〜 保育室から 〜
xxx エッセイ xxx

◆母乳の児の保育  (2006/5/30)



◆母乳育児

 いきなりだが胸の薄い私は、妊婦になったら豊満な胸になれると期待していた(笑)。惜しくも(?)バストサイズは一向に大きくならずに臨月を迎えたが、 9ヶ月くらいから胸に青筋が表れてきて −つまり血管が浮いて見えるようになって、同僚に「じゃあ母乳出るわね」と言われていた。
 (ちなみに私の周囲では 妊娠前 胸が大きいと母乳が出にくい、胸が小さいと母乳が出る、というのが定説だった)

 今のおばあちゃん世代が子育てしている頃は 「母乳よりミルクの方が栄養があって良い」説が有力だったそうで 「母乳だけじゃ足りないでしょ、ミルクを足さないと」と刷り込まれている方が多いらしい。最近は母乳の良さが見直されているし、私は母乳が出れば母乳で育てたいと思っていた。
 産後20分くらいで乳首を吸わせ、出産翌日から母子同室になり 母乳育児がスタートした。最初は出ているかどうか心許なかったが、助産師さんが様子を見て 「あら、いいお乳が出るわね」と言われて ほっとした。入院中もその後もたまにミルクを足すくらいで、この一ヶ月、ほぼ完全に母乳で育てている。

 母乳を与える間隔は決まっていない。ミルクは三時間経たないと消化されないので 時間を置くが(置けるが)、母乳は消化が良い。ただし一度に大量には出ない。そこで泣いて欲しがればおっぱい、という自律授乳をしている。うちの娘は一時間か一時間半くらいでおっぱいを欲しがり、大変といえば大変だ。本によれば三ヶ月くらいになるともっと授乳間隔が空くようになるらしいので、それまでの辛抱であるが。


◆もしも復帰していたら

 もし私が仕事を辞めずにいたら、おそらく産休明け・生後8週経ってすぐの復帰になったと思う。冷凍母乳を使ってくれる保育所も増えているので、可能ならそれで母乳育児を続けていただろう。私の勤務園でも産休明けや三、四ヶ月から復帰する乳飲み子の場合は、冷凍母乳持参のお母さんは増えていた。
 
 しかし、自律授乳をしてもらえるかといえばそれは難しいと思う。元の勤務園でも二時間半くらいは空けるようにしていた。何時間おき、とした方が預かる側はやりやすいし、一対多の集団保育で自律授乳に対応しきれるとは思えない。 娘は 私の母乳分泌量も関係するだろうが、夕方から夕食前までは 特に頻繁におっぱいを欲しがる。そんなひとりひとりの子どもの傾向を担任全員が把握して保育するのは難しいだろう。そして母乳では二時間半もお腹がもたず、ミルクを足すことになっていただろう。

 ちなみに、うちの娘は哺乳瓶もミルクも嫌がらないので その点は心配ない。が、ひとつ大きな問題が。
 眠くても寝付けない時、娘はおっぱいをくわえながら寝るのである。これだけはどうにもならない。。


◆母乳育児への理解

 私は自分が母乳育児をやってみて初めて、今までこれに関してほとんど知識がなかったことがよくわかった。
 母乳とミルクをほぼイコールで捉えていたし、自律授乳など昔の「泣く子にお乳」の古くてよくないやり方だと思っていた。
 また、哺乳瓶を受け付けない児の親が「これで飲ませてください」と家庭で使用している哺乳瓶と乳首を預けていったのを 「乳首を替えても飲まないものは飲まない」と職場で言っていたのだが、それは意味を取り違えていたことを知った。その親が預けたのは「母乳と同じ舌の動きで飲む」乳首だったのだ。つまり、哺乳瓶の乳首に慣れておっぱいを飲まなくならないようにと考えてのことだったのだ。
 (おっぱいは舌でしごき出すようにしないと出てこないが、普通の哺乳瓶の乳首は吸えばミルクが飲めるので、哺乳瓶に慣れてしまうと労力の要るおっぱいを飲まなくなる可能性がある)

 保育所側にいた人間として、冷凍母乳はOKだが自律授乳はムリ、と言われたら 仕方ないと思う。0歳児は個々の発達に応じて保育する、と言っても あくまでも”集団”保育なのだ。自分が家庭でやっているのと同じことを求めても叶うはずはない。できるだけ近いことをやってください、としか言えない。それでも、親の思いをくみ取るには知識も気持ちも足りなかったな…と今更ながら反省している。
 普通のお母さんたちにとっては 保育所側の事情など言い訳にしかならず、自分の考えを理解し実践して欲しいと思っているのではないだろうか。
 母乳の児の保育ひとつ取ってみても、集団保育のことしか頭にないのでは これからの保育者はやっていけないのでは?と思っている。
 そして多分うちの娘は、母乳以外の面でも 産休明けから預けるには保育所に向かないあかちゃんだと思う。。。



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