い分が整理できてないかも知れないです。
【交】この人にはこういう手紙が来ているんだから、もうはっきりしているでしょう。この人が返してもらうにはどうしたらよいのか、ルールだけ教えてくれればいい。
【厚】照会があって個別指導した結果の事項というのが社会保険事務局で整理していますので、患者毎に過払いがあるかどうか、それは、患者毎の整理に時間はかかりますが、その整理ができた時点では、患者さんに過払いがある場合は、お答えすることができる。
【交】それは、お答えすることができるのであって、個別に社会保険事務局が患者に対する通知をするわけではないんですね。
【厚】そこまでのシステムはまだできていません。
【交】確認しますが、個人が聞きに行ったら教えてくれるんですか。
【厚】・・・
【交】整理がついた後に行ったら、窓口で教えてくれるんですね。
【厚】わかりません。
【交】じゃあ、今日中に調べて、後で教えに来てね。
【厚】はい。夕方までに。
死亡から六〇日を越えたケースでも遺族にカルテを開示せよ。
【厚】循環器病センターの遺族からの開示請求が六〇日以上経ったものでも開示せよ、というお話しでございますが、そもそも六〇日という数字をガイドラインで発表していまして、ガイドラインに基づきまして、各国立病院の個別の事情によりまして、診療録等開示委員会の意見に基づきまして、具体的に勘案する、ということで、申請期間を延長することも可能である、という主旨のものを、本年三月に各国立病院などに対して周知をはかったところであります。
【交】最初のガイドラインは六〇日までじゃないと開示できないよ、という主旨の通知になっていたけれども、今年の三月に出した通知では、六〇日を超えても、各医療機関の判断で開示してもいいよ、という主旨の通知になっている、ということですか。
【厚】はい、そうです。
【交】じゃあ、その通知を下さい。この国循のケースはご存じですか?
【厚】このガイドラインはあくまでも、六〇日だからだめ、という主旨ではなくて、委員会に基づいて勘案してください。ということです。
【交】これは記者会見かなんかしましたか?
【厚】いえ、これは事務連絡ですから。
【交】みんな、六〇日だと思っていますよ。
【厚】通知を受けた国立病院等はそれを把握しているはずです。
今後のカルテ開示法制化は?
【厚】これは前回もこちらからご説明させていただいたかと思いますけれども、診療記録の開示ですとか、提供に関する研修に対する補助制度、を設けておりまして、これは粛々と進めているところでございます。もう一つは、今年の3月に行われました医療法の改正によりまして、カルテを開示しています、ということが広告できるようになりましたので、これの周知を進めている、というところであります。今後の取り組み方なんですが、平成十四年の七月が医療審議会の中間報告から三年ということですが、定着の状況を見て考えていく、ということになるかと思います。
遺族へのカルテ開示は国立大学病院と国立病院で統一されないのか?
【厚】確認したいんですが、これは内容を統一するかしないか、というような主旨でしょうか。
【交】国立病院はガイドラインに六〇日と書いていますよね、国立大学医学部付属病院では、六〇日とは書いていなくて、原則遺族にも開示、ということですよね。国立病院だけなぜ日数にこだわるのかということです。
【厚】今、自主的な取り組みで進められていると言うことですから、こちらとしては強制して揃えるつもりはありませんけど、こうした自主的な取り組みがどんどん進んでいく、というのは非常に望ましい、ということで考えております。