No.1 デンデン虫、虫、かたつむり


 先日、新聞の投稿欄に、こんな内容のことが載った。バスの中である親子連れが乗っていて、子供が大騒ぎをしていた。そのお母さんがたまらず、「そんな悪さをしていたら、運転手さんに叱られるよ !! 」とさけんだ。それを聞いていた運転手がマイクで「あんたの子供は、あんたが叱りなさい」その言葉で廻りのお客さんから一斉に拍手がおこった。」と、こんな内容であるが、これを読んで、僕も、運転手さんよく言ってくれたと、やはり拍手をしてしまった。
 ところが、この投稿を見た若い母親から反論の投書が載った。
 「確かに態度の悪い母親もいると思います。しかし、そうでない母親もたくさんいて、子供は十人十色です。どんなにしかっても、なだめても聞かない事もあります。その一場面だけで駄目な母親とレッテルを張られるのは、とても辛いことです。夜泣きで一晩中抱っこしていても、日々どんなに頑張っても、それは周囲からは見えません。何時も一緒にいる母親よりも、他人が注意してくれるほうが効き目があることもあります。周囲の人が『お母さんが困っているよ、静かにしてね。』と優しい言葉を掛けていただくことを期待するのは甘えでしょうか」
 これにも、そうなんだ、と、うなづいてしまった。
 というのは私達夫婦は昨年から5年生のヨシミと3歳のひろみの姉妹を預かり育てている。ひろみがまだ2歳だった時バス旅行に出かけた。その帰路、バスの中ではしゃぎまわって大変困ったことを思い出したからだ。おこっても、おだててもダメ。抱くとギャーギャーわめきだし、ほとほと途方にくれてしまった。私達夫婦は僕が58歳、家内が53歳、実子3人と里子として短期(正月と夏休み一週間)を入れると、14人のこどもを育ててきた。
 そんなわけで、先の方の投稿にもそうだそうだと思えるし、現役パパとしては若い母親の苦労が手に取るように分かる。と言うことで、冒頭にこんな話を披露した次第です。
 自己紹介が後になってしまったけど、私はヒゲの松山です。よろしく !!
 ヒゲをアピールする由縁は、僕はヒゲをはやすことで日本人でなくなったんだ。ヒゲで変身 !! 今の日本、日本人の行状は涙の出る程悲しいものだ。なにが悲しいかだって? もういちいち書き上げたら、この連載を全部使っても書ききれないよ。だから、このヒゲで日本人を止めたんだ。だけど言っとくけど、本来の日本は大好きだよ。緑あふれる美しい山や森、変化に富んだ海岸、豊かな海の幸、多くのお年寄りが持っている謙虚で思いやりのある心、そんないい日本人の心が戻ってきてほしいものだ。それまで、日本人を止めて、微力ながら外からこの国を変えていきたいんだ。
 私達の実子3人はそれぞれ結婚して幸せに暮らしている。孫は一人です。
 実子がみな学校に行くようになった頃から、まず、高校3年生の男の子を長期里子として受け入れた。その後、小学校1年生の男の子を17歳まで育て、以後、16歳〜18歳の男の子2人を一年〜二年預かり、現在はヨシミ、ひろみの4人家族で暮らしている。
 他に、我が家には鶏が十数羽、山羊一頭(今は冷蔵庫の中)、ネコ、いろんな自給用の野菜、今年からは佐用の方でも米も作り出した。庭や畑(いや家の中にも)には、いっぱい虫達がいる。虫はだいたいノーサンキュウだけど、この間から、よくカタツムリが出てきたので、捕まえてひろみが保育園に持っていった。家内が園で「♪デンデン虫虫カタツムリ、おまえの頭はどこにある…」と大きな声で、いやはずかしいので小さな声で歌ったら、みんなが寄ってきて大騒ぎ、先生もティッシュの箱で「カタツムリの家」を作ってくれた。おかげでひろみは鼻高々、ごきげんだった。
 みなさん、デンデン虫ってみたことありますか? このごろめっきり少なくなったけど、僕がこどものころ、これでよく遊んだものだよ。ナメクジの親戚らしいけど立派なツノを出して歩いている様はなかなか堂々としていて貫禄がある。ところが、ちょっとでも手を触れようものなら、カメのように甲羅にかくれてしまうような情けないやつだ。そこで「♪デンデン虫虫カタツムリ、おまえの頭はどこにある…」と歌い出すとツノを出してくる。
 余談になるが、こいつのでかいのをみると僕はよだれが出てくる。そう、エスカルゴを思い出すからだ。
 我が家には、まだまだ虫さんがいっぱいいる。丸虫、アリ、ハチ、テントウムシ、ブイブイ、…ところが、この姉妹は来た当初、虫は大嫌い。虫を見たら恐怖で顔がひきつり、すごい声をあげる。夜中、虫の夢を見たのだろう、布団の上に起き上がり、昼間と同じ恐怖の声をあげる。この子達の元の住まいはマンション、しかも付近は車の往来の多いところ、外に出て遊ぶことはほとんど無かったようだ。悪いことに母親(99年に他界)も大の虫嫌い。姉のヨシミが言うには「うちとこは肉が好きでベランダでよう焼肉をしたわ。お父さんだけがベランダで肉を焼いて、出来たらお母さんと私たちが出て食べてん」とのたまう。
 はたしてこの子達、この虫御殿の我が家で暮らしていけるのだろうか?と心配したが、まずひろみの方が虫好きになり、今では丸虫とは大の親友で座敷まで上げて少々こまっている。姉の方は誰まだまだだが以前のような恐怖の声はあげなくなった。
 子どもたちが動物や虫が好き、嫌いっていうのは置かれた環境と親の影響が大きいね。特に日頃接触の多い母親の影響が。だって、好きも嫌いもどちらも女偏だよね。お母さんガンバッテ !!


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