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         フィンランド こぼれ話      第 32 回   -2004/6/21-
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「土の近くで」

ここで陸は終り海が始まる。建築家クリスチャン・グリクセン(Kristian
Gullichsen)のサマーコテージはHankoとTurkuの間に位置するHiittinen島,
フィンランドの外海の辺りにある。
コテージは岩と岩の間にひそむように建っている。海から見たら気がつかない
だろう。建物は細長い箱の形をしていて屋根はグレーのパネルで葺かれていて
まるで倉庫か小屋のような趣きだ。
両側の長い側面には面積の大きな開閉可能なガラス戸。典型的なフィンランド
の海辺の別荘ではない!?「これは地元風と日本風木造家屋の伝統を融合させた
スタイル。」建築家は言う。
「日本の木造建築専門家には,硝子戸が床から天井までの高さがあるというの
はごく当たり前の事」夏用として建てられた別荘には、ガラス戸は素晴らし
いアイディア。日が差せば窓を開け、風が強くなれば閉める。「このスタイル
にしたときに色んな人から、両方がガラス戸だとヘラジカがガラスを突き破っ
てくるんじゃないか、と注意されたよ。まだそういう事故は起こっていないけ
どね」
クリスチャンはまた、いかにここで朝から晩まで楽しんで過ごせるかも含め、
方角を検討したという。朝日の光が差し込む方で朝食を食べ、太陽が西に移動
したら反対側に移動する。「普通の家は太陽に対し、一つの方角だけをメイン
として考えているけれども、ここは建物の両サイドを使えるようにした。
グリクセンは30年前にこの7ヘクタールの島を購入した。それ以前は賃貸コ
テージを使っていたが、船に乗っていた時にこの島を見つけた。周りが深いの
で大きめの船で来る事もできる。
それまで島にいたのは羊だけ。白樺も羊に食べられてしまっていたのでサウナ
の為のVihta(白樺の小枝の束、身体を叩いて血行を促進、爽やかな香りも楽し
む)を作るのに隣島まで行った。
グリクセン家は最初はテントに寝泊り。家族が増えるにつれ、コテージを建て
る事になり、今では島には小さな村があるようだ。夏に滞在する時は大きな
キッチンで料理ができるようになっている。多くの場合はクリスチャンの息子
でヘルシンキのレストランMaxillオーナーのアレクサンダーが料理を担当。
「彼が夏をここで過ごす習慣で助かってるよ、かなりの釣りキチだし、プロの
シェフでもあるし。」と父親。建築は彼の人生は多くの点で恵まれてきたと言
う。「私は健康で、たくさんの子供と孫に囲まれている。たまたま裕福な家庭
に生まれたのも幸運だった」クリスチャンの母、Maireはフィンランドでも著
名な芸術の保護者でありコレクターだった。一族の所有するAhlstro"m社産業
によってクリスチャンは更に裕福になった。家族が住んだVilla Mairea(マイ
レア邸)は家族の友人だったAlvar Aaltoによって設計された。マイレア邸が
出来上がる頃クリスチャンは7歳で、後にマエストロの元で建築を学ぶ事に
なった。「僕はアールとの事務所では使い走りで鉛筆削り係だった。時々
ワインを買いに行かされたりもしたな」
70歳になるグリクセン教授は自身も多くの仕事をやり遂げている。ストックマ
ンの増築部分やストックホルムのフィンランド大使館などだ。華やかな経歴を
見るとこの島でのあまりに質素な暮らしは想像しにくい。
「ある人は別荘を豪邸のように建て、色んなおもちゃで中を満たすけれども、
私たちはその逆をいっただけさ。電気は無いが太陽パネルがランプに必要な
エネルギーを供給してくれるし、外には井戸も有る、以上。」「ここでは美
しい風景が有る。一日のうち何回も様子が変わる。雨が降ったら気持ちいい
し、嵐は心をわくわくさせてくれる。曇りの日は晴れより美しい。この辺りの
景色にある美しいグレーのグラデーションが見られるのさ。」
(Helsingin Sanomat, Kuukausiliite Kesa"kuu pp.62-65)


++++++++++編集後記++++++++++++
如何でしたでしょうか。

人間、豪華絢爛なら良いというものではないんですよね。もっともこれは趣味
の話でもありますからそういうのがお好きな方にはたまらないでしょう。イタ
リアのメディチ家のヴィラなんてそれはもう考えつく限りのところに金銀をち
りばめ曲線であらゆる所がくねくねと覆われているような感じで目がくらみま
した。それを見て旅行からフィンランドに戻って白樺のフローリングや松材の
天井がみえる我が家に戻ってほっとしました、、、。3年前の事です。この辺
りも侘び寂びと一足飛びに結びつけるのは難が有りますが、日本とフィンラ
ンド(はたまた北欧?)があい通じる所なんでしょうか。
先週、ヘルシンキに行ってまいりまして、フィンランディア・ホールにて催さ
れた裏千家第15代お家元(現在は16代目)の講演会を夫と拝聴しました。
御年81歳と思われないほどはつらつとした姿、声でさすがのカリスマ性に夫婦
共感服しました。講演自体はフィンランド初の本格的なお茶室がスオメンリン
ナ島城壁内部にできたのでその記念だったのですが、素人の私達にもとてもわ
かりやすく、後半は舞台上に畳を置いてしつらえた広間でお弟子さんたち?が
薄茶点前を披露してくれました。その前にお茶も振舞われて美味しい抹茶を頂
いてきましたよ。日本にいたらこんな偉い方の講演を気楽に(しかもなんと無
料
)聴きに行くなんて無理だっただろうなぁと改めて思いました。友人が英語版
通訳をブースでしていましたので、本来はフィン語も日本語も分からない人用
のイヤフォンを日本語が分かる旦那の事をなだめすかして「主人の為に」と嘘
をついてどういう風に訳しているかを聞くのも同業者の端くれとして勉強にな
りました。(嫌な奴ですね〜)
フィンランド語通訳の方はフィンランドの裏千家代表の男性が大宗匠(字、
あってますか?)横で逐次通訳されてたんですが、これまた素晴らしい通訳で東
山文化や禅の観念、陰・陽、お手前の説明などよどみなくいやーもう何から何
まで、実り多い2時間半でした。お呈茶で隣に座り合わせた人がノルウェーの
茶道をたしなむ人たちの代表とかで、スウェーデンからも陶芸家の藤井エミさ
んや日本の町家についてPhDを取った人がいらしていたり、フィンランドだけ
でなくて色んな方がいらしていたようです。まだ興奮冷めやらぬといったとこ
ろです。日本からも素敵なお弟子さんたち(男性の羽織袴っていいですねぇ!)
華やかな着物姿の女性たち、フィンランドの茶道関係の方々も色無地やら付け
下げやらでがんばっていらっしゃいました。お干菓子もおいしかったし、大満
足です。主催の大使館関係の方は準備で走り回られて大変そうでしたが。。。

残念なのは、茶道が本で学ぶのではなくて師から弟子へ伝えられると普通言わ
れるもののようなのでやはり身につけたければ先生につくしかないんですよ
ね。でもヘルシンキまで毎週、でなくとも毎月通うのも難しい状況では本や
ネットで知識を得るしかないでしょうかね、、でも細かい知識ばかりで頭で
っちになるのも本筋からそれそうです。ここで記事の話に戻りますが、茶道
も侘びを大事にすることから2畳半の小さな茶室や”草庵”のような雰囲気を
大事にするようですね。つまるところは心のもちようが大事なのであって高
い道具をそろえればいいというわけでもない、と。ここでも上のグリクセン
氏の言う事に通ずるものが有る気がしました。

一緒に行った旦那もかなりお茶に魅了されたようで(留学や駐在時代に数
回客として参加した事はあったようですが面白さには初めて目覚めたらしい)
今度里帰りしたら一緒に私と習いに行くとか言い出しました。剣道は家族を大
事にする手前、稽古に行きたくても週に一度も行け無いし、という事で一緒に
できる趣味ができるのはいいことです。ゴルフより気長にそれこそかなり年
取っても楽しめそうでこれはいいかも、と思っています。ゴルフは時間がかか
りすぎて(スタート前の練習に一時間、往復で30分、9ホールだけでも4時間弱
家を空けなくてはならないので)私も最近ベビーシッターのアレンジなどする
のに疲れてきました。子育てが一段落してから始めた方がいいかなぁなんて
迷っている所です。
一緒にプレーする女性たちも殆ど子供は成人して仕事して生き生きリフレッ
シュ!という方が多くて、私のような小さな子を抱えてるなんて状況の人
なかなかいません。

更に今回はデザインミュージアムに寄り、アルヴァー・アールトのデザイ
ナー、画家としての面にスポットを当てた展示会も見てきました。彼がネック
レスなども(知人にのみ)作ったなんて知りませんでしたね。椅子や家具など有
名なのから無名に近いものまで幅広く展示されていて非常に面白かったです。
18歳ぐらいの絵もかなり上手でした。この夏ヘルシンキに旅行される方、是非
ご覧になってください。次回その展示会についての記事を訳します。

では今日はこの辺で失礼します。


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