子どもの本を読む

著:河合隼雄

講談社+α文庫(本体816円)



   河合隼雄さんという方は臨床心理学者とても有名ですが、さすがに肩書に臨床という部分をつけられるだけあって、現実にいろいろな人たちに接して、深い洞察力を発揮されていることが伺えます。
   この本は文庫版ですが、裏表紙には、こんなことが書かれています。

  
心理療法家・河合隼雄は言う―心理療法も子どもの本も、われわれがこの世に生きるということの本質にかかわってくる……そして子どもの目≠ヘ確実に大人が見落としているたましい≠フ現象を捉えるのである―自分とは、生とは、死とは、愛とは、心の悩みや痛みとは……誰もが直面する人生の問題が、ここにある12の物語を通して、思いがけない形で映しだされる。
  
この本にはケストナーの『飛ぶ教室』から佐野洋子の『わたしが妹だったとき』まで、さまざまな本が紹介されていますが、残念ながらどれも読んだことはありません。
   でも、河合先生の分析の見事さに読んでみたいという思いにかられました。そもそも児童文学には、忙しさのあまり物質やお金に過大な価値を置き、現実を単層的にしか見られない大人に対し、大人が見るのとは異なった真実を見ている子どもの透徹した目があるというのです。
   確かに大人になると、いろいろなことに妥協し、