シリコンバレーの給与、福利厚生等について。

良く言われる事ですが、ここでは、専門職や高度な技術を持つ者にとっては、大企業に行くメリットは殆どありません。中小規模の会社でも、大企業でも給与に大きな格差がある訳ではなく、どちらかと言うと、大企業の方が、給与は低めです。また、福利厚生面では大企業の方が良い場合(寄らば大樹の陰ですな)が多い物の、より優秀な人材を求めるサウスベイでは、さほど格差を認められません。それよりも、中小規模の企業の方が、ストックオプションの様な旨味があって金持ちになれる確率はぐぐっと増えます。
また、プリIPOで、IPOをヒットした場合なら、ミリオネラーへの道も開かれます。ここでは、一日に60人以上のミリオネラーが排出されています。

だから、45才くらい前迄の優秀な技術者等は、大企業にじっくり腰を据える事はまず有りません。転職しないのは、仕事が出来ないからだと判断されても仕方がないくらいです。

  • 給与
サンホセマガジンの2001年3月号の特集記事によると、サンホセのプログラマーの平均給与が7万ドルちょい、マーケティングマネジャークラスで8万ドル、エンジニアのマネジャークラスで9.3万ドルとなってます。銀行の窓口業務(アメリカでは、エントリーレベルの仕事)で2万ドルとなっています。平均値ですから、かなり少なく感じますが、実際には、夫位の年齢だともっと多く貰っています。
シリコンバレーの優秀なエンジニアの殆どは、最低でも大学院(修士)は卒業していますし、マーケティングの人達も殆どがMBAを持っているので、高収入になるのは、自然な事なのだと理解しています。
(職業別ではないので、比較になりませんが、日本の平均値は、一昨年公務員に支払われた年間平均所得は660万円強。全国110万企業を対象にした民間労働者の平均給与所得は460万円強と、なります。)

ちなみに、昨年度のサウスベイの世帯当たりの平均給与所得合計が約8万3000ドルでした。また、家のMedian Priceが約53万ドルでした。サンホセの低所得者用住宅の入居資格が世帯当たりの所得が4万5000ドル以下となっていました。

ここでは、年収が8万ドルないと家は買えず、6万ドルないとアパートが借りられないと言います。確かに、2ベッドルームのアパートの賃貸料が2000-3000ドル/月します。又、どうして、これくらい必要かと言うと、連邦所得税率が、年収102.300万ドル-155.950万ドルで31%、カリフォルニア州所得税率が9.3%で合計40.3%の所得税が引かれ、ソーシャルセキュリティー税に6.5%位引かれ、401K、ストックパーチェスの15%を引けば手取りは(可処分所得)、給与の60%以下になってしまうのであるからだ。(401Kやストックパーチェスは消える物ではないけれど)

  • ボーナス
「アメリカの企業にはボーナスが無い」と言う噂を聞いた事が有りますが、そんな事は有りません。少なくとも、夫が今迄勤めた会社は、全部ボーナスが有りました。まあ、%の差は激しかったですけれど。。大企業では年収の5%前後、中小規模の会社では、最高35%でした。
  • マジック75
大企業の、”しかも”エクセレントカンパニーと言われる会社に勤めるメリットは、”マジック75”と称して呼ばれる、企業年金制度(こんな訳は適切ではないかも。。)を享受できる点に有るかも知れませんが、これも、いつ破綻するか分からず、この制度を宛にして、60才で引退するとして、15年とか(定年退職時の年齢と、勤続年数を足して75になれば、生涯、最終給与の半額と健康保険を受けられる企業年金制度)こつこつと働いた挙げ句、制度が破綻しては、バカバカしくなってしまいますからね。

ちなみに、これはミリタリーにもあって、ミリタリーでは、大佐にでもならない限り勤続20年で退職ですが、その後、生涯最終給与の半額と健康保険が受けられると言う物で、これも、1992年だかそれくらい(。。はっきりした年は忘れてしまった。。)以後に入隊した人達は、最終給与の1/3になり、更にその後の人達は、その制度そのものが無くなると聞きました。

夫は、今迄この手の会社に二社勤めた事が有りますが、(最初に勤めた研究所と、その次の会社で、1999年に分裂したあの企業です)H研究所は、適応者には、健康保険と、最終給料の半分を生涯受ける権利を与えており、次の会社は、健康保険を生涯受ける権利を与えていました。でも、「いづれの会社の制度も自分達が退職する頃には破綻している筈だから、そんな事を理由に、い残る気持ちは無かった」といっております。また、どっちの会社も、ケチだから、お給料少なかったのよねー。
けど、「まだ破綻しないって確信が持てる企業が有れば、45才になってから転職すれば!」っと、ムシのいいことを言ってますが、夫はハナで笑ってます。へん。
 

  • 401K(個人年金制度の様なもの=確定拠出型年金制度)
2001年現在で、年間最高10600ドルまで401Kに出資する事ができる。この分は課税対象にならないで、給与から天引きされる。多くの企業では、”マッチング”といって、企業規定の%を、本人の出資額に比例して、年金口座に振り込んでくれると言うもの。稀に小さな企業では、401Kの制度が無い所も有るので、よほど他の条件が良いので無ければ、こういう企業は避けた方が賢明。

日本の年金制度と同様に、国のソーシャルセキュリティーは、いつ破綻してもおかしくない状況なので、401Kを「Max out」といって、「最高限度額一杯まで、定年まで払い続ける事」が、安定した定年後の生活を支えると考えられている。10600ドルを401Kで30年投資しただけで、退職時には、数ミリオンドルになる可能性が大であるのだから。

この401Kは、ウエッブからも、投資先を変更したりできるので、自社株に10%、株式に20%、ミューチュアルファンドに50%、国債に20%等と言った具合に、個人が自分の年金の投資方法を決定できる事もメリットの一つである。しかし、この401K、59才半になる前に引き出すとペナルティーが掛かる。子供の大学進学等で、どうしても引き出す必要がある場合(しかも、同様の金額を毎年引き出す必要に迫られた場合は)裏わざとして、「毎年同じ金額を引き出し続ければ、59才半以前にスタートしても、ペナルティーは掛からない」のだそうだ。例として、55才の時点で、子供の学費と生活費で、年間3万ドル引き出す必要に迫られたとして、55才から亡くなる迄、3万ドルを引き出し続ければ、ペナルティーは掛からないと言う事らしい。
 

  • ストックオプション
プリIPOでは、10万株単位でのストックオプションも珍しく無いと聞く(元値は5セントとかタダに等しい)。もし、IPOになって、一株10ドルになっただけでも、差額の9ドル95セントが儲って、9.95x10万で1ミリオン近い収入になる。

すでにIPOの企業でも、ストックオプションがある会社が多いが、入社時の株価で5000株とか、10000株とかのオファーを貰う。ただし、100%現金化する(エクササイズという)のには、通常4年掛かる。例えば、入社一年で辞めた場合、ストックオプションの25%だけをエクササイズする権利を与えられる(後は権利を放棄する事になる)。人の流れが早いシリコンバレーの優秀な人材引き止め作戦の一つになっている。
(ちなみに夫が今迄勤めた大企業では、ストックオプションは無かった。)
 

  • ストックパーチェス
給与の十数%位を限度に、隔週の給与支払い時に、自社株購入ができる。具体的な例をあげると、夫の今の会社では、月に二回それぞれ給与の15%を限度に自社株購入の為の出資ができる。会社は、このお金をプールしておいて、四半期毎に、その期間中の株式の取り引き最低額にて、株の購入を行う。これも、非常に有り難い制度である。
 
  • 健康保険制度
アメリカには、国民健康保険制度が無い為、企業がオファーする健康保険制度は非常に有り難い。最近、個人で加入すると、家族四人で月1200ドルなんて計算結果が出た話しを耳にした。
大抵HMOとPPOの2つのプランを用意していて、選択できる様になっている事が多い。だいたい、月の保険料支払い額が30-50ドル位で、HMOの場合は、一度診療に訪れる度に10ドル程度のco-payが義務付けられている。確かな情報源ではないが、某ソフトウエア巨大企業では、保険料もco-payも会社持ち(つまりタダ)だとか。。。という、まことしやかな噂を耳にした事がある。
 

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