10歳児の発達

<行動の輪郭>
○10歳児は5歳児同様、分岐点に当たる時期です。この二つの時期は共に、そのすぐ前の発
達傾向を部分的に完成させます。

典型的な10歳児は、よく均衡が取れていますが成人の環境に接触して非常によく適応し、
様々な反応を示すので成人のなりかけのように見えます。
今では10歳児の個性は非常にはっきりし、その洞察力も素晴らしく成熟してくるので成人前期
か、少なくとも青年期とみなしても良いほどです。

○5歳児は分岐点であると同時に中性的な時期です。ところが10歳では性的差異が明らかに
なります。10歳の少女の心理は同様の教育と経験を持った10歳の少年とは、はっきりと区別さ
れます。少女は比較的平静で結婚や家族に対する事柄に余計に関心を抱きます。

○10代の著しい特徴は9歳児の成熟特徴と比較すると良く分かります。9歳児は技術の習得に
非常に熱心です。集中的な熱心さで仕事をし、ひとつの活動から他の事にそうたやすくは移ろ
うとしません。これに比べると10歳はゆったりとして、その行動は偶然的で、しかも敏速です。
自分自身もまた自分の技術をも自由にする事が出来ますし、物事を苦もなくやり遂げます。

10歳児は社会の情報やだんだん強くなる概念や偏見や善悪に対して特に感受性が強くなり
ます。また10歳の子の理性に訴える事は比較的たやすく、社会問題について初歩的な討論に
喜んで参加します。両親はしばしば10歳児の社会的意識を感じられない事があります。時には
まるで8歳の子どものよう取り扱ったり、あるいは親が知的に無関心な為に子どもの思考を組
織してやる事が出来ない事があります。しかしこの時期は自由主義的な思想を植えつける為
に最もよい時期です。
☆自由主義・・・(じゆうしゅぎ=他人の自由をそこなわない一面において、自分の自由をも失
われないことを主義とすること

○10歳の子どもは時には、自分の家族よりもその集団やクラブを尊重するといわれています。
これは部分的には真実ではあるが全体としてはこの頃の子どもは正義についてかなり批判的
な認識を持っています。

10歳児は偏愛を感知しその観察の賢いことに一驚させられることもしばしばあります。

自分の両親を観察し、友達の良心と自由に比較します。

○比較判断の多くは秘密にされていますがそのうちのあるものは表現されます。

○子どもにその教師の事を描写してごらんといってみると率直な描写が得られます。
「あの先生はよく怒鳴るよ。友達が叩かれてた」
「あの先生は○○ちゃんが嫌いなんだよ。○○ちゃんばかり怒るんだよ」
「あの先生の口癖は〜でこんな歩き方をするの」

○10歳の子どもは自分自身と同様他人の中にも個性をはっきりと認識します。
☆偏愛・・・(へんあい=関係する者を平等に愛すべき立場に在る人が特定の者だけを愛する
こと。

○9歳のときに現れた個人差は10歳児になると更にいっそうはっきりしてきます。

○10歳の子どもは将来どんな男(女)になるかという特徴をはっきりと現しています。

○才能、特に創造的な芸術に対する才能を現します。また私達が子どもの繊細な情緒の型を
理解しようとしさえすれば対人的、社会的行動に対する才能もまた姿を現します。

○立派な人格、優しい態度、実行力、対人関係に他する敏感さなど、子どもの可能な職業や
専門を予言する重大な意味を持った広範囲の人間の特性を表すでしょう。対人関係の処理の
仕方に、指導者となるべき才能を意味する実力と正義感を既に表しているかもしれません。全
ての特技が認められるべきなのです。それは職業的準備訓練の為ではなく精神衛生のために
必要なのです。

学校は相変わらず学術的技術の力を入れています。しかし技能的な才能を持った言葉の下
手な子どもはそれを練習し、それを社会的に表現する為の十分な機会を与えられるべきで
す。
技能の練習を社会的に是認する事は価値のある目的の為に役に立ちます。それは青年期の
不安定な要求によって対処する為に大切な自尊心自信を強める役に立ちます。同時に社会は
それによって青年の不良化を防止します。10代の子どもの為の教育計画は10歳から始めるべ
きなのです。

男の子は相撲をしたり、互いに押したり、殴ったりする事で同士愛を表現します。

○女の子は仲良し同士で手を組み合って歩きます。
女の子は他の女の子に手紙を書く傾向があります。その年齢の特徴である秘密グループを作
る傾向にしたがって、その手紙は知っているものだけに分かる秘密の言葉でつづられています
こういう秘密的な活動の多くは表面的で罪のない一時的なものです。

女の子は男の子よりも余計に対人関係を意識します。女の子の方が自分の身体、衣服、容
姿などについて意識します。髪を結うのに時間がかかる事もあります。同時に女の子の方が自
分と他人との関係を認識します。女の子は男の子よりも家族生活に興味をもち家族の生活の
差異を非常に感じやすいのです。余り可愛がられていない子どもを見ると同情や援助したいと
いう願いを起こさせます。
このように青年期の先駆をなすしるしによって、10歳の女の子はまた男の子もそれより低い程
度に青年期に近づきつつあるという証拠を見せます。


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