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この本を見つけたのは図書館の新着本のコーナーです。「死んだら…」というタイトルと、「ミスター・シリー(愚か者)」という言葉のミスマッチ。さらには装丁のかわいいイラスト。不思議な魅力を放っていて、手にとって借りずにはいられませんでした。読んでみたら結局手許に置いておきたくなって、買ってしまいました。
この本をどう紹介していいものか、難しいので、訳者の宮沢まゆみさんの見事なあとがきから数箇所引用します。
本書は人生の一日一日が死に直面している子供たちについての本である。子供たちが生という奇跡、死という神秘をどのように理解し、死をどのように受け入れていくかを、著者と子供たちの会話を通して生き生きと描き出した本である。
本書は、決して悲しい子供たちの物語ではない。むしろ読者は、難病と闘う子供たちからエネルギーをもらい、読後に生きる喜びや、さわやかな希望を手にするはずだ。
著者は、こう見抜いている。
「死に直面した子供たちは、死を純粋に受けいれるということに、シンプルで水晶のように透徹した見方を示してくれる。人間は年をとると、かなったり、かなわなかったりした人生の夢や祈りの刻印を背負い、猛々しいまでに生命に執着するようになる」と。
これは、かなり真実を突いている。
今ある生をよりよく生きれば、その延長線上に死があっても、生に執着したり、怖れることはないのだといいうことを、本書を通じて、私たちは子供たちからさりげなく教えられるのである。
「死」というのは、誰もが避けて通れないテーマでありながら、大人になるぼどに考えなくなるものかもしれません。
でも、思春期の自分自身をふりかえってみると、「人はなぜ生きるのか」だの、「どうして死ぬのか」だのと、考えていました。まわりの大人に質問しても満足できる答えが返ってこなかったので、がっかりした思い出もあります。
実際そういう質問にきちんと答えられる人は、そう多くないでしょう。
でも大事なことは、「生あるものは必ず死ぬ。ただ、その時期が早いか遅いかの違いがあるだけ」ということでしょう。だから、長く生きるということよりも、どう生きるかを追求したいものです。
それを忘れないために、時々この本のページをめくりたいと思っています。
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