ホネネン先生
おもしろクランケ

 *以下の話は基本的にはノンフィクションです。 
話の流れ上多少の
誇大表現があることはお許し下さい。

目次

CM2さん……75才、男性
『ビブラート』

BTさん……51才、女性 
同じ話を5回繰り返さないと気が済まない』

AM1さん……30才、男性
『いきなりティファニー』

@Hさん……85才、女性 
『難儀なお年寄り』


CM2さん……75才、男性
『ビブラート』

   この方はもう、7年以上前からの患者さんですが、初診の時の問診票を見

 た時から、ぶったまげてしまいました。非常に細かいビブラートが、全ての文

 字に入っていました。そう、まるで糸ミミズがはったあとみたいに。

 「こ、こ、こ、こ、こ、こしが痛おま、おま、おま、おま、おまんねん」

 と、しゃべりもみごとな、ビブラートです。歩き方も、揺れているトランポリンの

 上を歩いているようなビブラートです。

 「他にどこか悪くはないですか」ときいても、

 「こ、こ、こ、こ、腰がいた、いた、いた、いた、痛いだけだ。」

   この方、いつも予約をとらずに、いきなり来られるんですが、ある日気が付
 
 きました。たぶん、うちの受付が、

 「ハイ、○○○です」と電話にでたら、

 「んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ・・・・」

 「もしもし?もしもし?」

 「あわ、あわ、あわ、あわ、あわ、あわ・・・・・」ガチャン!

 って切られてるんだなって。治療室でも、

 「おはようございます」

 「おは、おは、おは、おは、おは・・・・」

 「調子はどうですか」、

 「にた、にた、にた、にた・・・・」

 「似たり寄ったりですか」

 治療がおわってからも、

 「ぜ、ぜ、ぜ、ぜ、ぜ・・・・」

 「前回と比べても、悪くなってないですよ」

 「げ、げ、げ、げ、げ・・・・」

 「はい、現状維持はできてますよ」

 「ほ、ほ、ほ、ほ、ほ・・・・」

 「ほな、さいなら」

 ってな具合です。
   
   すごく愛すべきおじいちゃんなんですが、会話に時間がかかりすぎるのだ

 けが難点ですね。またこの方が来られる時はいつも混んでるときばっかりな

 んですよ。

  
   9月くらいまでは、比較的暇ができましたので、できるだけアップしていき 
 たいと思います。

BTさん……51才、女性
『同じ話を5回繰り返さないと気が済まない』

 
  もう5年以上も前からの方ですが、つい3日前に来られたときの話です・

 ホネネン 「Tさん、ちょうど1ヶ月ぶりですね。」

 Tさん   「先生、私ね、こないだ診てもらってから、左の足の付け根の痛いの

        と、太股の後ろの突っ張りと、ふくらはぎのだるさと、足首の違和感

        がいっぺんに、全部とれたんですよ。ありがとうございました。」

 ホ 「それはよかったですね・・・」

 T 「そーなんですよ、もうこないだ先生に診てもらってから、左の足の付け根の

   痛いのと、太股の後ろの突っ張りと、ふくらはぎのだるさと、足首の違和感が

   いっぺんに、全部とれたんですよ。」

 ホ 「そうですか・・・」

 T 「そーなんですよ、こないだ・・・」

 ホ 「こちらに、寝て下さい。」

 T 「はい。」

 ホ 「それで、今日は調子はどうですか。」

 T 「はい、ありがとうございます。おかげさまで、このあいだ先生に診てもらって

   から、左の足の付け根の痛いのと、太股の後ろの突っ張りと、ふくらはぎのだ

   るさと、足首の違和感がいっぺんに全部とれたんで、今は特になんとも無いで

   すが、しいて言えば肩がこるくらいです。」

 ホ 「わかりました。では診ていきましょう。」

  治療がおわりました……もちろん治療中も他の話を繰り返ししゃべっておられた

  んですが。

 ホ 「Tさん、今日はそんなに悪くなかったですよ。」

 T 「あっそうですか、ありがとうございます。おかげさまで、このあいだ先生に診

   てもらってから、左の足の付け根の痛いのと、太股の後ろの突っ張りと、ふく

   らはぎのだるさと、足首の違和感がいっぺんに全部とれたんですわ。ありがと

   うございます。先生次はいつ来たらいいですか。」

 ホ 「そうですねぇ、調子良かったらまた1ヶ月先でもいいですよ。」

 T 「そうですか、もーこないだ先生に診てもらってから、左の足の付け根の痛い

   のと、太股の後ろの突っ張りと、ふくらはぎのだるさと、足首の違和感がいっ

   ぺんに全部とれたんで、調子はいいんですわ。」

 ホ 「そしたら、1ヶ月にしときましょ。」

 T 「ありがとうございました。」

  やっと治療室をでて行かれました。でも、いつものことなんですんが・・・

 T 「先生、ちょっといいでしょうか」

 ホ 「はい、なんですか。」

 T 「私ね、毎日椅子に座って、顕微鏡覗いてるんですけど、私の椅子真ん中が

   へこんでるんですよ。そんなんって、腰にいいでしょうか。」

 ホ 「それはあきませんなあ。椅子もいろいろあるけど・・・・・(椅子の説明を約2

   分)・・・・・それやったら、平らなパイプ椅子の方がましですわ。」

 T 「そーですか、やっぱりねえ。私の椅子、つい最近会社から買ってもらったんで

   すけど、真ん中がへこんでるんですよ。あれってやっぱり腰に悪いですよね

   え。」

 ホ 「悪いです。そやから、パイプイスのほうがましやって・・・」

 T 「そうですよねえ。私毎日椅子に座って顕微鏡のぞいてるんですけど、私の椅

   子の真ん中がへこんでるんで、のぞきにくくって・・・ あれって、やっぱり腰に

   悪いですよねえ。」

 ホ 「さっきから言ってるうに、悪いですって。」

 T 「私の椅子・・・」

 ホ 「パイプイスにしなさい」

 T 「顕微鏡・・・」

 ホ 「はい、わかりました。はい、はい、はい。お大事に!」

  と、ホネネンはトイレへとにげてしまいました。

  いつも、土曜日の最終の時間、12時半に来られて、後にほかの患者がいない

  のをいいことに、放っておくと30分もしゃべって帰られます。一回帰られたと思

  ったら、戻ってこられたこともありますし、質問事項を10数項目紙に書いてこら

  れたこともあります。3日便が出ないと、病院で精密検査をしてもらうそうです。

  神経質なのか無神経なのか・・・

  この方の為に、私とスタッフのお腹は、グーグーと音をたてて鳴いています。


  私ホネネンは、4月から毎月の定期セミナーを開講しております。その他にも、

  不定期的に地方セミナーの依頼があったりで、大変多忙を極めております。

  ネタはまだまだいっぱいありますので、暇が出来次第アップしたいと思います。

  でも、今度はいつになるやら・・・・・・・

       

AM1さん……30才、男性
『いきなりティファニー』

  このMさんのことを書くのは、すごく難しいと思います。すごくまじめで、すごくい

 い人なんですが、どこかピントがずれていて、少しかわいそうな結果に終わったか

 らです。

  腰が痛くて来られたんですが、5回位治療すると、すっかり良くなられまして、

 当然のように、

  「ぼちぼち、(治療の間隔を)開けていきましょうか。」

 ということになったんですが、

  
「先生、1週間に1回来させて下さい!」

 とおっしゃるので、

  「そらまあ、開けすぎるのはあかんけど、(間隔を)詰めるのはかまわないです

  よ。」

 ということで、全くどこも悪くないのに、毎週月曜日に通って来られるようになりま

 した。

  「調子はどうですか?」

 と聞いても、毎回

  「なんともないです。」

 という答えです。

  その間、私とも全く雑談もしないし、スタッフとも全く言葉をかわすわけじゃなく、

 お金を払って、同じ曜日の同じ時間の予約をとって帰られるだけです。

  そんな状態で、3〜4ヶ月過ぎた頃でしょうか。うちの2人いるスタッフのうち既

 婚の方のスタッフ(Uさん、26才)が、治療時間終了後、

  「Mさんから、Tさん(未婚の方のスタッフ、21才)にって、こんなん受け取った

 んですけど・・・」

 と、紙袋を持ってきました。

  「おっ、なんや? まあ、とにかくTさんに渡したって。」

 と、私が言ったので、Uは、Tに紙袋を渡しました。

  「えー、なに?なんで私が?」

 と言いながら、少しまんざらでもなかったTが紙袋を開くと、中身は・・・なんと
ティ

 ファニーのネックレス
。しかも、手紙付き。手紙の内容は、皆さんご想像の通り、

  「僕とお付き合いして下さい・・・」

  「全く話したこともないのに・・・」

 と、Tは絶句。

  「もらっといたらええやん。」

 と言う私の言葉も聞かず、

  「次来られるときにお返しします!」

 と真面目なT。

  そして、次来られた時に丁重にお断りし、ネックレスもお返ししたそうです。

  「もったいないなあ、もらっといたらええのに。」「これで、Mさんも来なくなるやろ

 な。」「そやけど、Mさんも、Tに会うためとはいえ、もうかれこれ8〜9万円は治療

 費払ってるでえ。」「しかしMさんも順番間違っとるわ。いきなりティファニーのネッ

 クレスはないわなあ。」と私はいろいろ考えていたのですが、私の予想に反し、M

 さんは何事もなかったように引き続き治療に来られました。

  そして、また3ヶ月位たった頃、Mさんが来る月曜日にたまたまTが休んだんで

 す。Mさんは、いつもと変わりなく治療をし、いつもと同じように次の予約をとって

 帰られました。でも・・・・

  3日後、治療所にMさんからの手紙が届きました。

  「都合が悪くなり、予約の日に行けなくなりました・・・」

 と書いてありました。そして、それからMさんは二度とうちの治療所には来られま

 せんでした。

  皆さん、このお話をどのように感じられるでしょうか? 私はMさんの純粋な心に

 感動を覚えます。Tはとってもいい子で、Tには全く責任はないのですが、30才の

 Mさんに春が来なかったってことには、悲しい気持ちになります。

  Mさんは今頃どうしてるでしょうかねえ。今度会えたら、一緒にお酒でも飲みた

 いですね。

 
 私、ホネネンは、4月8日まで超忙しモードに入ります。このコーナーのネタはい

 っぱいあるのですが、アップできるかどうか・・・

 出来る限り、アップして行きますので、ちょっとばかし、お待ち下さい。

@Hさん……85才、女性
『難儀なお年寄り』

  このクランケは、第一回を飾るに相応しいほど強烈ではなかったので

 すが、2〜3回しかこなかったわりに印象にのこっているのは、ちょう

 どそのころセミナーの原稿を作っていて、この方をネタに使ったからだ

 と思います。

  もうかれこれ1年ちょっとまえのことです。初診カードに85才と書 

 いてあるわりには、すごく元気な患者さんがみえました。レントゲンで 

 みると、股関節の変形がひどくて、かなり歩くのが困難なようです。充 

 分にレントゲンの説明をして、さあ治療ということですが、年齢を考え 

 ても、「変形」ということを考えても、強い治療をできるわけがありま 

 せん。そのことも説明して、まあ少しは楽になるよと言ってその日はお 

 わりました。

  その時、私は知らなかったのですが、この方はかなり難儀な人だった 

 のです。その日の仕事がおわってから、うちのスタッフに聞いたところ 

 よると、この方は乳母車を押してしか歩けないので、階段は登れない、 

 エレベーターは一人では乗れない、インターフォンを押してと言っても 

 何のことか解らないという状態です。その日はたまたま、他の人に連れ 

 てきてもらったから来られたけど、

  「次来る時は、だいたい、わたいが来るころに入り口まで迎えに来と 

 いて。」

 と言って帰られたそうです。

  このHさんというのは、年令のわりにしっかりされてるのですが、そ 

 の分全くかわいらしさがないのです。初めての時もこちらがカチンとき 

 たり、額にしわを寄せるようなことばかりでした。

  次に来られた時の事です。もちろん、うちのやさしいスタッフは来ら 

 れる時間を見計らって、マンションの外まで迎えに行ってたのですが、 

 さあ治療という時です。以下はその時の会話の一部です。

  「先生、わたいな、こないだ整骨院行って、『カイロプラスチック行 

 ってんねん』言うたら、『そんなとこ行ったら骨ボロボロなるでぇ』っ 

 て言われてんけど、わたい大丈夫だっか?」

  「大丈夫だっかって、Hさん、こないだのあの治療で骨がボロボロに 

 なると思いますか?」

  「そんなんいうたかて、整骨院でそない言わはってんもん。」

  「そらきっとカイロを知らん人が言わはったんやわ。」

  「いや、自分も行ったことあるて言うたはった。」

  「そしたら、その人の行ったとこはひどいとこやったんやろなぁ。」

  「そんなん、わたいは知らんわいな。」

  「まあええわ。ほんで、こないだの後どうですねん?」

  「ようなったから来たんでんがな。」

  「ようなったんやったら、そんでええやん。」

 というような会話をしながらも、私は非常に情けない思いでした。まだ、

 私のやってる治療法は世間には全く評価されてないんだなぁって。

  これがあってから、私はセミナーにより一層力を入れ、立派な治療家 

 を育てなければ、と思っています。

  その次のこのHさんの予約の時間に、うちのやさしいスタッフが、何 

 度もマンションの外まで見に行きましたが、とうとう来られませんでし 

 た。

  このあと私自身も、もう一度原点にもどって、治療や患者教育や後輩 

 の指導により一層努力しているのは言うまでもありません。


  第一回ということで、ちょっとまじめな話になりましたが、「おもろ 

 い」、「めっちゃ腹立つ」、「なんやわからん」という患者はいくらで 

 もいます。私の気の向くままにUPしていきたいと思います。

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