〜 Tea Time 〜

その時を大切に  (2007/2/20)



 私は出産前後マタニティブルーがひどかった。
 このまま産後うつ病になり、自分の手で子育てを続けられないと思ったことさえあった。

 おむつを換えて着替えさせてお風呂に入れて…という世話自体は 保育所でやっていたので 問題なかったのだが、妊娠・出産で自分の体に想像以上の負担がかかっていたことを思い知った。 授乳で体力を奪われるのに ゆっくり食事を摂れないため、日々肉体的疲労が溜まっていった。
 しかも出産を機に退職し 周囲の環境もがらりと変わって 娘のハルとふたりっきりの生活が 精神的に重くのしかかっていた。
 両親は「今すぐ来て」と言える距離には住んでおらず、かといって地域の保育サポートを頼むのも煩わしく(何しろ家が片づいていなくて他人を呼べる状態じゃないし!)、気軽に会える友だちも近くにはおらず、家に閉じこもりっきりで ますます閉塞感が強くなっていった。

 ハルの相手をきちんとしてあげたい気持ちはあるが、話し相手もいないつまらない生活に、家でできるささやかな楽しみ −ネットでのお買い物やテレビ、読書 − に走り 少しでも自分の気持ちを明るくする行動を優先させてしまうことも多かった。
 歳のいった両親にあまり心配をかけたくなくて 悩みをひとりで抱え込んで、どんどん暗いトンネルに入り込んでいってしまった感もあった。

 そして冬が来て、久々に連絡を取った友だちに 少しだけ子育ての愚痴をこぼしてみた。
 すると先輩ママの彼女からの共感と温かい励ましの言葉が返ってきた。

「 子どもはどんどん育っていくから、その時を大切にね 」

 毎日毎日変わり映えのしない生活。今日も明日も同じこと。少しくらい自分の楽しみに興じたっていいじゃない。そう思ってついハルのことをないがしろにしていたのでは?
 繰り返しが当たり前で、この日々が続くのが当たり前で、今ちょっとだけなら…今日はいいよね…そんな風に今を軽んじていた自分に気がついた。
 友だちの言葉通り、ハルはどんどん成長していく。毎日同じようでいて、でもこの10ヶ月の間に凄まじい変化を遂げている。 この子をきちんと見ていよう。この子の今を。
 あの時もっとハルのことを優先してあげれば良かった…そんな後悔をしないように。

 家庭での子育ての日々は想像以上に辛い。だから決してひとりで頑張らないで、先輩ママを頼って、友だちや旦那に愚痴メールを打って、できれば親に甘えて、と今同じように子育てしているお母さん達に言いたい。
 そして周囲の人々にも。ほんのひとことの励ましで、気持ちが楽になることだってある。 買い物中に「まあかわいい赤ちゃんね」と 声をかけられることがひどく嬉しいこともある(あ、中にはそれを厭う方もいますけどね)。それがその日初めての、大人との会話だったりするから。
 子育ては決してひとりではできません。子どもに愛情を注ぐ分、お母さん達もみんなから愛情をもらってください。
 子どもと笑顔で向き合えるように。 その時を、今を大切にしましょう、ね。




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