16.本当に終わり?

7月1日。残高照会をする。
前日の6月30日が、和解金12万6000円の支払期限だった。裁判で結論を出すのが最終目的ではない。お金が手元に戻るまでは安心できない。振り込まれているのは和解金全額か、それとも振込手数料を引いた額か。

管理会社は勘違いしている。12万6000円は敷金精算金ではなく、和解金だ。全額振り込まれていなければ、未納金が生じ、管理会社は遅延損害金を支払わなければならない。
暗証番号を押し、残高が出るのを待つ。

残高 12万6,000円

ATMの前で一人、小さく拳を握りしめた。そして全額、引き出した。敷金の大半が戻ってきた満足感より、心地よい脱力感のほうが強かった。

終わった。この件について、もう何もしなくていい。何も考えなくていい。3月29日、不可解な修繕費を電話で告げられてから、3カ月余り、すべてが終わった瞬間だった。

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