| 3年過ぎた地震の町 |
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第3章 夜の三の宮と受賞式 夕暮れ時の雨の中外を歩いていたが、そこは整備されたランドスケープ・人通りのないオープンスペース・未来的建築群等、僕にとっては異空間そのものに思えた。 その幻想的雰囲気の中にいる気分は、その後社長との夕食時にも保たれ、社長の思う建築観や会社経営の考え等を聞いている内に気分も酒に酔う程盛り上がり、対等の意見を言っていた。 少し酔ってしまった僕は、12階の部屋に帰って外を眺めていると、その展望はロマンチックでまるで未来都市を眺めているような錯覚を感じた。その時、雨がひどくなり余計に幻想的な気分に陥った。 頭に中に、突然被災地の悲惨な写真が思い浮かび、それとこの未来都市の風景が重なり気が付いたら六甲ライナーに乗りアイランドセンターから、三ノ宮に向かっていた。 三の宮に来てしまった。見ず知らずの初めての町で右も左も分からない。時間は10時を廻っている。 写真で見た三ノ宮と違い、建物は修復され人で溢れている。ただ呆然と歩き廻る自分。 とても震災の傷跡を探すすべもなく、改めて来るべく一時間位彷徨った後ホテルに戻った。 次ぎの朝、やはり頭がぼんやりする。食事を済ませ、イベント会場へと向かう。 場所は、神戸ファッションマートのアトリュウムプラザが展示場で、同ビルの9階のイオホール(600人収容)で、合同式典が行われた。 このイベントは、第10回住宅月間中央イベント 「’98スーパーハウジングフェアin兵庫」と 「創造的復興から21世紀の住まいずくり・まちずくりへ」をテーマにしたもので、盛大な兵庫の復興イベントとして日本全国から多くの人が参加していた。 その中で、我々の目的である来賓代表の高円宮憲仁親王殿下からの表彰授与と、展示会場での作品紹介が無事終了し、役目は完了した。 天皇家と間近に会えるなんて始めての体験で、全てが緊張の連続だった。大勢の人・大勢の報道人・大きな空間・目前の天皇家一族・社長との同席。 どれも、自分にしてみれば違う世界の異空間の出来事にしか思えない。 午後2時過ぎに受賞式も終了し、我々も帰路につくことになり、僕はこの町に残ることにして社長達と別れることにした。 外は、朝の大雨とは打って変わり、暑いくらいの青空になっていた。 日射しを浴びた高層建築群は、余計に異彩を放っている。 さて、これから自分の時間をどう過ごすか、少しここで考えることにした。 |
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