8歳児の発達

○4歳が拡張の時期だったという事を考えると、5歳は焦点をなす時期であり、6歳は分散的、7
歳は沈思的な時期であります。8歳は再び拡張的となるが、もっと高い発達段階にあります。8
歳の子どもはちょうど4歳の繰り返しのようだがもっと精巧になります。しかし7歳の特色と比較
すれば8歳を最もよく理解できます。
☆焦点(しょうてん=注意・関心が集まる中心点や問題点。
☆沈思的(ちんしてき=深く考えこむこと。

○8歳児は年長者を含めたその環境と積極的に接触しようとする衝動が成長してきて、それに
支配されています。7歳の頃ほど思案しなくなり内向的ではなくなり、もっと遠心的になります。
また自分自身の応答も速くなり他人の応答に対しても前より敏感になります

成人の世界と自分の世界との間のギャップに気付くにしたがってそれに順応していきます
素朴にただ御しやすく、従順というのではありません。幾分意識的に学校や家庭の環境中で自
分の位置をつくり確立していきます。あまり命令的に何々をしなさいといわれることに感じやす
い。どちらかというとちょっとした合図やヒントの方を好みます。8歳児は賞賛を期待し要求しま
す。しかし自分の欠点をからかわれるのを望みません。8歳児の自我の意識は地位の意識で
あり、たえず自分の地位と友達、鏡台、年長者との関係を再認識しています。
☆御する(ぎょする=自分の思う通りに動かす。

○学校では8歳児は既におおかた分離に到達しています。もう以前ほど教師に依存していませ
ん。事実教師は7歳の時ほど子どもの情緒生活では重要でもないし、密接な関係でもありませ
ん。どちらかといえば慈愛深い主権者として、また監督者として重要です。子どもとその学友
は、ある程度まで自分自身の規律をいくつか持ち相互の批判と責任の割り当てによって自分
らの行動を統制し始めています。学校の集団を、自分が属しいくらか自分も責任のある集団と
してはっきり意識しています。
☆慈愛(じあい=自分の血を分けた者に対するような愛情。

不正に対する嫌悪が強くなります。高言壮語するときには一粒の真実が含まれているのが
普通です。「規則」や前提条件に対する尊敬に基づく正義感が芽生えます。これが他の人の不
公正に対して8歳児を反抗させます。身内のものを手厳しく批判する事も少なくありません。自
分の間違った行いを認めることは出来るが強引な言い訳でその白状をぼかします
☆嫌悪(けんお=それを無くしてしまいたいほど ひどくきらうこと。
☆高言壮語(たいげんそうご=実現出来そうもない事を、口でだけ さも出来そうに言うこと。ま
た、その言葉。

○ちょっとした刺激でも涙が出ます。母親がちらりと睨んだだけでたちまち涙が出ます。母親を
時々うっかりして子どもの傷つきやすい期待のつめ先を踏みつける事があります。けれども8
歳児はあまり長い間、失望の気分に浸らずに積極的に和解を求めます。同年代の子どもとた
ちに混じって遊ぶときには批判のやり取りに対してもっと強い力を持っています。敗れる事も覚
えてきます。自分から好んで挑戦します。成人の禁止を破って自らその禁止の意味を解釈し征
服しようとします。

○8歳の子どもは元来膨張的なのですから、公開の見世物にする事や一人で空想的な探検に
従事する事を好むのです。こうしてやむにやまれず文化の中に広がっていくのです。

○8歳の子どもはあらゆる人間関係について一種の探究心を持っています。しかし結婚や性に
ついて知ろうとする子どもの関心は普通、それほど激しいものでもなく極端でもありません。そ
れは愛欲とははるかに異なって、ただその多様な膨張性の一つの現れに過ぎません
☆愛欲(あいよく=異性に対する強い性愛の欲望。

○8歳児は時間と空間について深い知識を求め、表面の下側を見抜くようになります。地球の
内側や人体の内部について知りたがります。天国の地理について質問します。

○8歳の子どもは元気でいることを喜び、寛大で同情があり知らぬものを探求しようという情熱
を惜しまないので、私たちは8歳児のことを有望な初期的変形、成人の精神が有望な初期的な
形で現れたものとみなすでしょう。子ども自身成人と一緒にいるときのほうが気楽に感じます
前よりも自由に成人と取引したり、話をしたりする。成人の答えられないなぞなぞを出すのが好
きです。もっと子どもらしかったときには、成人がすぐに正しい答えを言うのを望み、せっかちに
自分がその答えを補ったものですが、今は一方的に優越を楽しみます。両親や一般の成人達
の絶対確実性を疑い始めます。時には聞き手の嘘を見破る能力を試す為に、注意深い、堅苦
しい顔をして大ボラを吹きます。こういうことの全てが初期の成人らしさの徴候です

○5歳半のとき、碇泊地から離れかけました。6歳は過度期でだんだん広がってくる自然と人間
の世界の多くの新しい面と接触できるようになります。けれどもそれはただ発端に触れる事が
出来ただけです。ただ瞬間的に反対を見るだけで、避けたり、近づいたりする衝動で行動しま
した。

○7歳までには順応性と反応は前ほどバラバラでなくなり、その知覚は大雑把ではなくなりまし
た。もっと形を持った型が8歳児の内部の世界に形作られ始めました。それらは記憶と経験と
成長によって深い意義を持ちました。
8歳では子どもは前には部分的にしか見えなかったところに文脈や関係を見始めました。8歳
児の宇宙は前よりも互いに無関係ではなくなりました。自分自身でもだんだん広がってくる世
界に溺れる事が少なくなりました。人と物、自然と非人格的な力と、子どもや成人の精神との
基本的な区別をつける事が出来ます。何よりも行動し、関与し楽しむ自分自身を大勢の中の
一人格として明瞭に見始めました。

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