カウントダウン
1990年から、2000年へ!
20世紀最後の年です!
2000年から、2001年へ!
21世紀の幕開けです!
そう騒いでいたのは、つい最近のように感じる。
だが、時は既に2003年になった。
21世紀には、アトムとかドラエもんみたいなロボットが
街中を闊歩し、便利な道具を使えると思っていた幼少の頃。
その少年は、今や一介のサラリーマンになった。
その一介のサラリーマンは、
2002年、紅白歌合戦を見終え、行く年来る年も終わった頃
「何かオモロイの無いかなぁ・・・」とテレビのリモコンをいじっていた。
そこには、シンガポールの作られたリゾート地である
セントーサ島でのカウントダウンの生中継が放送されていた。
いくら日焼けをして、マレー人と間違えられようとも
いくら最近、本当に日本語が出なくなってきても
いくら身振り手振りが、外国人になってきていても
心は日本人である一介のサラリーマンは、
シンガポール時間の11時(日本は0時)に、新年を迎えたのだ。
今更、シンガポール人に合わせてカウントダウンを待ち望んでもいない。
セントーサ島には、特別ステージが作られており
誰なのかは知らないが、ステージで歌ったり、踊ったりしていた。
ふと、疑問が沸く。
シンガポールは旧正月の国なのだ。
今年は2月1日、2日が旧正月になる。
なんで、自国の正式な正月で無い日で、そんなに盛り上がるんだろう?
過去、植民地だった事が影響しているのだろうか?
別に面白くはなかったが、ボーっとテレビを見ていた。
司会者も段々ヒートアップして来ているのが良く分かる。
英語の時はまだ分かるが、中国語を話されると何が何だかわからん。
しかし、明らかにヒートアップしてる。
テーン ミニッツ レーフト!!
そうか、後10分なのか・・・
一介のサラリーマンは、ビール片手に外を眺めた。
住んでいるコンドミニアムのプールサイドでは、
住人用のカウントダウン パーティーが催されている。
窓を締め切っているので、音は殆ど聞こえないが、
窓を開けると、爆音である。
「今年も、コッチで正月を迎えたか・・・」
別に正月という事に深い意味は無いのだが
日本に戻りたい気持ちは強かった。
テレビに目を戻す。
スリー ミニーッツ レーフト!
3分前。
今年は、雪を降らせる!
と大々的に宣伝をしていたが、何の事はない。
ただの泡だった。
それも、細かい泡ならまだ、雪と表現してもいいかもしれないが
洗濯をしている時にできる泡(洗濯機の中の)
の巨大な奴が、空から降っている。
人間が一人位、簡単に隠れる事が出来る大きさだ。
「うわ・・・汚ねー」
やはりあの泡には、酵素パワーがフンダンに盛り込まれているのでしょうか?
セントーサに集まっている若者は、楽しそうです。物凄く楽しそうです。
そうしているうちに、残りは30秒を切りました。
興奮は、絶頂を迎えそうな勢いです。
ファーイブ!
フォー!!
スリー!!!
トゥー!!!!
ワーン!!!!!
ハッピー ニュー イヤー!!!!!!
「おぉ、遂にシンガでも2003年かぁ」
テレビでは、満を持して登場した歌手が歌ってます。
日本から、1時間遅れ、ようやくシンガポールは新年を迎えました。
「外、まだ人がいるね」>ナオ
外に目をやると、まだ人がウロウロしていた。
いや、ウロウロというより、一箇所(ステージ)を見つめている。
しかし、何故か喜んでいる雰囲気がないのだ。
テレビでは、両手を高々と上げ、踊り狂う観客と
客に負けじと頑張る歌手の映像。
外をみると・・・
あれ?片手を上げだした?
「窓、開けてみ」
「うん」>ナオ
セブーン!
シーックス!
はぁ?
状況が理解できない俺。
俺の中では、とっくに新年を迎えている。
しかも2度も。
ひょっとして、時差?
明らかに時差が発生してるの?
くっくっくっくっくっくっく・・・・・・・・・・
あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!
セブーン!って、あんたら!?
誰の時計をベースにカウントダウンしてんだよ?
セントーサと家の距離は約40キロくらい。
その40キロは、10数秒の時差を生み出していた。
スリー
トゥー
ワーン
ハッピーニューイヤー!
って、何か間違ってないか?お前ら?
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