外も寒いし、久しぶりに絵を描いてみよう。画用紙に描いて壁に飾ろう。
ということで、お絵かきをしてみた。
「アンパンマンでもお母さんの顔でも、好きな絵を描いていいよ」
と言って描かせたところ、自由に描いた絵はこんなものだった。
・ボールペンの試し書きのような円をぐるぐる描き続ける。色を変えて重ねて描く。 (4歳 女)
・ふわふわしたタッチでかよわい楕円を3,4個描く。(3歳 男)
・アンパンマンらしき顔 (3歳 女)
・力強い線画。色は濃い色が多く、紫・黒が目立つ (2歳 女)
・緑で力強く線を何本か描いた後、黒で画用紙いっぱいに線を描く (2歳 男)
・まずピンクで円や線を描き、続いて青・水色・オレンジなどで線を描く (2歳 男)
私は絵画診断の専門家ではないが、子どもたちの心象風景が感じられるような絵だった。私ならこのまま掲示しておくところだが、担任は違った。やはり「それらしい」絵を求めて、3,4歳児にはもう一度「アンパンマン描こうよ」「お母さんの顔は?」と画用紙をひっくり返して絵を描かせた。すると、やっとそれらしき絵を描く子どもたち。
掲示して親に見せる絵には、どこかでこういう保育者の思惑が入ることが多い。
(まったく手を加えない場合もあるでしょう。念の為)
普段家でお絵かきなどあまりせず、描いても線や丸なのに、行事の時「人の顔」が描けていたら 保育者が共に描いた可能性が高い。親としてはそれでもうれしいのかもしれないが、やらせである。
そういえば、同僚のお子さんが通う小学校で芋掘りの絵を描かせたとき「手から描く」よう指示されたそうだ。保育士の学校でもそういう絵画指導を学ぶらしい。
手から描くと手に動きが出るという。しかし、出来上がった絵はどれも似たようなものだったそうだ。
絵を描かせるのは、行事の記憶があるか・目で見たものを正確に写し取ることができるか・物語の場面を思い浮かべて表現できるか、などをみたい場合もあるだろう。
だけど、自由画くらい、自由に描かせればいいじゃないか。
…という文章を書いたところ、当時掲示板で いろいろと反響をいただきました。
そこで付け足しを少し。
ひとつめ。
子どもたちは絵を描いて、とせがんでくることがある。キャラクターから車などの乗り物、はては「わたしと○○くん(彼氏?!)」なんてリクエストをされたこともある(笑)。
そこでなにがしかの絵を描く。
すると喜んでくれる子、先生上手と誉めてくれる子、そして こうじゃないんだよな・・・と不服そうな顔をする子がいる。
絵のリクエスト自体が「飛んでいるウルトラマン」だとか「こわい怪獣」だとか具体的な場合もある。そうでなくても、「これはかっこいい」「これはいまいち」ときちんと評価するのである。
つまり、子どもたちは子どもたちなりの美意識を持っているのだ。大人から見れば表現力はまだまだで、大人の美意識を押しつけてしまいがちだが「こうであるべき」は子どもにもあるのだ。大切なのは、子どもたちが頭の中で描いているものを、表現できるように援助することではないかと思う。
ふたつめ。
保育所では、自由画でさえ掲示のために操作した。それはすでに自由画ではないと思う。
幼児教育の場では、得てして「見せるため」に大人の思う「それなりの」作品を作らせることが多く、それ以外に自由なお絵かきの時間がほとんどない場合もある。
しかし、芸術は それをする人にとって表現の場であり、ストレス発散の場でもあると思う。ストレス発散をかっこよく言うなら「こころの解放」とでもしたらよいだろうか。
好きな色を使って好きなものを好きなだけ描く。そうでなければ、子どもが発散することも、大人が子どもの思いを感じることもできないと思う。
以上、でめの勝手な雑感でしたm(__)m。