7ヶ月〜
7ヶ月に入り、ますます胎動は激しくなり、足がよくつるようになった。
育児用品も日が経つにつれて増えていく・・。
ママが通院していた病院は、お腹の赤ちゃんの様子を
ビデオに収めてくれるサービスをしていたので、ママの健診の日は、
皆がビデオに釘付けだ・・。

「あっ!これ手だね・・あっ!足が動いてるーー」と、盛りあがる日々。
「りなは女の子が良いな〜」と、梨奈が言うと、としは 「だめーー男!」
と、反論する。

そして・・8ヶ月の頃。羊水が少し多いと言われるが、まだこの時期は
心配いらない!と、言われる。
ママはたまごクラブの愛読者だったので、羊水の記事も何度か見ていた
「羊水が多いと言われたけど、無事に出産した!」「羊水が少ないと言わ
れたけど元気な子が産まれた!」そういう記事を読んでいたから、あまり
気にもならなかった・・。

8ヶ月の中頃。「羊水過多症」と、診断される・・。この頃、少し動いただけで
お腹がかちかちになる事が多く、さすがに少し不安を抱いていた。
保健婦さんに連絡をして 「羊水過多症って言われたけど大丈夫かな?」
と、聞くと 「羊水の量は人それぞれだし、あんまり神経質にならなくて
良いのよ!」と、なだめられた・・。

それでも納得がいかないママは、本屋で羊水過多症を片っ端から調べた。
お腹が頻繁にはる。胎動をあまり感じない。奇形の恐れ。など・・いろいろ
書いてあったが奇形の恐れ!の文字が妙に妬きついた。そういえば・・
手足が短いって感じた事があったな・・。でも・・無いわけじゃないし・・。
胎動はとっても強いし・・。奇形なら先生が分かるはずだもんね・・。
大丈夫だよね・・。そう自分に言い聞かせる毎日・・。

9ヶ月の頃、先生に 「やっぱり羊水が多いですね。でも見た感じ異常は
見られないので、もしかしたら内部に異常があるのかも?一度、市立に
行って見てもらいましょう」と、言われた・・。

少し不安はあったものの、あんな診断結果が出るとは夢にも思っていなか
った・・。市立の先生達が食い入るようにモニターを見つめている。
「OO先生呼んで!」そう言いながら先生が増えて行く。。レントゲン撮影を
して診察室前で待つママは、しきりに 「大丈夫よね?」と、パパに訴える。
二人で診察室に呼ばれた・・。先生達の重苦しい顔が不安を大きくした。

「・・・・奇形です。死産か・・産まれても助からないでしょう。」
先生の言葉に絶句した。「は?今、何を言ったの?何??聞こえない???」
頭の中でぐるぐる駆け巡る・・「死ぬ?奇形?」 パパも言葉を失っている。
やっとパパが口を開いた・・。「どうすれば良いんですか?」 先生は一呼吸
置いてゆっくり話した・・「もう9ヶ月ですから、何も出来ません。普通にお産
するしかありません・・。ショックとは思いますが・・かなりひどい奇形です。
生きて産まれても恐らく数時間で死んでしまうでしょう・・・。」
ママは座っているのがやっとだった・・。

ただ・・「どうして?何で?どうしてよーー!何が起きているのか分からない」
その場で泣き崩れてしまった・・。その後、どうやって帰ったのかあまり覚えて
いない・・。

あんなに毎日笑顔でいっぱいだった家庭が嘘のように静まり返っていた・・。
あの日から、ママはショックでごはんも喉を通らず、食べては吐きの日々が
続いた・・。