新年度が始まり、進級すると保育室が変わり、担任が替わり、子どもたちにとって新しい環境での生活が始まる。
その園では 1歳児クラスより上ははそれぞれ他学年(大抵はひとつ上)との合同保育を月に何度か取り入れていたので、1歳児クラスに進級した子どもたちは他クラスの保育士との関わりが増えることになった。
私は当時2歳児クラスの担任。2歳半を過ぎるとおしゃべりの内容も音量も一人前になり、クラスの中はいつもにぎやかだった。そこで呼びかける時や叱る時、私たち保育士の声もつい大きくなりがちだ(だからっていつも怒っているわけではないのだが)。
数回1,2歳児クラスで合同保育を行い、1歳児クラスの子どもたちは私が大きな声を出す姿を何度か見ることになった。子どもの年齢によって保育士の接し方や話し方は違ってくるので、おそらく今までの0歳児クラスではあまり聞いたことがない大声…(注:大声を出さずに保育できるのが理想です。でも、どうしても声を荒げてしまう場面があります。反省)。
さて、それで1歳児クラスの子どもたちが私を恐れて近寄らないかというと、そうではない。私の膝にちょこんと座り、にこにこ愛嬌を振りまいたりする。そう、案外人見知りもせずなついてきてくれるのである。
多分、子どもたちは感じているのだ。
「この人たち(保育士たち)の中で、いちばんおっかないのはこの人だ。この人がボスなんだ」
そして自分の身を守るために(!)考えるのだ。
「だからこの人には愛想を良くしておこう、気に入られておこう」
そんなわけで、彼らは私のことを恐れずただ笑顔…だったのだろう。
子どもたちには、自分がいる社会の人間関係、特に力関係を見抜く能力があると思う。犬は飼い主の家族に順位付けをするというが、それに似た動物的な本能なのかもしれない。 そして一度「自分よりこの人は下」と格付けをすると、なかなか直らない気がする。それが悪く出ると「お部屋はきれいに使いましょう」(以前の保育日記です)のようになってしまうし、 最近は「おかあさんは私より下。私のワガママなんでも通る」と思っているかのような親子関係も見受けられ、問題だなと思うことがある。
ま、「この人押さえておかなきゃ!」とばかりになつかれる私のようなケースも困りものだが(-.-)。