レインマン Rain Man  ’86米
監督 バリー・レビンソン  出演 ダスティン・ホフマン / トム・クルーズ 

自由奔放な青年が重度の自閉症の兄と出会って心を開き
忘れていた愛情を取り戻して行く過程を描いた秀作。
兄を演じるダスティン・ホスマン、弟を演じるトム・クルーズ、ともに名演。 




劇場公開時に並んで観た映画。
その十数年後に自分がそういう子を授かってしまうんだから、人生とは不思議
なものだ。当時は自閉症という障害の意味が全然分からず、まったくストーリ
ーに入り込めなかったように覚えている。十数年を置き、再び観てみると・・・。

えー、これは演技なのか?! そう思わせるほどのダスティン・ホフマンの怪演
ぶり。仕草、動作、視線の向け方、首の傾げ具合、どこからどう見ても自閉症
の人の特徴を掴んでいる。アカデミー主演男優賞を獲ったのも頷ける。

自閉症を扱う映画のほとんどが、実際とはかなり曲げて描かれている中、この
「レインマン」は、かなり正確なセリフでしっかりと描写されている。
物語前半、トム・クルーズ扮する弟役のチャーリーは兄の障害の意味が理解
できず病院長に質問をする。ダスティン扮するレイモンドを20年間見てきたとい
う設定のその院長はこう答える。

「知覚のインプットと処理過程に問題があるのです。意志の疎通と学習能力に
障害があります。感情の表現と物事の理解ができないし、決まった儀式的行
動に逃げ込む。睡眠、食事、排泄、歩き方、言葉、全てはパターン化され、パ
ターンが破られる事を嫌うのです」

この院長の口を借りて、正確に自閉症の解説をしている。
この映画の出現は、おそらく当時の関係者、もちろん親御さんも含め、多くの
人達の光明となったことだろう。

たった一つだけケチをつけるとしたら、パニック(飛行機に乗りたくないと叫
ぶ)、自傷(パニック時に自分の頭を叩き出す)、天才的な暗記力(ばら撒かれ
た爪楊枝の本数を一瞬で数えたり、電話帳の番号をAから順に暗記)、高い計
算能力(数桁の掛け算割り算を難なくこなす)、こだわり(雨の日は外に出な
い。曜日別に食べるものを決めていたり、観るテレビ番組も決まっている)など
など、高機能、中機能、低機能、何から何まで全ての要素が一緒くたになって
いる人物像。なにもそこまで、という気がしないでもない。

■2001/12/02 





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