こどもと本

子供といっしょに楽しむ本の世界、大切にしたいものです。


読み聞かせをして親子で本を楽しむと、子供の顔がぱっと明るくなって、

親の心もぽっと温かくなる、これって本の魔法かな・・・ 

   ここでは、子供のころ大好きだった懐かしい本、娘たちに読み聞かせして喜ばれた本、

大人になって読んだ子供の本、などなどご紹介します。

なお、このページで紹介している本の表紙画像は、

すべて出版社から許可をいただいて掲載しています。無断で転載することはできません

なつかしい本

ウルスリのすず  絵 アロワ・カリジェ  文 ゼリーナ・ヘンツ                         岩波書店

 大人になってこの本と本屋でばったり再会した時、あまりの懐かしさに思わず声をあげてしまいました。どうしてこの本を買ってもらったのか、自分で選んだのか母が選んだのかまったく記憶にないけれど、私のお気に入りの一冊でした。

 ウルスリというスイスの山に住む少年が、自分がもらったお祭りに使うすずがあまりに小さいことにしょげて、大きなすずを雪深い山を登って山小屋までとりに行くお話です。小学生だった私は、大きなすずを手に入れて安心した顔でウルスリが寝ていて、下においしそうなパンの食べかけがころんところがっている絵が大好きで、何度もそのページを見返しました。

 つい最近、六歳の娘に初めてこの本を読んで聞かせました。彼女は、「よかったけどお母さんが泣いちゃってかわいそうだった」と言いました。(ウルスリが夜になっても帰らないのを心配して涙するシーンがあるのです。) 私はただただ主人公の幸せを一緒に喜んでいたのに、今の子は、繊細なのね、とちょっと驚きました。(それとも私が単純すぎたのか・・・)

だるまちゃんとかみなりちゃん  さく 加古 里子  福音館書店 

 この本に出会ったのは、幼稚園の頃だったと思います。きっと通っていた幼稚園で、福音館の「こどものとも」を定期的に配っていたのでしょう。毎月配られていたであろう他の本については、ほとんど記憶がないのにこの本だけは、はっきり覚えています。

  だるまちゃんが落ちてきたかみなりちゃんといっしょに雲にのって、かみなりの国へ行って楽しく遊んでくるお話しです。かみなりこうえんのプールや、かみなりちゃんのおうちのテーブルに並んだご馳走のページを眺めるのが楽しみでした。家であまり絵本を読んでもらったことがなかったので、きっと自分の好きなところを繰り返し見ていたのでしょう。 

 それにしても今考えると、だるまを主人公にしてしまう作者のセンスのよさには感嘆してしまいます。日本の子のためにぴったりとした日本のものを書きたい、という作者の言葉を読んだことがありますが、まさにそれを実現していて、今の子供たちにもとても喜ばれる一冊だと思います。

ちいさいモモちゃん   著者 松谷みよ子  絵 菊池貞雄 講談社

 モモちゃんがうまれたときのエピソードからはじまって、モモちゃんが三才になるまでのお話が全部で15入っています。はじめの、じゃがいもさんたちやチューインガムやソフトクリームがお祝いにやってくるお話や、モモちゃんが「にんじんはやだ」って言ったらにんじんが泣きながらいなくなっちゃったお話など、とてもなつかしく思いながらこどもに読み聞かせました。

 でもそれ以外のお話はあまり覚えていなかったので、読み聞かせながら「このほんはただのかわいいおんなのこのお話じゃなかったんだ。」と再認識しました。「モモちゃんおこる」というおはなしがあります。二歳のももちゃんは、帰りのおそいママに怒ってかけだして終電車にのってしまいます。そこには小さい子がたくさん乗っていてどの子も怒っていて、電車はこどもを乗せて空を飛びくもの駅まで行きます。そこでおいしいくもをなめたりするんだけど、やっぱりママが恋しくて・・・・と話が進みます。親はいつも子供の理不尽な行動に悩まされていると思いがちですが、こどもの側から考えると、二歳児でも、モモちゃんのように何かに正当に腹を立て、心の中でこんなふうに旅をしているのかもしれないなぁと思いました。絵が少なくて厚手の本ですが、四歳ぐらいから充分楽しめます。

海のおばけオーリー M.H.エッツ文・絵   岩波書店

これはえほんですが私の場合もしかしたら小学校四年くらいのころ読んでいたのかもしれません。漫画のような作りになっていますが、ひとつひとつの描写が丁寧で迫力があります。

 おかあさんとはぐれて遠いまちの水族館に連れて行かれたアザラシの子オーリーが、湖でおばけにまちがえられて大騒動になった後、お母さんのいる海をめざすお話です。なんと言ってもおばけにまちがえられて大騒ぎになるくだりが楽しいです。大人になってこの本を思いだした時、まっさきに浮かんだのは、湖にぷかぷか浮いていた男の人が、オーリーをおばけとまちがえてあわてて足をばたばたさせている絵でした。終わりのページの地図でオーリーの泳いだ路をたどるのも楽しいです。はらはらどきどきの後、ほっとあたたかい気持ちになれる読み応えあるほんです。