ぶたぶたくんのおかいもの

作:土方久功(ひじかたひさかつ)
福音館書店(本体743円)



   赤木かん子さんによると、この本は傑作中の傑作だそうです。「ぜひ子どもであるうちに出会わせてあげたい名作」だというのです。そしてエミたちも「子どものうちに」この本に出会いました。

   実際のところ、私にはこの本のどこが傑作なのかよくわかりません。まずこの本の主人公であるぶたぶたくんの本当の名前がわからず、みんながそうよぶので、お母さんすら忘れてしまったというし、おつかいを頼まれて出かけていくと、お店の人はみな個性の強い人たちで、最初のパン屋さんなどは、富士山を背負ったお店で、顔のついた不思議なパンを売っているというぐあいです。で、帰りは戻るより先に進んだほうがいいという、友達のからすのかあこちゃんと、こぐまくんのアドバイス…。摩訶不思議な世界が展開するちょっと変わった絵本です。

   でも、やはり子どもには受けました。図書館の児童書フェアのリストにあったので、ためしに借りてきたら、しばらく毎日せがまれました。早口のやおやのおねえさんのところは、こちらも早口で読まなければならないし、おかしやのゆっくりおばあさんのところは、ゆっくりゆっくり読まなければエミからクレームがきて、結構読み聞かせの技術(?)を問われます。図書館の本を返してからも、買ってきてとせがまれてついに我が家の本棚の絵本コーナーに。

   筋がどうのこうのというよりは、読んでもらって楽しいのがこの本なのかなと思います。傑作というのはそのためでしょうか。私も誰かに読んでもらって本当のこの本の面白さを実感したいところですが、この歳になってしまったら、そんなに楽しめないのでしょうね…。ちょっと残念。