脳死臓器移植問題

 

脳死臓器移植十二例目の寺岡慧氏の関わりの事実関係は?

【厚】十二例目の臓器移植について、斡旋に関与した方が自ら移植術に関わっていたのではないかと。そのことについて厚生労働省が把握していることについて明らかにされたいと。平成13年1月に行われました事例、医学的コンサルタントに携わっていた寺岡さんが途中でその医学的コンサルティングは大阪大学の方に交代されて、その後女子医大で行われた膵腎の同時移植に関与されたと聞いている。公平公正に行われたかが関心事だが、国民の信頼を得て移植医療を進める観点から疑念を招きかねない行為であると認識している。今後10例目と15例目を検証している検証会議のほうでこの問題についても取り上げることとしている。寺岡医師がレシピエント決定に関与できる立場になかったということは確認している。いずれにしても事実関係も含めて検証会議で取り上げた上で関係者の確認を経てから公表したい。
寺岡氏はどの立場であったかと言うことですが臓器移植ネットワークの医療専門職の立場であった。医学的な部分での対応で斡旋に直接関わる立場ではない。ネットワークの常任理事は確かに常任としての責任はあるが斡旋に関わるものではない。斡旋の責任者はネットワークの副理事長、野本亀久雄氏。
また、移植手術についての記録は提出していただく必要はないので求めていない。
さらに、要請ということではないが十例までの検証を終えた時点で検証のやり方を見直すことにした。十一例目以降、医学的資料については検証フォーマットを新たに作ってそれに書いていただく。先日15例目を終えた。ですからあと十一〜十四と十六から現在十九例目まで。順次検証会議を開催することにしている、検証会議に向けた作業としてこの部分についても取り上げていただこうと考えている。
【交】寺岡さんはレシピエント決定に関与されていないと、しかし理事をやっているからには責任があるのではないか。
【厚】レシピエント決定と言うのは患者さんの名前や情報がコンピューターに入っていて選択基準に従って打ち出される。
【交】十二例目のレシピエント決定のプロセスが、どういうプロセスで決定されたかが公表されるんですね。
【厚】コンピューターに入っている名前がそのときの順位で出てくる。今回の問題については疑念を招きかねないことであったと、それの公表の仕方については、検証会議で事実関係を確認して頂いて疑念を払拭できるような公表を目指したいが、ここでこうするとはまだいえない。検証会議の検証を経てからの公表と考えている。
【交】十二例目は通常の公表とは違ったものと言う認識か。
【厚】そうだ。寺岡さんはレシピエントが決定してから交代したわけではない。これについては確認しております。
【交】それはこれからレシピエントが決まるよと言う段階で交代したということか。
【厚】まだ未確認の段階。
【交】未確認なのになんで交代?
【厚】可能性があるからです。
【交】最終的な決定のとき関与するのは誰か
【厚】コンピューターを操作する職員と本部ずめのコーディネーター。
【交】医療専門職というのは医療的な部門を請け負っていると?医療的部門の専門的判断とは何のことか。
【厚】レシピエントとして候補に上っている方の医学的部分について対応が可能かどうかのと判断をされると聞いている。また、専門的部分については、コーディネーターが斡旋の立場にあり、コーディネーターが判断しきれない部分、現場のお医者さんが判断しきれない部分について伺おうということはあると思います。
【交】ネットワークに連絡すると自動的に寺岡さんが対応することになると。
【厚】連絡を受けて本部なり、大学なりで確認されると言うこと。
【交】出勤の実態はわかるのか。
【厚】常勤ではない
【交】本人がボランティアと言っているのはどういうこと?
【厚】確認してみないと分からないが、お金をもらっていないという意味なのではないか。
【交】勤務としてそこに詰めることはほとんどないと理解して良いのですか。
【厚】臓器提供事例が発生した時に医学的部分についてということですので。
【交】当日はどこにいたのか
【厚】十二例目の日はネットワークの、斡旋をやっている階ではない別の階にいたと聞いています。
【交】本部にいた。急に執刀医になっちゃう。説明してよ。本人なんていってるの。
【厚】どこまで言って良いか。検証の場で。
【交】本人はどう弁明してるの。
【厚】最初のほうの事例ではコーディネーターが出て行くことが多かった。そうすると本部に残っているコーディネーターがこなれていないと言うことで主に寺岡先生が実務的なことをやっていたことが多かった。近頃はコーディネーター も育ってきたので寺岡先生が別の階にいて一人残って一人でてという体制になっている。このときは寺岡先生が一定の情報を得てこれは可能性があると判断された。しかし、そこからまったくタッチしてない。レシピエントの決定はコンピューターで出てきたもの、寺岡先生の担当されている患者さんに当った。
【交】その日は何故ネットワークの本部にいたのですか。
【厚】呼ばれたからです。
【交】ドナーが出そうだと呼ばれたのか、それとも医療的なことで偶然呼ばれたのか。
【厚】ドナーが出そうだからです。
【交】ますます怪しい。この十二例目は闇の中、意図的に自分の患者に移植したように思える。
【厚】事実関係の確認をさせていただきました。検証会議に掛けてから公表しようと思っています。
【交】検証会議を待たなければ出てこないの。
【厚】寺岡先生のお話では、公平かつ適正な斡旋が行われたことについては法に照らせば問題はないだろうと。しかし疑念を抱かせるものだったので個別事例の斡旋についてという検証を経て公表しようと、しかし医学的コンサルティングは斡旋に当って必要であるから今も続けて頂いている。
【交】検証会議で問題ありとなっても法的には問題なしとなるのか。
【厚】そこは検証会議の結果です。
【交】疑念があるまま斡旋に関わり続ける責任は誰が取るのか。
【厚】十五例目(親族に提供した事例)は法的に問題ありと言うのではなくて、例えば意思確認の手続きで民法に照らせばこれでよかったのかと言う意見をまとめていただきましたが、今後もルール作りを急いでいきたいと思います。親族に提供するのは違法とはいえないだろうと、しかしその際の本人の意思確認に当っての手法に今後のルール化でこういうところは問題になるのではないかという法的な問題点をご指摘いただいた。
【交】法的なといわれてそんな軽い話なのか。
【厚】検証して頂いて今後のルール作りに生かしていきたい。
【交】逆にいうと十二例目で検証会議で法的に問題があったとされてもこのことは重きはおかないということか。
【厚】そこは検証の結果が出た時、審議会で審議いただくということになる。
【交】こういう疑念を抱かせた事例を厚生省自身がどう総括するかだと思う。移植医がネットワークの医療専門職を兼ねている。そのことをどう総括するか。そういう意味では寺岡さんは辞めるべきだ。そういうルールが作られないと何も総括しないことになる。法的に抵触するかしないかの問題ではなく、不透明な問題と映る。検証会議と関係ない。
【厚】ご指摘は確かにそう。一人の方が二面制を持っているというところに疑念がもたれていると思いますので、ご指摘いただいた点は対応ができる内容かも含めて室内でお話しさせていただく。
【交】手術記録は検証会議に出さなくていいの?
【厚】検証会議で検証する医学的部分とは救命治療と脳死判定です。
【交】記録として残すということになっている。誰かが求めたら出すわけ?
【厚】ご遺族の方が求めたら出しますが、ほかは公にされることはございません。法律上は七条で「レシピエントまたはその家族」の求めで出す事になっています。手術記録自体は医学的検証に用いるものと思っていますが、今回はむしろ斡旋の問題なので手術記録は必要ない。
【交】私は寺岡さんが強引に持ってきたと思っている。そこには何かあったのではないか?手術内容は分けて考えられる話ではない。今回は執刀までやったことに疑念がもたれているんだから、公平性だけの問題じゃない。
【厚】手術記録は移植術そのものですので、斡旋業務の適正さの検証には役立たないと考えています。
交;それは不可分の問題。ドナーとレシピエントのマッチングに寺岡さんが出張ってきた意図があったんでないかと思ってしまう。手術記録もあわせて検証する必要がある。
【厚】手術記録の必要性につきましては事務局の医師担当としての私は必要ないと考えておりますし、今までその議論は出てきていなかったのですが、今の指摘を踏まえて教室内の意思決定はしたいと思います。

平成十二年度の決算報告書が未提出の理由は?

【厚】七月三一日の時点ではネットワークの事業実績報告書は頂いていなかった。正式に報告書をいただいたのは二月八日。現在はそれに基づいて省内で決済をしている。
【交】これは十二年度のものでしょう。去年の三月までのものがさらに遅れてなぜ二月になるの?
【厚】厚生労働省として補助金の交付要綱の提出期限が十三年四月十日になっている。ネットワークから出てきていなかったので早急に出してくださいと口頭で何度も指導した。昨年十一月に実績報告書の原案が出された。不備があったので訂正するように指導、提出されたのが二月だった。
【交】十二年度の報告書が出てないのに何で十三年度の補助金を出せるのか。いつ交付決定が出たのか
【厚】実際の交付決定は13十三年十一月十四日です。
【交】ずいぶん半端な時だね。何でそんな出し方をするの。
【厚】ネットワークに対して単年度の事業をやっていただくのに自己資金だけでは無理があるのでその部分について交付させていただいた。
【交】実績報告書もないのにですか。いくら交付したの。
【厚】十三年度につきましては四億三千万。十二年度は五億三千万。
【交】遅れた理由は何?
【厚】分からない。交付要綱に照らせば締め切りは遅れているという状況です。それはおかしいということで何度も指導した。出されたのは二月八日ということです。
【交】そんなことで金を出すの。公的な金なんだよ。どういう処置ですか。交付金決定通知?
【厚】そうです。確かに基づいていないということはその通りです。必要だからということで。
【交】平成十一年度はどうだったの。
【厚】遅かった。十一年度分の確定時期は十三年七月です。
【交】事業実績報告書は?
【厚】十三年度の六月以降です。要綱では四月十日までとなっている。厚生労働省として反省しなければならないと思っています。
【交】にもかかわらず交付金を何故出すの。決算報告書が出る前じゃないの。
【厚】交付要綱上出してはいけないとはなっていない。
【交】何年もルールにのっとっていないものには、出さない、取り消すべき。
【厚】報告書としては上ってきていなくても、実績については聞いています。
【交】平成9年からの予算額と実績報告書と、それがいつ出たのかと、交付額がいつ決定したのか、を出して。
【厚】年度ごとの交付決定の額と確定の時期とそれが提出された時期ですね。
【交】それと、決算、実績報告書がいつでたかと次の年度の交付金がいつ決まったのかということ。

現在のネットワークを解散し、完全な第三者機関にせよ!

【厚】この部分につきましては昨年の六月二十七日に立ち入り検査をさせていただきまして、七月三十日、八月二十一日に改善勧告書を出させていただいた。一部の理事に偏った法人はしないよう指摘した。早急に第三者機関に移ると考えている。
【交】あなた方の立場で何が問題だと考えているの。
【厚】理事の方で身内の方がいることは事実。調査に基づき改善勧告した。
【交】事実確認してどうだったの?
【厚】役員につきましては親族関係にあるものが二人。一人は代表取締役を勤める会社の顧問弁護士にある方が三名、監査役が一名、社団理事のうち親族の一人が日本馬主協会連合会会長にあったとおり同連合会の審議役が三名、顧問弁護士が二名、常勤顧問が一名という実態です。
【交】立ち入りの結果構成は変更になったのか。
【厚】改善勧告書の結果をそのまま申し上げますが、「役員の構成が定款に抵触するとはいえないところであるが、社団の高い公益性に鑑み、特定の個人や企業の関係にある多数を持って構成する体制は適当でない。今後公益法人設立許可および指導勧告基準の主旨に沿った公正な役員の人選を行うと共に、理事会が法人の意思を決定する場として理事多数の意思が反映される場とする等により公益法人としての公平かつ適正な運営の信頼性が確保されるよう努められたい」
【交】結果どうだった?
【厚】構成は変わっておりません。
【交】何のために勧告したの。
【厚】疑われることがないようにしてくださいと。
【交】お墨付きを与えたということ?
【厚】注意喚起ということ。疑念が抱かれることがないように。
【交】理事会においては注意喚起はされたのか。
【厚】はい。理事会でこういう決定がされたという報告を受けている。
【交】二回の改善勧告は何?
【厚】七月十一日、七月二十七日に社団から報告を受けている。その内容について七月三十日に確定して報告できる状態ではなかったので、保留した。六月二十七日に立ち入り検査をして不明なところがあった。それを報告してくださいと申し上げた。七月三十日の段階で、十一日と二十七日に報告されたものについて厚生労働省として精査していないので保留した。
【交】最初の報告で役員構成について出てこなかったと。
【厚】出てこなかったのではなくて時間がなかったということ。
【交】本当にそうかと確認が取れなかったため?
【厚】それも含めてです。立ち入り検査をして大体一ヶ月くらいで勧告。

第九例目の福岡特洲会病院の脳死判定では、患者の治療放棄が行われている!

【厚】第九例目ですが、最初に病院で臨床的脳死判定が行われた。臨床的脳死が診断され法的脳死判定に入った。第一回目の法的判定の時、臨床的脳死診断に異議が出されたので病院として法的脳死判定を中止した。再度臨床的脳死診断がされたので再度意思確認後法的脳死判定に入った。検証会議の報告書も出ている。
【交】間の期間はどれくらいか。七月三日の午前中に臨床的脳死判断をして六時半に法的脳死判定をしようとしたら脳波と咳反射があっておかしいのではとなった。法的脳死判定を中止し、その前の臨床的脳死診断もおかしいのではとなった。次の脳死診断は七月七日の三時四十分、その間四日ある、しかも毎日咳反射ありというのが出てくる、咳反射もだんだんなくなって七日の脳死判定になる。その三日から七日までの四日間はどうしていたのかということ、三日の脳死判定自体に問題があったのではないかという点と、個々での質問は二つある。
【厚】問題があったということで病院は脳死判定をやめたわけですね、
【交】脳死診断後脳死判定に入る時に咳反射があったこと自体が驚き、
【厚】それで脳死判定を中止しているわけで臨床的脳死診断に問題があったということではないか。法的脳死判定後に咳反射が出たわけではない。
【交】脳死判定を途中で変更せざるを得ない生命兆候を示したということは、意思確認を含めて法に基づいて作業を進めていたことが間違っていたということにならないか。
【厚】意思確認の後に法的脳死判定。その前に救命救急治療を尽くしたといえることが前提。
【交】途中でやめざるを得なかったということは臨床的脳死判定をしっかりきちんとやらないとたびたびこういうことが起きるということを示している。それと脳死判定をするまで救命治療を尽くさなければいけないといったが、七月三日以降、治療内容が変わっている。
【厚】臓器移植のためにそれまで救命治療を行っていた患者さんにその患者さんの状態に関係なく臓器保存術に限られたとしたら救命救急治療として妥当であったという結論は出しようがない、それについての検証結果、救命治療について妥当であったという結論を頂いているわけですから、私どもはこの限りでしかお話できない。
【交】これまでもいろいろな事例を見てきたが、治療が変わるということは何度もあった。この事例では三日までは脱水療法だったのがそれ以降は臓器保存術。第一回目の脳死判定が生命兆候が発生して中止になった事例というのはない。そのことの重大さを認識していないのではないか。
【厚】この事例については脳死判定に入るまでの救命治療についても見ていただいた上で問題はなかったという結論を頂いているので、又ご家族の方に見ていただいたうえで公表させて頂いているのでそれ以上のことは言えない。
【交】検証会議お任せしますだけではなく、重大性を持ってみてもらわないと困る。そういう医療機関にきちんと指導するなり、提供病院としては取り消すなりのことをするくらいの姿勢がほしい。
【厚】冒頭の十二例目も指摘されている点も含め検証いただいて結果をご理解を得て公表できるようこちらとしても努力はしてまいりたい。今ご指摘いただいたことも受け止めさせていただきます。