〜 保育日記 〜

◆秘密  (2005/6/9)



 厳密に言えば「秘密の話をしたんです」と誰かに言ってしまった時点で 約束破りなのかもしれない。「秘密にしてね」「先生だけにお話しします」と言われたら秘密の話をしたこと自体、黙っていなければならないのだと思う。
 仕事をする中で、そんな”秘密”の話を抱えることがある。

「王様の耳はロバの耳」−あれはどこに向かって囁いたのだっけ。”誰にも”言わないけれど、自分の胸に納めておくのは辛い。だから口にしてしまった。
 口にするだけで楽になることってある。日常の愚痴なんてまさにそう。耳から入った秘密をずっと自分の腹の中にためこんで、どこにも出さずにおくのはとても辛いことなのだ。誰にも言ってはならない”秘密”を持った時、私は初めてそれを実感した。
 秘密の話でもそれを打ち明けた相手とはその話をしてよいのならまだ辛くないのだが、その場限り二度と触れてはならない秘密を共有するのは重い。でも誰かに打ち明けた分だけ、話した方は気持ちがすこし軽くなるのかもしれない。相手に重みを渡してしまったから。

 子どもとの小さな秘密の話も胸にしまっていたいと思う。秘密を守れる人間という矜持。それは自分に対してだけでなく、子どもに対しても持ち続けていたいと思う。たとえ相手が子どもでも。秘密にしてねと約束したら、その話は永遠に秘密だよ。ね。



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