脳死臓器移植問題

臨床的脳死診断前にネットワークに連絡した事例件数は?

【厚】臨床的脳死診断の前にネットワークに連絡した事例は、9例目も行っている。9、15、16、24、26例目です。27例目はあとの連絡なので、とっていただく。このすべての事例を見てみますと、9例目は家族から意思表示カードが提示されて説明を求められ、連絡がいった。15例目は心臓停止下の腎臓提供を希望し説明を求められたので連絡が行き、その後臨床的脳死診断となった。16例目は意思表示カードの表示があり説明を求められたので、ネットワークに連絡が行った。24例目も同じ。調べた結果は以上のとおりです。3番についてドナーカードについて前々回、質問いただいているが、ドナーカードの様式変更について臓器移植委員会で審議はしているが、決まっていない。これから決めていくことになる。とりあえず進んでいない状況です。
【交】ガイドラインでは臨床的脳死診断終了後となっているのに、なぜ臨床医がカード出されてコーディネーターに連絡するということが行われるのか。
【厚】ガイドラインは何もなかったときに家族に意思表示カードお持ちですかとか臓器提供の意思を何か示しておられましたかと聞く手順になっていますが、これらの事例では家族から提示が先にあって、一般的な臓器移植について心の準備があるので最初に話を聞かせてくださいとのことだったので、連絡が行ったようです。
【交】病院に運ばれたら普通は助かってほしいと家族は思う。先に脳死したときにどうするか話し合いたいとなるんですか。生か死もわからない。そんな重症のときに実際申し出があるんですか。
【厚】経過を見るとそうなっている。臨床的脳死診断では無呼吸テスト以外の検査項目を確認することになっていて、ガイドラインに沿って診断が行われるが、その前に医師が診て脳死に近い状態と説明がされる。
【交】それはおかしい。手順が決められているのに診断もしない前に脳死に近い状態と患者の家族に言うこと自体がどうなのか。まだ分からないことなのに。そんなの認めていたらダメだよ。
【交】どの時点で家族がドナーカードを提示したかわかりますか。
【厚】報告書の中に細かい経過も書いてある。今もっていないが、ホームページに公表している。
【交】助かるか助からないかまだ分からない時点で家族が説明を求めたから連絡したと平然と言っているが、患者の家族が治療もしてもらいたいがコーディネーターとも話をしたいといったら呼ぶわけ?
【厚】家族の意思と、治療の進み方など総合的に医師が判断している。
【交】そういうことを認めてはいけない。そのために手順がある。医師が臨床的脳死診断もしないうちに先走ってドナーカードを出せとか、脳死に近い状態だなどといって家族をそういう気持ちにさせてしまうのは問題。
【交】臨床的脳死診断の前に移植に協力してもらおうと調整に当たるコーディネーターを病院が呼ぶことは、法律に先走った行為。過去の最初の事例ではカードを提示されても今は受け取れませんと返している、9例目からはどんどんそんなことが起きている。しかも9例目というと徳州会ですね。先走ってやったから脳幹反応があるのに判定して途中で取りやめると言うことをしている。脳死判定の対象じゃなかった。コーディネーター呼ぶ暇があったら救命しろ。
【厚】コーディネーターを呼ぶ担当は別の人。
【交】そんなことなんで分かるの。
【厚】いや、そうじゃないかと。
【交】あなたがそこまで言うのだったら、五例について誰が連絡したのか、どういう経路で連絡したのか調べていって下さい。臓器移植検証会議の中では何も問題になっていないのか。そういう立場でものを見るメンバーが検証会議の中にいないということ?
【交】これを見ると、病院体制の確認、医学的情報の収集を、『臓器移植法』に基く臓器の提供ありとして情報収集している。(24例目と26例目)コーディネーターは臓器提供できるかどうかで動いている。
【厚】ガイドラインに書いてあることは守られている。これは医師が言い出したことではないから。
【交】それを担保できるか。
【厚】家族が出して説明を求めたかはわからない。
【交】それをあなたが聞かなくちゃいけない。その時に聞かなくちゃいけない。
【厚】検証会議のとき聞くようにしている。
【交】どのように行われたか厚労省は把握する必要がある。
【厚】脳死移植が行われると、記者会見しますので、
【交】プレス発表する前に厚労省に経緯を伝えよとなっているのですか。
【厚】それはなっていない。
【交】それをオンタイムで行くべき。
【厚】そんな権限はない。最初のころの事例は不慣れだったので、聞かれたので答えた。オンタイムで聞くための期間とか権限とかが法律で与えられているわけではない。
【交】法律上ということではなく、早く確認できると言う流れが作られてないことが信じられない。歯止めが必要だしそれは厚労省しかない。
【厚】常識的に考えられないと言うなら、家族がなぜカードを提示したか経過を調べないといけないし、コーディネーターが何を説明したか調べていない。それを調べないといけないので。
【交】コーディネーターが一次評価までしているが。そういう活動は承認されてないのじゃないか。
移植法に基づけば、脳死が確定してからでないと動けないんじゃないか。
【厚】そこまで詳しいことは書いてない。提供の意思表示があって行われるのであって。6条の3項の脳死判定をせよと書いてあるが、細かい手続きのところまでは書いてない。マニュアルとかガイドラインで示している。
【交】提供を前提としての一次評価は問題にならないのか。
【厚】臨床的脳死診断の前に一次評価をしてはならないとは書いてない。
【交】そんなばかな話はない。一次評価は脳死を前提にしてある。実際の作業の順番があるわけだから、それに沿っていないのじゃないかと。
【交】一次評価したということはデータを出したということ。そんなことはやってもいいんですか。一次評価とは何をやるんですか。血液型とか収集するんでしょう。適応者も調べるのか。
【厚】一次評価はそこまでしない。適応者の検索はしない。ドナーの血液型などは調べる。一次評価は現地のコーディネーターが行う。サインをいただいて、対策本部が出来て適合者の検索を行う。
【交】一次評価をするときは改めて採血したり、ガス分析したりしているが、これは救命センターのデータをもらっているのではないか。臨床的脳死診断をしていない段階の検査データは横流しではないか。
【交】どんな権限で見たのか。
【厚】家族の希望があって、ネットワークの職員か委託の職員は移植法上の秘密の保持がかかってくるので、情報収集をしてもいいかという承諾を家族から事前にもらっている。
【交】あなたたちの解釈はそれをやっていいと。しかし、ガイドラインでは臨床的脳死診断のあとからでしょう。
【厚】ガイドラインを出発点にしているから話がおかしくなる。ガイドラインはドナーカードを持っているかどうかを聞くきっかけを、臨床的脳死診断のあととしている。
【交】臓器移植法は厳格に規定している。それなのに、コーディネーターがのこのこと出てきて一次評価するのは規制がないのと同じ。医療機関に対してあなたたちはやらないでくれ、臨床的脳死診断の後にしてくれと言うべき。たとえ家族が言ってきてもその時期でないと説得すべき。そうじゃないと先行してしまう流れが作られてしまう。
【厚】そうですね。ガイドラインでこう書いてある。標準的手順と。私たちもこれにそってやるべきと思っていますので、そこは徹底をさせるよう手段は考えてみる。起きているところにオンタイムで来る情報が限られているので、事前に知って周知しておくしかないが、そこはやり方があると思うので考えてみたい。

ドナーカードの様式変更の進捗状況は?

【厚】ドナーカードの様式は進展はない。ドナーカード自体はどんな法律になっても存続していくものなので、考えていきたい。

無呼吸テスト前の酸素分圧が二〇〇以下で行うのは殺人行為だ

【厚】2番ですが、24例目と27例目の無呼吸テストについてですが、マニュアルどおりに行っている。
無呼吸テストの前に10分間酸素投与を行っている。SpO2が酸素投与下にもかかわらずあがらなかった理由は@来院時にすでに中枢性肺腺腫による肺酸素価の低下が見られたこと、A身長が172センチ、体重が134キロということで、肥満があったこと、B経過中に肺炎を疑われる所見が認められたこと、等がSpO2が上昇しなかった原因と考えられる。27例目において上昇しなかった理由は誤嚥性肺炎を合併した無気肺が存在したと言われているのでこちらがその原因と考えられる。両例とも肺機能が良好ではないと言うことで、移植には用いられませんでした。
【交】血中の酸素分圧は低かったら低くても移植していいということか。
【厚】望ましい条件ということなので、
【交】望ましい条件とは。
【厚】PaO2が200ミリ以上ということ。避けられない事情があるときはこれだけを持って判定不可とはいえない。
【交】ガイドラインで決められているPaO2は値を守られなくていいのか。一つ二つ守らなくても移植出来ると言うことになってしまう。脳死判定が出来ずに臓器移植に至らない事例が8例目。鼓膜が破られていて検査できなかった。古川の場合も検証会議で指摘された。今回の場合は指摘もされない。それはもういいじゃないかということか、
【厚】無呼吸テストのところで確認すべき事項はPaO2の上昇が認められるかということで、テストの確実性ということでは古川の例とは内容が違うのではないかと思う。PaO2が200以下であったことをもって、その後のPaCO2の上昇が無効であるという理由はないということ。
【交】PaO2の値が87とか65しかない患者に無呼吸テストをすると確実に死ぬ。
【厚】自発呼吸がない状態で人工呼吸を使わなかったらということですか。
【交】PaO2が80台とか60台ならしない。だから最初に10分間酸素投与を行って200以上にならなかったら、無呼吸テストをやってはいけないということだ。
【厚】麻酔科医が立ち会って、十分な監視をしながらテストを行っていただくと。生命兆候があれば人工呼吸をすぐやるとか、というテストですが。
【交】第一次判定では死と認められない。だから6時間後にもう一度やるわけでしょ。それなのに60とか80で判定を行っている。それは殺人行為でないのか。
【厚】人工呼吸器をつなげてやるように
【交】だから無呼吸テストをやるのがおかしい。殺人を正当化しているという認識はないのか。4分後には34まで落ちている。何も感じないということが悲しい。こんないいかげんなことが行われてもチェックできないじゃないか。
【交】これからも200以下でも無呼吸テストはしていくのか。
【厚】判定医が判断すること。
【交】個別に判断といったらガイドラインはいらない。
【厚】200ミリ以上を開始の前提条件にすべきということですか。
【交】当然でしょう。そうじゃないとガイドラインが崩されていく。
【厚】PaO2が望ましい条件でなかった事例については検証会議で検証していただいている。
【交】スタートのところでどうなっている?
【厚】私どものところはスタートのところでは検証する権限はない。
【交】検証会議で検証したということは検証会議でこれでいいと認められたということ?
【厚】違います。検証会議での扱いは麻酔科医が立ち会っていつでも無呼吸テストを中断できると、そういう厳重な監視のもとに行われていたと確認している。単に200を満たさなくてもいいという総括の仕方はしていない。
【交】200なら除外するべきという意見は出ないのか。
【厚】出ないですね。200ミリ以上を確認することが無呼吸テストの目的ではない、PaCO2の上昇がみられるかどうかというのがテストの意義ですから。
【交】自発呼吸がない人で意識がある人についてはどうなのか。
【厚】うーん・・・。もちろん200が望ましい値であることはそうだが、それだけを持って無呼吸テストの実施の前提条件が満たされていないとはしていないので、後は安全に実施が出来る体制を確保してやっていただく、と。そういう形です。
【厚】気管分岐まで酸素は投入しています。
【交】肺機能がないわけでしょう。自発がなければ酸素を吹流ししたって意味がないのと同じじゃないの。
【厚】吹流しといってもマスクの状態でするのとは違いますから、気管の中に酸素投与するということですから。
【交】値の低い人は除外するというような意識は一切ないのか。
【厚】一切ないというか、今後そういうご意見もあるということも踏まえて議論されるとは思う。
【交】どこで議論されるのか。
【厚】それははっきりとこちらで申し上げることではない。世論の高まりなどがあれば。