番外編2.都庁というところ
某月某日。都庁の第二庁舎にある住宅局不動産指導課に行った。管理会社Fについて調べるためだった。ここでは、都知事から免許を受けて営業している不動産業者の資料を閲覧できる。ただし、電話での問い合わせ、資料のコピーは不可だ。
管理会社Fの都知事許可番号を用紙に記入する。ついでに、平成12年3月に営業停止処分を受けたという大手のA社の資料閲覧も請求する。番号は分からないのですがと言うと、「これぐらいのところでしたらすぐ分かります」と資料の綴じられたファイルを持ってきてくれた。
まずは管理会社Fの資料をまずは見る。特に営業停止等の処分は受けていない。ただ、都への提出書類の遅れで始末書を出している。「今後はこのようなことがないよう気をつけます」というようなことを書いているにもかかわらず、同じ理由で何枚か始末書を提出している。また、申請した事業所の人数が合わないなどで理由書なるものも何枚かあった。
人事があるごとに、採用者、退職者の名前、生年月日がすべて明記してある。宅建の資格者は一人ひとり顔写真入り。先入観を持って、見るせいか、ここの会社の社員全員が犯罪者に見えるから不思議だ。もっとも、彼らが民法では認められていないことをやっていることに、かわりはないが。その中には担当のYの名前もあった。有資格者ではないので、顔写真はない。生年月日から、当時40歳。言葉遣い、常識と実年齢のギャップに驚く。
続いてA社のファイルをめくる。大手のため、その厚さも半端ではない。開けると、その一番上に営業停止通達書があった。一つの事柄が原因で処分を受けたのではなく、5つの不手際によるものだった。
1.江戸川区の物件
・「借主から告示額(0.5カ月)の二倍を受領する」旨の説明もせず、1カ月の媒介報酬を受けた。
・ゴキブリ駆除、プロパン開栓に関する誤った説明で、借主が契約開始から2日間ホテル暮らしを
することになった。
・平面図と実面積の相違。
2.北区の物件
礼金の目的を記していなかった。契約書を交付しなかった。
3.国分寺市の物件
制限の概要について重要事項に記載しなかった。契約書を交付しなかった。
4.世田谷区の物件
差し押さえ物件であることを記載をせずに貸し、敷金が戻らないなどの事態がおこった、
5.江東区の物件
契約してから、入居日まで部屋を見せなかった。
と、平成9年8月から11年10月に起きた5件のトラブルをもとに、平成12年3月に処分がくだされた。
思ったのは、ここまでしないと営業停止処分はくだされない。免許の取り上げなど、もってのほかだ。敷金を返さないくらいは、些細な問題と判断しているのだろう。
試しに、都の職員に、管理会社Fの「敷金の未返還」「立ち会い伴わない退室」を相談。案の定「それぐらいことでしたら……」と関心がない様子。
都の免許を受けた業者に、納税者の都民が被害を被ろうと、都は動かない。