でるの妊婦日記(最終話)

                     〜でるが妊婦だった最後の4日間のお話です〜
               ちょっときわどいところもあるけど私と赤ちゃんとの決して忘れたくない思い出だから
                      文章として残す事に決めました。妊娠中のお友達も多いので、
                    妊婦さんの数だけ色々なお産があると思うけれどそのうちの一つと思って
                            参考にしてもらえたらと思います。(*^。^*)


      2000年7月13日
           今日は夫がお休みです。やっぱり産まれていないお腹の赤ちゃん。
           さて今日はどこを散歩しようか・・・。毎週休みのたびに同じ事を考えるのも
           もう懲り懲り、というのもいつもこれが最後なのかもねーと言いつつ毎週歩いているから。
           でも一昨日の40週の検診ではとうとう先生からタイムリミットの日にちを言い渡されました。
           その日、子宮口が固いので柔らかくする薬を使用されたのですが、14日にももう一度
           使用するので診せに行くという事と、18日に検診をしてそれでも産まれそうもなければ
           19日には入院して陣痛を薬を使用して促進するとのこと。
           七夕の予定日が本当に海の日になってしまいそう・・・。
           とにかく薬を使ってのお産はリスクが高くなるし、できれば自然なお産を体験したい。
           というわけでとても暑いのですが本日のお散歩なのです。
           行き先は野田の総合公園。ハーブ園やアスレチックもあって結構広い公園でした。
           1時間半ほどお散歩して夜は、やっぱりこれが本当に最後だからと、一度行ってみたかった
           フランス料理のお店へ。ファミレスならまだしも、こういうお店にはこの後何年経ったら
           来れるんだろうねー、なんて話しながら食事をしていたらなんとなくお腹がしくしく痛む。
           生理痛くらいの痛みで全然我慢できるのだけど時間を計ってみたら10分おき!!
           「もしかしたらこれって陣痛??」夫と食事もそこそこに嬉しくなって興奮状態。
           今考えたら、そんなに嬉しくて楽しいなんて、陣痛ではないっていうの!
           結局食事が終わって車に乗ったら痛みは遠のいてしまいました。
           いわゆる前駆陣痛って言うのだったのね・・・。はー、まだなのか・・・。

      2000年7月14日
           昨晩もなんとなくお腹が痛かったけれども陣痛ではないみたい。
           ため息をつきながらトイレに入って・・・。「ぎゃーーー!しゅっ、出血している!」
           そう。おしるしです。おしるしって、もっと少量の出血だと思っていたから
           はっきり言って驚いた。ちょうど今日の午後は病院に行くからいつお産が始まっても
           良いように、入院セットも持って行こうっと。
           (なーんて自分で車を運転していくだからまだお産は先だよ・・・。今思えば。)
           念の為マタニティービクスはお休み。今ごろお友達は「いよいよお産が始まったかー?」
           なんて思っているのかしら・・・。まだなんだよね・・・。
           アー、独り言が多い私。とにかく初めての事で色々なことが頭を駆け巡っている。
           そして病院に行ったら・・・。
           「子宮口はまだ1センチだねー。おしるしがあっても今日明日でお産が始まるのは
           5分5分かな?」という先生のお言葉。
           はー?まだなの?一体いつになったら陣痛が始まるのよ。
           このまま永遠に始まらないような気がする。
           とりあえず、その旨を夫にメールでご報告。
           夫はすっかりこの一両日中に赤ちゃんと会えると思っていたらしく、
           やっぱりがっかりしたみたい。
           本当はどんどん歩くべきなのだろうけどこの暑さとおしるしで、そんな気分にもならない。
           昼寝でもしようっかな?(^^ゞ

      2000年7月15日
           昨晩の10時ごろから規則的なお腹の痛みが始まった。
           時間を計ってみたら15分。  まだまだだなー。
           でも結構、痛いみたい。一晩中気になって時計を枕もとに置いて、痛くなるたびに
           時間を計っていた。(もっときちんと寝て体力を温存しておけば良かったのに・・・。今思えば)
           どんどん間隔が縮まっている。12分、10分、早い時は8分!!
           ええー!、病院に電話したほうが良いかしら?とにかく朝まで頑張ってみようっと。
           結局、腹痛と時間が気になってしまって2時間ほどしか眠れませんでした。
           朝6時に腹痛と共に起床。起き上がって間隔を計るとぴったり7分!
           いよいよだわ!!! 1時間ほど様子を見て確信してから病院に電話。
           「とりあえず入院の道具を持っていらしてください」 あー、その言葉を待っていたのよー!
           夫も私も興奮状態。(笑) すぐに実家の母にも電話して病院に来てもらうことに。
           (今思うとこれもちょっと早とちりだった・・・。) 
           夫はこの日も出勤予定。でもお産が今日中に始まるのなら休むと言っている。
           とりあえず診察してもらわないと分からないから念の為スーツを着てもらって
           いつでも会社に向かえるよう準備をして、早速車で出発。
           あー、これが夫婦ふたり水入らずの最後のドライブ、(笑) なんて思っていたら
           なんだか陣痛が遠のいてきた気が・・・。 間隔は15分。(>_<)
           「大変、帰宅させられてしまうかも・・・。」二人で青ざめてみる。
           病院に到着して分娩監視装置をつけて陣痛の間隔を計ることになった。
           やっぱり間隔が延びている・・・。15分間隔だーー。
           先生は「子宮口はまだ1pちょっと。まだお産まで時間がかかりそうだけど
           とりあえず入院してみる?」と聞かれたので「はいー」と一つ返事。
           夫には本格的なお産が始まったら帰ってきてもらうことにして出勤してもらった。
           実家の母も昼には病院に来てくれた。ちょっと心強いかな?
           お産が早く進むようにと病室の中をぐるぐると歩き回ってみる。
           こんなに頑張っているのに陣痛は7分間隔から狭まらない。
           3時の回診では陣痛の合間に、にこにこと笑っている私を見て先生が
           「まだお産は先のようだから一度帰宅したら?」とのこと。そんなー。
           「もう少し頑張らせてください・・・。(>_<)」 笑顔が消えてしまいました。
           それからの私はもう必死です。スクワットしたり(3回で懲りたけど・・・。)
           階段の上り下り、病室では休み無く8の字を描いて歩き回り(母は私を見ていて
           目が回り、気分が悪くなったそう・・・。)とにかく子宮口が早く開くようにと努力しました。
           陣痛の間隔も5分になり夜8時、助産婦さんに診てもらったけどまだ2p大。
           「出産は明日になるねー」 そっそんな。がっかり。結構辛いんだけどなー。
           ところがこれからが大変です。この内診でどうも刺激されたらしい。
           陣痛がどんどん重くなってきました。あまりの痛みにうなり声が出ます。
           「うそー、なにこれ!!」って感じ。(T_T) 間隔もどんどん短くなります。
           ここから先はあまりの激痛と恐怖で思い出したくない・・・。
           はっきり言って人格が変わりました。(>_<)

      2000年7月16日
           夜中の12時に4分間隔、子宮口4pだったのに明け方4時には
           1分間隔の8p大になりました。陣痛の波が来る度にかなりのうめき声が出てしまい
           (きっと隣り近所の病室にも聞こえていたと思う)喉も痛い。
           でもいよいよお産なのね!
           病室から分娩室までなんと遠く感じたことか。(運悪く、一番分娩室から遠い部屋だった)
           陣痛の合間に少しでも歩こうと思うのだけどすぐに激痛が襲うので
           全く先に進めない。やっとの思いで分娩室に入り、母が夫に電話して
           すぐに来てもらうことになった。4時半、夫到着。
           夫立会いの元、分娩台に上ったのにまだ子宮口は9p。
           お産は10pになってから始まります。
           もう息みたくて仕方ないのに今、息むと子宮口が浮腫んで開かないとのこと。
           必死になって息みを逃します。
           おまけにここに来て、破水して入院してきた人と、他の病室の妊婦さんも9pで
           今にも産まれそうだということで、助産婦さんも看護婦さんもてんやわんや。
           あー、私も産んじゃいそうなのに足元には誰もいない・・・。
           真剣に不安になりました。(T_T)
           そしていよいよ助産婦さんから息んでも良いとのお許しが!
           その言葉を待っていたのよー。
           よく「1回息んだらポンと産まれた」なんて言う話しを聞いていたから
           私もすぐに産まれるんだと思っていたのにそれからも長かったの・・・。
           多分30回くらい息んだと思う。
           とにかく必死だった。これ以上お産が長引いたら赤ちゃんが苦しむのでは?と思うと、
           痛みと恐怖で気が狂いそうになった。夫は横で手を握って励ましてくれたけど
           はっきり言って全然その言葉は判別できないほどだった。
           また、2日間ほとんど寝ておらず、スタミナ不足で陣痛の合間に思わず意識が
           遠のいていく。でも頑張らないと!
           そして赤ちゃんがいよいよ誕生!
        
 大きな泣き声と共に赤ちゃんが視界に入ってきた。私も夫も感動で涙が止まらない。
           7時3分、3070グラム。女の子でした。
           ずっとお腹の中で元気に蹴っていたのはこの足ね。手の五本の指も一生懸命に開いて、
           
突然生まれ出た全く異なる世界に驚いて泣いている。
           なんて不思議なことなんだろう!ものすごい存在感。言葉にできない色々な思い。
           夫は横でビデオを回しながら感動して泣いている!
           私は先生や助産婦さんへの感謝の気持ちで一杯だった。
           
           お産は本当に大変だった。言葉では表現できないほど。
           でもその痛みも恐怖も時が経つにつれ忘れていく。
           そして確実に成長していくわが子。
           大変なこともたくさんあるけど、その分喜びは何倍にもなって帰ってくる。
           妊娠、出産を経験して私も少し成長したかな?
           そして最も重要なことは出産はゴールではなくスタートだという事。
           出産から2ヶ月半が経つけど、つくづくそう思う。
           それから子供の笑顔や寝顔を見ているとあんなに辛い思いをして、陣痛の合間に
           「絶対に一人っ子にする!!」と固く決心をしたのに、
           「もう一人くらい産んでみてもいいかなー?」なんて思ってみたりで
           ちょっと油断気味の今日この頃です。(笑)

           でるの妊婦日記はこれで最後です。
           でも育児にはゴールがありません。
           もっと余裕ができたら今度は育児日記を!と思うのですが
           さてそんな日がくるのでしょうか?
           最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。(*^。^*)