子どもが育つ魔法の言葉
ドロシー・ロー・ハルト
レイチャル・ハリス
訳:石井千春
PHP研究所(本体1500円)


   ベストセラーのこの本を買ったきっかけは、通販のカタログでした。書店で買おうかどうしようか迷っていた時にカタログの中で見つけ、10%OFFにつられたのでした。(まったく主婦というのはわずかな金額にこだわることが多いのです!) 
   巻頭の詩「子は親の鏡」を読んだとき、これだけでもこの本を手許に置いておく価値があるとつくづく思ったものでした。
   長くなりますが、下に引用します。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな
気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と
思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子
に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
   この詩に言われていることをすべて実行できれば、それこそ現代の社会問題の多くは、やがて解決されるでしょう。本の中では詩の一項目ずつを取り上げながら著者が、解説をしてくれています。
   ご自身が愛情と信念をもって子ども達(自分の子のみでなく)を育んできたことを、読者が察することができるような文章です。

   子どもが生まれた時、どういう子に育ってほしいかと聞かれたりすると、親はやさしい子になってほしいなんて言ったりしますが、成長するにつれ、勉強して良い大学をめざし、安定した職業について生涯を苦労なくすごしてほしいというのが現実的な願いになり、子どもにどういう人間性を育んでほしいかを意識して、親がそのために努力するということが今の日本(多分他の国でもそうでしょうか)には欠けているような気がします。

   親だってその親から完璧な愛情を注がれ、バランスのとれた人格を育てるような教育を受けてきたわけではないというのが普通でしょうから、自信もなく、ある時は感情のままに子どもに接したりしてしまいがちです。 

  でも、子ども達が健全に成長できるようにと願う親なら、この本は非常に良い教科書です。
   私も時々この本を開きながら、日頃の行動をあれこれ反省していきたいと思っています。子ども達は未来への希望を託す存在なのですから…。
   でも、これが日本でもベストセラーになるというのは、まだまだ親たちも捨てたもんじゃないということです。