自分の精神構造を考える。

HISTORY コラム目次


パニック障害の原因

平成13年9月14日
脳内神経伝達物質の機能異常?
■脳と神経細胞
パニック障害という病気を、脳内の化学伝達物質の機能異常として とらえようする研究が進み、いろいろな仮説が立てられている。
・ノルアドレナリン仮説・セレトニン仮説
・ギャバーベンゾジアゼピン仮説

■発作をおこしやすい物質
・乳酸ソーダ・コーヒー(カフェイン)・炭酸ガス(二酸化炭素)

遺伝的な要因と体質・気質のかかわり
■家族性出現
パニック障害はしばしば家族性にみられる。家系を調べていくと、パニック障害 のなかのある一群はうつ病、アルコール中毒症および恐怖症とたいへん関係が深いことがわかる。

■不安体質はどうつくられるか?
パニック障害は、不安がおこりそうもない状況で突発的に不安発作が生じます。 不安は、外界の状況に反応しておこるというより、からだの内側からでてくるのです。 このような不安を内因性不安と呼び、素質と関係が深いと考えられています。

環境やストレスの影響は?
■心的外傷
急性ストレス障害:はげしいストレスに引き続いて感情がマヒするか反対に過敏になった状態
外症後ストレス障害:はげしいストレス体験のあとに感情のいろいろな障害があらわれ、日常生活が円滑にいかなくなる状態。

■幼時期の不安体験
パニック障害には、幼児期または小児期の不安障害の既往をもっている人が多いことがあきらかにされている。
最近の研究によれば、パニック障害になる患者は幼少のときからすでに不安をもちやすい傾向 にあると考えることもできます。
分離不安障害:その子がもっとも愛着をもっている人(多くは母親)から離れることに過剰な不安を抱く状態。
選択的緘黙(かんもく):家族や以前から慣れ親しんできた人とは温かい人間的な交流ができるのに、知らない人と交際することを過度にしりごみし、新しい友人や仲間ができにくい状態。
過剰不安障害:将来のできごとに対して非現実的で過剰な心配をしたり、過去の行動に対して 過剰な心配や後悔をします。たえず緊張し、リラックスできず、さらに頭痛や腹痛のような不定愁訴がみられることもある。

病前の性格特徴
■まじめでひたむき、争いを嫌う
まじめ、ひたむき、凝り性、気にしやすい、臆病、自分から身を引くという配慮性、素直、 ことを構えることを好まない。

■強迫性性格傾向
強迫行動とは、自分ではそうすることが意味がなく不合理だと思いながらも、繰り返す ことにより不安を解消しようと試みる行為です。
強迫性障害はパニック障害と同じく不安障害のなかの一つの病気です。
強迫性障害の患者の基本的な性格傾向は、完全主義とゆうずうがきかないことです。

■性格の変化
パニック障害が回復すると、気弱が気丈夫に、依存的が自主独立的に、不活発が行動的 にもどる。逆にいえば、パニック障害は患者を気弱にし、依存的で非行動的にする病だと 考えることができます。

■精神力動モデル
パニック障害の患者の特性
1、多くの患者は自分の幼少時を臆病、神経質、内気と表現している
2、自分の親は怒りっぽい、怖い、批判的、支配的という記憶をもつ
3、自分を自嘲するとともに、家族に対する攻撃性をみせる
4、自尊心が低い
5、配偶者を冷静で温かい、めんどうみがよい、助けになってくれる、やさしいと評価する
6、葛藤をおこし、立腹したくなるようなストレスがパニック発作に先行している


パニック障害の患者の性格特徴をまとめてみると、生まれつき神経系が興奮しやすく、 臆病、神経質、内気であり、親の脅迫的、支配的な態度が、依存と自立をめぐる葛藤を招いて いることです。
依存的な人は別離に敏感になり、自立的な人は窒息状況に敏感になります。しかし、 いずれにしろ、対人関係で自分を主張できず、他人に圧倒される場面が多くなり、 未知の場面を避けるようになります。
その結果、世間が狭くなり、危険を正確に予知したり、環境に適応し対処する学習の機会 を逸してしまい、防衛機制が成熟せず、対人関係に悩むことになります。
このようにして生じた不安、罪責感、屈辱感、怒りといった陰性感情に苦しめられ、不安 がますます高じるわけです。
この陰性感情を自覚したりその原因に気づかずに、不安が陰性感情をさらに高めるという 悪循環が生じます。陰性感情を無視することは身体症状に注意をふり向けることになり、不安 と身体症状の悪循環の関係ができあがってしまい、ついには、パニック発作を引きおこすことに なると解釈されています。




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