やっと大学病院の予約を取った。
数ヶ月振りにお隣へ行く。担当医が茶髪になっているのには少々驚いた。いったい何があったのだろう。
問診でこちらの状態を伝える。
「腰は?」
「あんまり痛くないですけど、今生理なんでよくわかんないです」
「見せて」
ごんごん、と腰を打診される。
「響く?」
「響きます」
「生理痛ひどいんだっけ」
「ひどいです」
「じゃ子宮内膜症っていうのも考えられるよねー。あれも熱が続くことがあるからさー」
・・・なんだか脊髄に針をブチ刺された気分である。
「全部調べて何もでなかったら、婦人科系の疾患っていうのも考えられるよねー」
「胃が荒れちゃって、食欲もあんまり出ないんですよねー」
「んじゃ胃薬出しとこうか」
「お願いします」
初めての普通の患者と普通の医師の会話だ。
「んーとね、アルサルミンていうあま〜い、ねと〜っとした液状のなんだけど。一応一日三回分出しとくから」
オーダー画面を見ていると、投与日数のところに「21」と表示された。
「・・・21って、三週間分ですか・・・?」
「二週間分くらいに減らす?」
「・・・いえ、ついでだから貰っておきます」
「三週間分だとこ〜んなに、わさ〜っと出るからねー。袋いっぱいになるよ」
思わず想像してしまう。一般内科医に大量に出されたビタミンCのことが頭をよぎる。この手の薬は、volumeが多いのは別に構わないが、保管と持ち歩きが面倒だ。
「調子よかったら別に一日二回でも一回でもいいからねー」
「はぁ」
あいかわらず、患者のへっぽこ具合に合わせたへっぽこな投与姿勢だ。
「あ、H2ブロッカー出しとくから。さっきのはどうでもいいけど、これはちゃんと飲んでね」
ここはきちんと頷く。
へっぽこ患者を自認してはいるが、押さえるべき所は押さえているのがよくいるうざい患者とは違うつもりでいる。
「あと鎮痛剤だなー」
以前はロキソプロフェンナトリウムだったが、今回は別の薬がオーダーされた(後で調べたところCOX2の選択性が高いNSAIDであった)。NSAID性胃潰瘍も考慮してのことだろうか。
「じゃ、今日採血して帰ってね」
「今回は、うーん、どうしようかな」
「一応これも調べとくかなー」
と、抗核抗体にチェックマークがつく。
「あとは、蛋白分画でもやってみる?」
・・・なぜここで人の顔を見る?
診察後、採血室に出向く。
今回の採血担当の看護婦はあまり上手くなかった。
肘のところにぷくぷくに静脈が浮いているのだから遠慮せずそこをブチ刺せばいいのに(献血だの注射だの採血だので針を刺されて痛いのには慣れているのだ)、妙に遠慮して微妙に静脈からずれたところに針を刺すので採血できない。
「ごめんなさい、ちょっと血管が逃げちゃって・・・」看護婦が済まなさそうに針で血管を探る。
逃げるも何も、初めから血管のないところに針を刺してるんでしょーが。
ああ、最初からあと2ミリずらしたところに針を刺して欲しかった・・・。
右腕に針の痕がついてしまっているから、わざわざ左腕を出したのに台無しである。
まあ採血用の針なんて細いからどってことはないのだが。献血用の太い針(21Gくらいじゃないか?)で静脈を貫通されるよりずっとましである。
現在の投薬回数 のべ6回/day
胃薬、H2-blocker、NSAID
某月某日
秋雨前線が停滞する季節になった。私にとっては喘息の季節である。息苦しい状態が続くが、喘鳴はない。
今年は強力なアイテムを手に入れた。聴診器である。これで発作時の自分の喘鳴を聞くのだ。喘鳴のひどい発作を内心密かに期待しているのだが、なかなかそこまでいかないようである。
少し補足しておく。
一応「喘息の持病持ち」と自称しているが、私は喘息患者のうちに入らないほど軽いので、世の中のすべての喘息患者がこうだというわけではない。
現在の投薬回数 のべ6回/day
胃薬、H2-blocker、NSAID
某月某日
このところ息苦しい日々が続く。気管支拡張剤を飲みつづけている。ほんとうはこの薬は血中濃度モニタリングが必要なのだが、あまり意識せずに飲んでいる。薬剤師に叱られそうだ。
二、三日前からやたらと眼が乾燥する。目薬が手放せない。睫毛がレーゾンデートルを主張しているのも瞬きが多いせいだろう。
いよいよシェーグレン症候群か(笑)。
日中はとにかく眠い。気を失うような眠りである。やたらと疲れる。
現在の服薬回数 のべ8回/day
NSAID、胃薬、H2-blocker、気管支拡張剤
某月某日
またも雑菌に入られる。少し腫れているようだ。このまま化膿してしまったらまた病院行きである。取りあえず消エタで消毒し、以前皮膚科でもらった抗菌薬を塗布する。例の、微生物学実習のときにスタフィロに入られたときに貰ったやつだ。
耳の下が痛む。リンパ節が少し腫れているようだ。
現在の服薬回数 のべ8回/day
NSAID、胃薬、H2-blocker、気管支拡張剤
某月某日
昨日抗菌薬を塗布したところは治りかかってきたが、別の場所にも入られていたことが判明する。こちらは少し膿みはじめたようだ。結局医者通いである。
診察の後、ちょっと搾って膿を出し、抗生剤をもらった。
今回は自分で早めに対処したせいか切開して膿を出すという最悪の事態には至らなかった。
予想外だったのは、ここでも採血されたこと。白血球を調べるのだそうだ。やれやれ、十日ほどの間に4回も血管に針を刺している。今回は右腕から採血したが、ちゃんと針痕をはずしてくれた。感謝。
現在の投薬回数 のべ11回/day
胃薬、H2-blocker、NSAID、気管支拡張剤、抗生剤 ただし抗生剤は8時間置き
某月某日
気管支が痛む。きゅぅっと締めつけてくる感じがする。今聴診器を胸にあてれば喘鳴が聞こえるかもしれない。
面倒なので胃薬を飲むのをやめてみる。
いよいよ気管支拡張剤が切れそうだ。次回大学病院の医師に会うときは貰ってこなくてはならないだろう。
現在の服薬回数 のべ7回/day
NSAID、H2-blocker、気管支拡張剤、抗生剤 ただし抗生剤は8時間置き
某月某日
眼がものすごく乾燥する。結局9日で新品の目薬(10ml入り)を使い切ってしまった。
どこかに使いかけのがあったはず、と机の引出しをあさるが出てこない。まだ新しかったのになあ。そ
ういえばよく目薬を紛失していることに気づく。一つを除き半分以上使ったもの、しかも貰いものだから別に惜しくはないのだが、手元にストックがないのは何となく嫌なものだ。
紛失しているということはそれだけ持ち歩いているということでもある。やれやれ。
メルクマニュアルによれば、シェーグレン症候群は眼や口などの粘膜の乾燥(専門的にはそれぞれ乾性角結膜炎(ドライアイ)、口腔乾燥症(ドライマウス)というらしい)、慢性関節リウマチおよびその他の結合組織疾患(膠原病)を三主要症状とする症候群である。
確かに眼は乾燥している。実は口も乾燥しやすいのでよくお茶など水分を摂取している。大したことはないとはいえ、関節の痛みがある。全身倦怠感と微熱もある。
・・・なんだかどぎどきしてくる。結果はあと数日の後に判明する。
現在の服薬回数 のべ5回/day
気管支拡張剤、NSAID、H2-blocker
某月某日
雑菌に入られたときに出された抗生剤について調べていたところ、次のような知見を得た。
以下、「治療薬マニュアル」(医学書院、2000年版)1051ページからの引用。『併用注意 1)テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン:テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)
(テオフィリンの肝での代謝を抑制し、血中濃度上昇が報告)→血中濃度モニタリング等注意 2)フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド消炎鎮痛剤(フェンブフェン等):痙攣(中枢神経の神経におけるGABA受容体結合阻害作用が作用がNSAIDsにより増強)→両剤の投与中止し気道確保、抗痙攣薬の使用等処置』。
ぎゃふん。
ストックとして手元にあった気管支拡張剤が、このところ苦しくて毎日服用していた気管支拡張剤が、併用注意。
さらにリウマチ専門医に出された鎮痛剤も併用注意。
抗生剤を全部飲みきってしまった後でこんなこと判明してもしょうがないというものである。まあ死んでいないからよしとしよう。
(補足・死んでないからいいという問題じゃない、と薬剤師の友人に言われた。)
現在の服用回数 のべ3回/day
NSAID、H2-blocker