今時働く妊婦は当たり前にいる。同僚にもいた。たまたま私の周囲の人はつわりがひどくて休むこともなく 割とふつうに仕事をしていたが、妊婦の身で普段通り働くのはかなりきついと妊婦になってみて実感した。
妊娠初期は特に 腰痛とつわりと眠気とだるさと いろんなものが一度に押し寄せて、とてもそれまで通り仕事をこなせる状態ではなかった。複数担任だったので適度に手を抜かせてもらいながら 自分の体調と相談して仕事をするしかなかった。
つわりは 吐き気よりも 食べ物の好みがはっきり出てきたことに悩まされた。つわりが始まってから、私は魚が食べられなくなっていたのである。食べられないだけではなく、臭いも見るのも”鯖の味噌煮”という言葉を聞くだけでも吐き気がこみあげるほどで、今後一生あんなもの絶対食べられない!!と思うほど拒否反応が強く出た(安定期に入った今もである。これは一体いつまで続くのだろうか…)。
で、給食のメインって魚、肉の繰り返しなんですよね(泣)。煮物・焼き物がよく出て、臭いの少ないフライはほとんどない。もう最悪である。
食事中の介助も吐き気との戦い。食後の残り香も敵だった <臭いってなかなか消えない。子どもたちが別室で午睡中、何度保育室にファブリーズをスプレーしたことか。
眠気は妊娠三ヶ月くらいまでちょうど食後、午睡の時間にひどかった。ひとりで午睡当番をしていると、子どもたちのすーすーという寝息と二酸化炭素に包まれて私の眠気はさらに増す。それは抗いがたく、意識が朦朧としたことも一度や二度ではない。眠気を吹き飛ばすため意味もなく歩き回ったり動けばいいのだが、体がだるくて立ち上がるのに”よっこらしょ”となる時期でもあり、立って動くよりは布団に横たわる方に体は引っ張られ…、早く午睡当番が終わらないかと待ち続けていた私だった。
そういえば会社員時代、妊娠した同僚が「もう眠くて眠くて気が付くとPCのディスプレイの前でうとうとしちゃってるの」と言っていたが、その気持ちがよーくわかった。
妊娠初期は体温が高いせいでだるくなる。私は特にそうだけど、歩くのが辛いし歩く速度が落ちる。階段の上り下りも大変になる。その状態で通勤電車に乗って通う妊婦はどんなにか大変だろうと思う。妊娠すると匂いに敏感になるから、周囲の匂いだけでも辛いかもしれないし。
私は車通勤なのだが、これも別の意味で危険。まあ、私は元々運転が下手で できれば運転したくない人なので余計だけど、頭がぼーーーっとしがちで判断力がさらに鈍り 反射力も落ち、あおられてものろのろ運転を貫くしかなく 後部ガラスに「安全運転中」のプレートをつけた。
腰痛は保育士の持病でもある。しかも 妊娠すると骨盤が緩み腰痛になりやすいという。。。
私は妊娠二ヶ月、三ヶ月の時にひどい腰痛になってしまった。三ヶ月の時はぎっくり腰の一歩手前までいった。コルセットをすると楽になるのだが、通常のタイプではお腹を締め付けてしまうので、かなり早いがマタニティガードルを履いていた。腰の部分にサポートの板が入っていて、ベルトで骨盤を支えるもの。ふつうのコルセットに比べると効果がなさそうだったが つけてみると動きが楽になり痛みも軽かった。
日常的にガードルを履くようになるまで いつ何時痛みが増すかわからないため、通勤バックに常備していた。
ところで、保育士は肉体労働である。幸いクラスの子どもたちはいつもいつも抱っこしていなければならない年齢ではなかったのだが、テーブルのセットやら巧技台の準備やら配膳やらで重い物を持つ機会がたくさんある。
それを妊婦だからと免除してもらえるかというと そうではない。今まで妊婦だからと力仕事をしない人はいなかったので、私もやるしかない。「私は妊婦でもやってたわよ」という雰囲気があるのは どうにかして欲しいが どうにもならない。特に妊娠中もふつうに働いていた人にその傾向は強く、まだ子どもがいない人や妊娠中は家庭に入っていた人の方が逆に気を遣って「重い物持たなくていいからー!」と言ってくれた。
オンナの職場はヘンなところで難しいのである。
*** 余談だが、会社員時代 同僚が妊娠すると 「実はうちの奥さんは三ヶ月から臨月までずっとつわりで苦しんでいて大変だったんだ」と自分の経験から意外な(?)やさしさを見せてくれた子持ちの男性がいた。妊娠によって、人の見えざる一面がかいま見えるのも面白い。***